声優

地方出身者が声優を目指すときの"こんな悩み"

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経験談と解決策

新年度になると毎年多くの声優志望者が上京し学校や養成所へと入学することになりますが、みなさんのなかにも今後同じように地方から声優目指したいと考える人も多いかもしれません。しかし、地方から目指す場合、様々な悩みごとや問題があるもので、スタートラインに立つだけでもなかなか大変なことだったりしますよね。

実は、筆者である僕自身も""がつくほどの田舎出身者で22歳のときに声優を目指した身なので、目指すまで、そして目指してから感じたことがいろいろとありました。今回はそうした地方出身者ならではの悩みや問題を取り上げつつ、その解決策対処法などをご紹介していきたいと思います。

地方出身者の"あるあるな悩み"

一人暮らし

地方から声優を目指す場合、ほとんどの人が一人暮らしをすることになりますが、実家や地元を離れることに不安を感じる人も少なくないはずです。一人暮らしによって自由になることも大いにありますが、学業だけでなく私生活まですべて自分一人で両立しなければいけません。僕の周りでも半数以上が地方出身者で一人暮らしをしていましたが、なかにはどんなに才能があっても経済的な理由で夢を諦めてしまったり、アルバイトに時間を取られてレッスンや自主練習に支障を来たす子も少なからずいました。そうした意味でも、今のうちから日頃のトレーニングと並行してお金や時間の使い方といった自己管理能力(セルフマネジメント)を養っておくことは将来とても役立つことだったりします。学校や養成所に通ったとしてもほとんどの時間は自分一人の時間になるわけなので、そこをどう有効活用するかがなんだかんだで夢を叶えるポイントでもあります。

また、保護者や周りの了承を得る場合にも、言葉や熱意だけでなく日々の行動や努力を見せることが納得してもらえるきっかけになるかもしれません。

人間関係

地元を離れて新しい環境で人間関係を築くことに不安を感じる人も多いはずで、とくに入学や入所が近づくとますます緊張してきますよね。しかし、声優学校や養成所の良いところは、同じ目標を持った趣味の合いやすい人が多く集まる場ということです。さらに、レッスンでは舞台公演や卒業制作といった課題を通して仲間内で練習できる機会も頻繁にあるので人間関係を築きやすい環境といえます。最初はライバルと感じて気を張ることが多いですが、レッスンを重ねていくなかで切磋琢磨できる仲間を増やしていきましょう。

練習環境

こちらは実際に生活してみて気づくことかもしれませんが、先述したように、個人や仲間内で練習する機会がとにかく多くなります。そうしたときに、自宅や通学先周辺にある練習場所を知っておくことも意外と重要なポイントだったりします。

  • アクセスのしやすさ
  • 利用料金
  • 施設設備(広さ・周辺機器の有無など)
  • 混み具合(利用のしやすさ)

セリフ・原稿読み、舞台に歌やダンスといったように様々な課題が出てくると思うので、どういった用途に向いているか?を考えながら、学校・養成所内の貸し出し教室を確認したり、公園やダンススタジオといった公共施設を調べておくと練習がとても捗るので土地勘がついた頃にぜひチェックしてみてください。

訛り・方言

声の仕事を目指す上でとにかく気をつけたいのが「訛り」や「方言」ですよね。せっかく良い演技ができてもアクセントが違えばすぐに指摘されるだけに早めに治すべきですが、僕の周りでも出身地によってなかなか訛りが抜けずに苦戦する人も少なからずいました。そこで、染み付いた喋りグセを治すために以下の項目を実践してみてください。

  • 発音(共通語)が綺麗な人とたくさん話す
  • アナウンサーやナレーターの発音をチェックする
  • 曲の楽器ごとに音を聴き分ける

毎回アクセント辞典を調べて頭で覚えるよりも、まずは共通語をたくさん聞けて指摘してもらえる環境を作ったり耳を鍛える練習をすることがおすすめで、指摘されたときにも「どこがどう違うのか?」という音の違いがわかるようになります。この感覚が磨かれると、アクセントだけではなく細かいニュアンスや声色の違いなども理解できるので日頃から意識して取り組んでみてください。

年齢

地方に在住の場合、どうしても声優学校や養成所へ通うことが難しいために多くの人は高校や大学卒業後、あるいは社会人を経て入学を検討する人が多いはずです。昨今では、声優も若年化傾向にあり、とくに女性では10代から活躍するプロも少なくありませんよね。僕自身も目指し始めた年齢が高かったため周りは年下の子が多かったですが、なかでも当時驚いたのは、すでに何かしらの芸歴が演技経験のある子がちらほらいたことで、この点は地方に比べて都心部に住む方が圧倒的に有利といえます。

そうしたことから、入学後周りと比べて悩んだりコンプレックスに感じることもあるはずですし、事実オーディション内容によっては考慮されることでもあります。しかし、数年の年齢や経験の差は今後プロになって長い目で見るとさほど変わらないことで、同じ生徒同士であれば上手い下手の差なんて微々たるものなので気にしなくても大丈夫です。

言ってしまえば、年齢や経歴はただの数字であって、その人の声質や力量、人間性といった本質の方がもっと大事なことだったりします。

まとめ

というわけで、今回は地方出身の声優志望者にありがちな悩みとその対処法をご紹介してきました。声優を目指す上で地方出身者は何かと不利に感じることも少なくありませんが、今後の努力や考え方次第で、それはいくらでも解決できたり前向きに捉えることも可能です。そして、将来様々な仕事を通して人と関わっていくことで、地元の出身であることが自分の強みになることだってあるかもしれません。

ライター:ゆうき

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