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副業持ちでもマンガ家になれる?兼業マンガ家の実態、メリットなどを解説
将来マンガ家になりたいけれど、将来性や収入面が心配だと思っている人や、そうした問題で親に反対されているというひとも多いのではないでしょうか?
そのような問題を解決するひとつの方法が、副業で収入を得ながらマンガ家を続ける「兼業マンガ家」です。
本記事では兼業マンガ家のメリットやデメリット、副業を選択する上で注意すべきことといった、兼業マンガ家を目指す上で注意すべきポイントを解説します。ぜひ参考にしてみてください。
【目次】
副業とマンガ家について考えてみる
「兼業マンガ家」の実態とはどんなものなのでしょうか?兼業マンガ家は専業マンガ家に比べてどんなメリットやデメリットがあるのか?なぜ専業マンガ家ではなく兼業マンガ家を目指すのか?といった点について考えてみましょう。
①専業マンガ家で食べていくのは難しい?
そもそもなぜ兼業マンガ家を目指す必要があるのでしょうか?最大の理由はマンガ家という職業の不安定さがあるためです。
基本的にマンガ家は、フリーランスとして出版社から仕事を請け負って、原稿料といった形で収入を得る職業です。出版社に社員として直接雇われるわけではないので、毎月の給与といったものは存在せず、執筆した原稿に対する対価を受け取る形になります。このため健康面その他の要因で原稿が掲載されない期間が発生すれば、その間は当然無収入になってしまいます。
また原稿料は最短で掲載月の翌月以降に支払いといった形が多いため、出版社側の都合などで掲載が遅れれば、支払いも遅れることになる点にも注意が必要でしょう。
さらにフリーランスは、健康保険は基本割高な国民健康保険になりますし、ボーナスも退職金も存在しません。クレジットカードの審査にきわめて通りにくいといった問題もあります。
ちなみに健康保険に関しては、実績を積んで「日本漫画家協会」への入会が認められれば、「文芸美術国民健康保険」に加入できるようになるので、覚えておきましょう。
②兼業マンガ家のメリットは?
専業マンガ家のデメリットに対して、兼業マンガ家のメリットは以下のようなものが考えられます。
・収入面の安定性
これが兼業マンガ家の最大のメリットです。会社員であれば月々の給与や社会保険、ボーナス、退職金、といった制度が利用できるようになるため、長期的な支払いや資産管理の計画が立てやすくなります。
・経験を作品に生かせる
副業で得た経験をマンガ作品に生かせるというメリットも見逃せません。わかりやすい例としては、医師や弁護士など副業で経験した職種・業界をテーマに説得力のある作品を描くことができます。
直接的でなくとも自宅にこもりがちな専業マンガ家に比べ、人間関係に始まりさまざまな経験を得るチャンスが増えるのは間違いありません。マンガ家は経験商売といわれることもあります。豊富な経験は物語を創るうえでの大きな武器になってくれるのです。
・複数の夢をかなえられる
兼業することは、1度きりの人生で複数の職業に就くということでもあります。マンガ家以外にもなりたい職業があるのなら、両方の夢を叶えてしまえばいいのです。苦労が増えることは間違いありませんが、それを上回る達成感・充実感を得られることでしょう。
③兼業マンガ家のデメリットは?
一方、兼業マンガ家は茨の道でもあります。兼業マンガ家のデメリットには以下のようなものが考えられるでしょう。
・時間的、体力的な困難さ
複数の職に就くということは、当然その分だけ時間を取られるということに直結します。会社員であれば退勤後の時間を、創作活動につぎ込むことになります。仕事で疲れて帰ってきても体にむちを打って創作に励まなくてはいけません。
休日も同様です。同僚たちが趣味やレジャーを楽しんでいる間もマンガを描き続けなくてはいけません。筆が遅ければゲームやアニメを楽しむ時間も確保できないことでしょう。
・ライバルとの学習・執筆時間の差
時間的困難さから派生する問題ですが、マンガ家業、副業ともに学習や原稿執筆に充てられる時間に限界がある点も見逃せません。
つまりライバルより少ない時間で最新知識やテクニックを身に着けて、競争に打ち勝たなければならないのです。作品執筆においてもライバルより短い時間で同等以上の作品を作り上げなければならないのですから、その困難さは推して知るべしでしょう。
・マルチタスクやプロジェクト管理の難しさ
副業とマンガ家業、それぞれに時間を割り振らなければいけない困難さはすでに説明しましたが、副業の繁忙期とマンガの締切が被るといった、非常事態も考慮に入れる必要があります。副業で残業が発生する可能性もあるでしょう。複数作品の締切がかぶる場合もあるかもしれません。
タスクを適切に割り振ってしっかりとスケジュールを管理できなければ、あっという間に破綻してしまう恐れがあります。
マンガ家との両立に向いた職業について考えてみる
専業マンガ家の不安定さと兼業マンガ家のメリット・デメリットについて確認してきましたが、次に兼業マンガ家の道に進むうえで、マンガ家と副業を両立させるにはどんな職業が向いているのか、また向いていないのかを考えてみましょう。
①兼業マンガ家に向いた職業の条件は?
まずは兼業マンガ家に向く副業の条件について考えてみます。
・通勤時間の短さ
副業を選択する上で真っ先に検討するべきなのが、通勤時間の短さです。2つの職に時間を割り振る以上、移動時間によるタイムロスは最小限に抑える必要があります。電車通勤の時間を学習や睡眠に充てるといった方法もありますが、移動による体力の消耗も無視できない問題です。理想は在宅ワークです。
・拘束時間の短さ
就労時間が短いほどマンガ家業に割り当てられる時間が増えるので、重要なポイントといえます。ただし、就労時間が短い場合、低賃金だったり重労働だったり、あるいは勤務形態が不規則だったりするケースも多くなりがちです。
・マンガに直接関連のある仕事
マンガアシスタントやマンガ編集者、各種デザイナーなど、マンガ家に隣接あるいは似た職種であれば、共通のテクニックを副業とマンガ家業に生かすことができるでしょう。またそれぞれで関連知識を学んで、他方に直接生かすといった相乗効果も期待できます。
・経験がマンガに生かせる職種
兼業マンガ家のメリットでも述べましたが、医療マンガを描きたいなら医療、ゲーム業界マンガならゲーム開発者など、経験をマンガ執筆に生かせる職業を検討するというのもひとつの選択肢です。
②兼業マンガ家に向かない職業の条件は?
反対に兼業マンガ家に向かない職業についても考えてみましょう。
・拘束時間の長さ
副業に向く職業の裏返しとなりますが、就労時間の長い職業は避けるべきでしょう。
・体力の消耗度合
建設業を始めとする肉体労働を求められる職業は極力避けたいところです。肉体労働でくたくたになって帰宅したあと創作活動するのは大変な苦痛を伴います。よほど体力に自信がなければ選択するべきではありません。
・学習負荷の高い職種
兼業マンガ家のデメリットでも触れましたが、専門知識が必要で進歩が速い職種、医療、プログラミング、各種開発・研究といった分野は、常に最先端の知識を学び続ける必要があります。マンガ家業に時間を割かなければならない以上、大変な困難を伴うことは想像がつくことでしょう。ただし、これら専門職とマンガ家の両立は難しいということは、両立させているライバルが少なく、マンガのネタとして生かした場合ライバルよりも説得力のある作品を作ることができるといえるかもしれません。
③兼業に向くマンガジャンルについて考えてみる
ここまではマンガ家と組み合わせやすい職業について説明してきましたが、反対に副業と両立させやすいマンガジャンルについても考えてみましょう。
・マンガアシスタント
マンガの執筆を補助するマンガアシスタントは、マンガ家を目指すための第一歩として真っ先に挙げられる存在でしょう。副業の就業時間帯とマッチする案件を見つけられるかという問題はありますが、一人で自宅に籠って経験を積むよりは、テクニックを学ぶ面でも、兼業マンガ家のノウハウを得る面でも得るものは大きいはずです。
・SNS投稿・同人マンガ
プロのマンガ家とはいえませんが、X(旧Twitter)やPixivといったSNS上でコンスタントに作品を発表したり、同人でマンガを描いて即売会や各種ダウンロード販売サイトなどで販売するのもひとつの方法です。
収入に結びつかなくても、継続的に作品を発表し続けることで、広告マンガやWebマンガなどへの足掛かりとなる可能性もあります。
とくに中・長編マンガを描き切る実力と実績がある場合、原作付きWebマンガの作画担当としてのチャンスが巡ってくるかもしれません。。
・Kindle ダイレクト・パブリッシング
Amazonの電子書籍プラットフォームKindleでの自費出版も一考の価値があります。手軽な分ライバルも多いですが、電子書籍を読者に買ってもらう以外にも、Kindleの読み放題サービスで無料で読まれた分に対しても対価が支払われるため、同人誌のダウンロード販売より読者に手を取ってもらいやすいというメリットがあります。
・広告マンガ
企業広告の案件マンガを作成する仕事です。企業サイトに掲載されるものやSNS上で配信されるもの、Web広告として発信されるものなどさまざまです。報酬価格やページ数などもさまざまです。企業の求めるものをくみ取ってマンガにするため、コミュニケーション能力なども求められる仕事です。
・Webマンガ
無料のWebマンガサイトで広告付き無料または1話単位で販売されるマンガです。閲覧数が伸びれば書籍販売に道が開けるケースもあります。オリジナル作品も存在しますが、「小説家になろう」などのWeb小説が原作の作品が多いのが現状です。雑誌などに比べると掲載数が多く、現代のマンガ家の登竜門ともいえるでしょう。またWebサービスによってはスマホで閲覧するためのスクロールマンガといった形態をとることもあります。
専業への切り替えについて考えてみる
ここまで解説してきたように、兼業マンガ家には収入が安定るするといった大きなメリットがある反面、苦労も大きいのが現実です。兼業マンガ家から専業へと切り替えるべきタイミングはあるのか?最後に兼業マンガ家から専業マンガ家への切り替えについて考えてみましょう。
①ベストケースはマンガ家としての収入が安定したとき
いうまでもなく、専業に切り替えるべきタイミングの理想はマンガ家としての実績を積み上げ収入が安定してきたタイミングでしょう。
マンガ家として十分な収入を得られるようになったのであれば、マンガ家に専念することで執筆する量やクオリティの向上を目指すのは自然な流れです。しかし、こうしたケースは一部の成功者だけに限られます。
②現実的な選択肢は数年間の活動資金が貯蓄できたとき
よくあるケースとしては、副業に時間や体力を奪われてしまい連載との両立は無理だと感じたときがあげられるでしょう。
この選択は安定した収入を捨てることになりますから、兼業とはまた別の困難を伴います。現実的な選択肢は、いずれ兼業に限界がくることを見据えて、数年間専業マンガ家を続けられるだけの貯蓄をしていくことです。求める生活レベルにもよりますが、アルバイトも一切しないなら年間200万円前後は必要となるでしょう。
兼業マンガ家を目指すなら総合学園ヒューマンアカデミー!
この記事で、マンガ家を目指すうえで兼業マンガ家は現実的な選択肢であることは知ってもらえたのではないでしょうか。同時にマンガ家と副業を両立させるにはさまざまな困難があることも理解していただけたと思います。
結局のところ兼業マンガ家とは時間を切り詰めることで収入を安定させることです。
つまり時間の使い方がその成否を握っているのです。
時間を有効に使うためには、マンガの練習をするにせよ作品を描くにせよ効率のいい方法や時短テクニックを身につけることが大切です。
その際は「総合学園ヒューマンアカデミー」をはじめとした専門校に通うことで、将来につながるスキルを着実に身につけられるでしょう。ヒューマンアカデミーならオンラインでの受講も可能なので、自分に合った方法を見つけてみてくださいね。
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