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2022. 04. 25
学園長コラム【学園長コラム vol.51】個性、努力、経験(勇気)
これは私の持論というか人生訓みたいなものですが、
「人生はその人の個性と努力と経験で決まる」と私は信じています。
何に興味を抱くか、何を面白いと感じ、何をつまらないと感じるか。これは個性です。
たとえばITの道に進んだ場合でも、オシャレなプログラムを組むことが面白いと感じる人もいれば、
入力画面の使いやすさにこだわる人、プログラミングが速いことに価値を見いだす人など様々います。
もっと言えば、ユーザーとの打ち合わせが楽しい人、後輩を指導することでやる気が出る人、
プレゼンで聴衆をうならせたい人など、実に多様です。
これらの違いは人々の個性によってもたらされていると思います。
しかし面白いことだけに注力していてはプロフェッショナルにはなれません。
面白いとは感じられないこと・分野であっても、それが重要であるならば努力する必要があります。
つまり努力は苦手なことに対してどこまで頑張れるか、が重要です。
もちろん得意なことに対していかに深く・長く努力を続けられるかが重要なことは言うまでもありません。
若いうちは、個性と努力でその人のキャラが決まりますが、
時間経過とともに、何を経験してきたかが大きな違いとなって現れてきます。
私が就職したIT企業は、もう40年以上も昔の話になりますが、大きく金融分野のシステムを扱う部門と、
流通分野のシステムを扱う部門に分かれていました。
金融では銀行や証券会社が顧客であり、流通ではコンビニやスーパーが顧客でした。
同じく大型のコンピュータを使い、同じプログラミング言語を使っていたものの、
ユーザーが変わるとシステムの作り方への考え方が変わりました。
たとえば小さなミスへの考え方について、
「ミス発生の確率を最小限にする」と「ミスからの回復時間を最小限にする」のどちらをより重要視するか、
などの価値観に違いがありました。
実は経験が、その後の個性に反映していきます。
つまり個性と努力が「何を経験できるか」を決めていきますが、経験により個性が少しずつ変化していくものなのです。
さて、同じチャンスを与えられた二人の人間がいるとします。
つまり、これから二人は同じ経験をすることになります。
しかし実は全く同じ経験になるとは限らないのです。
この違いは二人の勇気の差によってもたらされます。
「この仕事をやる」というミッションを与えられたとき、何か疑問を感じて質問をしたり、
自分で何かを調べたりすることには実は勇気がいるのです。
質問自体に勇気がいりますが、調べることについても、そのために時間を費やすことになりますから、
限られた時間内に仕事を完遂させるためには勇気がないとできません。
あるいは数名のチームで仕事をする際にも、勇気を出して自ら難易度の高いテーマに立候補するなど、
勇気のある人は他の人に比較して違うレベルの経験を積んでいくものなのです。
個性と努力と経験、そして経験の質を決める勇気。
この四つが人生を決める、私はそう信じています。
<プロフィール>
東京工業大学理学部数学科卒業。
ITエンジニアとしてコンビニ、アパレル、保険、銀行、人材派遣など様々な業界のシステム開発を手がけ、現在は株式会社クレスコ社外取締役、ユーザー系企業・顧問 情報活用コンサルティング、IT系企業・顧問 事業戦略策定コンサルティングを兼務。「ダメなシステム屋にだまされるな」(2009年日系BP)など、IT関連の著書も多数。
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