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2022. 02. 28
学園長コラム【学園長コラム vol.50】仕事が速い=仕事ができる
ITの分野は、他の多くの分野と同様に、仕事が速い=仕事ができるという法則が成り立つ分野です。
仕事が速いと、見直す時間・余裕が生まれ、仕事の質が向上します。これが第一。
仕事が速いと、たとえば一ヶ月、一年間など同じ期間であれば
他人より多くの仕事を割り当てられ、経験量が増し、成長も早くなります。これが第二。
仕事が速いと、上司の立場で考えた場合、ちょっと難しい仕事を誰に割り当てようかと考えたとき、
もし途中で「むずかしい」という状況になったとしても、そのことが早く発見できる速い部下・同僚に任せたくなるものです。
仕事が速く、かつ、向上心があれば、仕事で採用した技術や知識について、
必要最低限の技術等で仕事をこなした後、自由に調べて勉強できる時間的余裕が生まれ、
同じテーマをこなしても他人よりも成長します。
向上心はあっても仕事が遅ければ勉強する時間的余裕は生まれません。
なお、仕事が速くても乱雑であれば意味がありません。
というか、そういう人に対して「仕事が速い」という表現(褒め言葉)は使いません。
ペラペラと早口でしゃべるけれど意味のある言葉が少ない人に対して「雄弁である」を使わないのと同じこと。
仕事のスピードは、技術力、知識、経験量によって決まってきますが、
これに加えて大切な要件がもう一つ、「仕事を速く進めようとする意思と工夫」です。
これからある仕事に取り組むというとき、
最初に、その仕事を小さな仕事の単位に分解します。
この仕事単位をタスクtaskなどと言うことがあります。
たとえば10のタスク、AからJまでに分解できたとします。
このうち、「縦長にやるしかない」ものと、「同時進行ができるもの」に分けることができるはずです。
例えば、Aを済ませない限りBには着手できないが、CはAと同時に進めることができる、など。
AとBは縦長にやるしかないが、Cはパラにできる(パラレルparallel=同時進行という意味)などと表現します。
このとき、Aを進めていて、何かの結果待ちなどで時間が空いたとき、仕事が速い人はCを進めるのです。
また、例えば10のタスクのうち、「事前に調べないと仕事に着手できないもの」を見つけ、
仕事の速い人はAやBをやりながら、調べる方法を探し、勉強を開始します。
以上は「一人で」仕事を進める場合ですが、本当に仕事の速い人は「チームで」仕事を進めるときにもその速さを発揮します。
パラにできる仕事は別な人たちが同時に担当できますし、事前に何かを調べるときも、
調べるテーマが複数あれば、それぞれこのチャンスを使って専門家を作ってしまおうと考えるものです。
誰か一人だけを調べる専門家にすると調べるテーマが多くある場合、
この人は縦長にやるしかなく、全体のスピードが落ちてしまいますが、
テーマごとに担当を割り振ればトータルの所要時間を短縮することが可能です。
つまり、仕事が速い人は賢い人、仕事ができる人なのです。
<プロフィール>
東京工業大学理学部数学科卒業。
ITエンジニアとしてコンビニ、アパレル、保険、銀行、人材派遣など様々な業界のシステム開発を手がけ、現在は株式会社クレスコ社外取締役、ユーザー系企業・顧問 情報活用コンサルティング、IT系企業・顧問 事業戦略策定コンサルティングを兼務。「ダメなシステム屋にだまされるな」(2009年日系BP)など、IT関連の著書も多数。
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