ニュース&トピックス
News
2019. 11. 25
学園長コラム【学園長コラム vol.15】メガ、ギガ、テラ
1979年にこの世界に入った私は、データを記録する媒体としての
磁気テープを最初に見たときの驚きが忘れられない。
「ここに1億バイトのデータを記録できる」と聞いて、
思わず「え!」と言ってしまった。
その磁気テープは重さで数kg、直径30センチぐらいに巻き取られて
プラスチックのケースに入っていた。1億バイトはずっしり重かった。
1億バイト、つまり108バイト。
1980年代に入って小型コンピュータが普及し、持ち運びできる記録媒体として
フロッピーディスクというものが発明されたが、これを最初に見たときもおどろいた。
薄っぺらく軽いレコード盤のようなものだったが、なんと、ここに1メガバイトが入るという。
1メガバイト、つまり106バイト。
いま、私の目の前に、重さ10gぐらいのUSBメモリがあり、その容量は128ギガバイト。
つまり128×109バイト。40年間の技術進歩はすさまじい。
1キロバイトは1kバイトとも表記するが、103バイト。1kgや1kmと同じく、千だ。
1メガバイト(1mバイト)は、106バイトであり、(103)2バイト。これは百万。
1ギガバイト(1gバイト)は、109バイトであり、(103)3バイト。これは10億。
1テラバイト(1tバイト)は、1012バイトであり、(103)4バイト。これは1兆。
1ペタバイト(1pバイト)は、1015バイトであり、(103)5バイト。1,000兆。
1990年代に、大手コンビニの巨大データベースが「テラの世界に入った」と関係者が騒いでいた。
さて、実は、通信速度を表現するときは、1秒間に何ビット伝送できるかで表記するのだが、
例えば、2400bpsは2400ビット・パー・セカンド、bit per secondで、
バイトではなくビットを用いる(1バイトは8ビット)。
このときも速度が大きくなるにつれ、キロ(k)やメガ(m)、ギガ(g)などを使うが、
この場合のキロ、メガ、ギガ、テラなどは先ほどとはちょっと異なる定義となる。
1キロとは210=1,024であり、103=1,000とは2.4%の誤差があるが、
実は普通、この誤差を無視する。
1メガは220=1,048,576であり、106=1,000,000とは4.9%の誤差、
1ギガは230=1,073,741,824であり、109=1,000,000,000とは7.4%の誤差、
1テラは240=1,099,511,627,776であり、1012=1,000,000,000,000とは10.0%の誤差がある。
厳密に容量や速度などを計算するときは別だが、
普通は103=1,000と210=1,024をあまり区別しない。
たとえば、400万画素256色の画像には何ビットの容量が必要かを計算するとき、
400万なら4=22メガ、256は28なので、22×220×28=230、つまり1ギガと結論を出す。
ITカレッジ学園長 佐藤 治夫
<プロフィール>
東京工業大学理学部数学科卒業。
ITエンジニアとしてコンビニ、アパレル、保険、銀行、人材派遣など様々な業界のシステム開発を手がけ、現在は株式会社クレスコ社外取締役、ユーザー系企業・顧問 情報活用コンサルティング、IT系企業・顧問 事業戦略策定コンサルティングを兼務。「ダメなシステム屋にだまされるな」(2009年日系BP)など、IT関連の著書も多数。
▼バックナンバーはこちら▼
【学園長コラム vol.1】毎日の仕事はITだらけ
【学園長コラム vol.2】プログラミングの初仕事
【学園長コラム vol.3】世界を変えるためにやっている
【学園長コラム vol.4】異常終了 - アベンド -
【学園長コラム vol.5】天才ユーザー(アパレル)
【学園長コラム vol.6】等比数列の和の公式
【学園長コラム vol.7】業種とIT
【学園長コラム vol.8】世界のIT
【学園長コラム vol.9】Win - Win - Win
【学園長コラム vol.10】Why don't you come to me?
【学園長コラム vol.11】経済産業省が鳴らす警鐘
【学園長コラム vol.12】AIとIoT
【学園長コラム vol.13】天才ユーザー(コンビニ)月曜夜9時の少年ジャンプ
【学園長コラム vol.14】天才ユーザー(百貨店)