声優になるにはどうしたらいい?目指し方のポイント

映像作品のキャラクターに命を吹き込む「声優」は、自分らしさを活かし、やりがいを持って働けることが魅力の仕事です。そんな魅力的な声優の仕事に就きたいと考える人は多く存在します。ただ、声優という職業は一般企業のような質疑応答がくり返される面接や、履歴書の確認だけでなれるものではありません。そのため、声優になるには具体的に何をしたら良いのかわからないと悩む人もいるでしょう。声優になるには、ステップをきちんと確認したうえで、夢に向かって綿密に計画を練ることが肝心です。ここでは、声優の具体的な目指し方について紹介します。

 

そもそも声優の仕事って?

声優は、テレビ・アニメ・海外映画、およびドラマやゲームのキャラクターなどに声を吹き込む仕事です。
その役になりきって声を吹き込むことで、作品がより魅力的に仕上がる夢のある仕事といえます。
また、なかにはゲームのキャラクターボイス、テレビやラジオのナレーションを担当することもあり、携われる仕事が多岐に渡ることが特徴です。

それに、声優として知名度が高くなったり人気が出たりすると、歌手としてデビューできる可能性もあります。
各種イベントやコンサートなどに参加することもあるため、幅広いフィールドで活躍したいと願う人にとって、とても魅力的な仕事といえるでしょう。
 


声優に向いているのはどんな人?

誰もが声優になれるというわけではなく、性格により向き・不向きがあるとされています。
なかでも、声優に向いている人の特徴には、以下の4つが挙げられます。
まず、1つ目は「声優になりたい意思が強い」という点です。声優は決して「楽に稼げる仕事」とはいえません。
もちろん、なかにはアニメやゲームに多く起用されたり歌手デビューをしたりして、高額な収入を得ている売れっ子声優もいます。
ただ、このような売れっ子声優はほんの一握りであり、その地位に辿り着くまでには、長い下積み経験が必要になるのです。
そのため、新人のうちは声優として活動をするかたわら、アルバイトや副業をしながら生活をする人が多いといわれています。

このように、声優として成功するのは非常に狭き門であり、決して軽い気持ちで長年続けられるものではないのです。
声優になるには「絶対に成功する」という強い意志や向上心を持つことが必要不可欠です。絶対に夢を叶えるというポテンシャルを維持できる粘り強さや、長い下積み期間を過ごす忍耐力を兼ね備えている人こそ、声優に向いているといえます。

2つ目に「人とコミュニケーションをとるのが好き」という点が挙げられます。
声優というと、黙々とマイクに向かってセリフを読み上げる、個人プレーの仕事だと考える人は珍しくありません。
しかし、声優は実際のところ、他の声優や大勢のスタッフとやりとりをする機会が多く、コミュニケーション力が重要視される仕事だとされています。
なぜなら、アニメにしろ映画にしろ、自分1人だけで作品を完成させることはできないためです。
他の声優やスタッフなど、作品に関わる人と一丸となって作業を進めることで、素晴らしい作品が完成します。
それに、コミュニケーション力があると、初対面の人ともスムーズに打ち解けられ、和やかなムードで仕事を進めやすくなるのです。さらに、コミュニケーションが円滑だと、監督やスタッフが求めているものを正確に理解できたり、素早く仕事に反映させやすくなったりします。コミュニケーション力は声優が仕事を円滑に進めるうえで、なくてはならない能力の一つといえます。

3つ目に「感受性が豊かである」ことも、声優に向いている要素です。声優は俳優や女優と異なり、「声のみ」で人の心を動かすことが求められます。
演じるキャラクターがシーンごとに抱いている気持ちを脚本から読み取る、感受性の豊かさが必要なのです。日頃から小さなことでも楽しい気分になったり、美しいものを見て感動したりできる感受性の高い人は、声優の仕事に向いている傾向です。反対に、物事を冷めた視点でしか見られなかったり、感情の起伏が少なかったりする場合は、声優の仕事に不向きである可能性があります。感受性を豊かにすることは、声優を目指す人にとって大いに意味のあることです。日頃から世間のさまざまなことに興味を持ったり、積極的にいろいろな体験をしたりして、感性を磨く意識を持つことが大切です。

4つ目に「素直に人の意見を受け入れられる」ことが挙げられます。養成機関でレッスンを受けたり現場で仕事をしたりすると、「ここはこうしたほうがいい」というように、先生や監督からアドバイスを受ける場面があるでしょう。このときに、自分は「絶対に間違っていない」と決めつけてしまうと、なかなか演技の幅が広がりません。アドバイスをもらったら、素直に受け入れて即座に対応することが大切なのです。指導されたことを素直に受け入れることで表現の幅が広がり、声優としてのスキルをより磨くことができます。したがって、人の意見に耳を傾けられる素直さや柔軟性を持つ人は、声優向きの性格といえます。
 

声優になるにはまずどうするべき?

声優は特別な資格が必要となる仕事ではないため、「必ずこのルートを歩まなければならない」という決まりはありません。
しかし、声優を目指す人はほとんどの場合、ヒューマンアカデミーのような声優専門の学校、養成所、声優スクールなどに入ることが基本です。
なぜなら、声優として成功するには専門機関でしっかり勉強して、現場で通用するスキルを磨いておく必要があるためです。専門機関で基礎を学んでから声優プロダクションへの所属を目指すことで、オーディションをスムーズに突破しやすくなることが期待できます。

声優の養成機関は大きく分けて「声優養成所」「専門学校」「声優スクール」の3種類があります。それぞれ特徴が異なるため、しっかり内容を比較したうえで、自分に向いている養成機関を選ぶことが大切です。

養成所と専門学校の違いはこちら


まず、「声優養成所」は多くの場合、1~2年程度のレッスンを受けて、声優に必要な技能を身に付けていくケースが多く見られます。主に発声の仕方や演技の指導、呼吸方法などを学ぶことが一般的です。養成所によってレッスン回数や料金などは異なるため、きちんと入所前に調べておく必要があります。また、声優養成所のなかには、レッスン料の他にも入所金が別途かかる場合があるため、要注意です。養成所に所属している人の年齢層は、おおむね10代後半~20代前半が多い傾向だとされています。それから、声優養成所は授業のコマ数が比較的少なく、自由な時間を確保しやすいというメリットがあります。自由時間を自己練習に充てたりアルバイトをして学費を稼いだりと、自分の予定に合わせて有効活用できることも魅力です。

次に、「専門学校」はプロ声優の育成を目的とした機関であり、授業時間が長いことが特徴として挙げられます。専門学校は全日制や2年制であるケースが多く、学ぶ時間が長いため、基礎からしっかりと技術を身に付けたい人に向いています。また、専門学校は通常の授業に加えて、学園祭やイベントといった年間行事が豊富なところが多いという点も特徴です。声優としてのスキルを身に付けるだけではなく、学生らしい和気あいあいとした日常を送りたい人は、専門学校を選ぶのも良い手です。
専門学校は一般的に入学金や授業料、施設維持費などがかかり、場合によっては研修費などがかかる場合もあります。ただし、専門学校によっては学費免除制度や特待生制度などが設けられている場合があり、制度を利用することができれば、学費をぐっと抑えることが可能です。

民間の「声優スクール」は、他の習い事と同様に月謝制であるケースが多く見られ、自分でレッスンの回数を決めて技術を磨いていきます。
スクールは声優養成所や専門学校などに比べると、比較的金銭的な負担が少ないということが特徴です。また、月謝制であるため気軽に誰でも挑戦しやすく、社会人でも自分のペースでレッスンを受けやすいことがメリットとして挙げられます。ただし、自分でレッスンの配分を決めなければならないぶん、スケジュール管理が重要になります。自分できちんと予定の管理をできる自信のある人や、できる限り予算を抑えて声優を目指したいという人は、声優スクールを選ぶのも一つの手です。

声優の試験の流れって?

誰でもすぐ声優養成所に入所できるというわけではなく、入所試験を受けることが一般的です。
試験の内容は、大きく分けて「書類審査」「面接」「演技試験」の3つが実施されることが基本です。
まず、履歴書による書類審査が行われ、その審査に合格した人が次に面接や演技試験を受験するという流れが多く見られます。スムーズに面接や演技試験に進むためにも、履歴書は丁寧に作成することが大切です。

特に重要となるのが、添付する写真です。履歴書に添付する写真は自分を表現するための重要なツールですから、個性が伝わる映りの良い写真を選ぶ必要があります。
なお、添付する写真はスピード写真よりも、プロのカメラマンに撮影してもらったものを選ぶのが無難です。スタジオで撮影してもらった写真であれば、ワンランク上の仕上がりを目指せます。好印象を与えるためにも、写真は慎重に選ぶことがポイントです。

書類選考に合格したら、面接や演技試験を突破する必要があります。面接では、主に志望動機や特技、自己アピールなどについて質問されることが一般的です。
なかには、好きな声優について問われるケースもあります。どんな質問をされてもスムーズに答えられるように、あらかじめ質問を想定し、その回答を考えておくことが大切です。
それから、面接において最も重要になるのが、「明るくはきはきと受け答えをする」ことです。ボソボソと暗い表情で受け答えをしてしまうと、自信がない印象を与えかねません。声優はさまざまなキャラクターになりきり、人の心を動かす演技をする必要があります。それなのに、自信がないようなそぶりを見せてしまうと、「声優に向いていない」という印象を与えてしまうリスクが高まります。面接では常に笑顔を心がけ、質問に対してはきはきと答えることを意識しましょう。

なお、面接の際は服装や髪型なども審査の対象として見られている場合があります。したがって、自分らしさを表現できる服装を選ぶことがポイントです。面接当日になって服装選びに悩んでしまわないように、前日までにコーディネートを決めておくと安心感を得られます。

演技試験では、「セリフ読み」「早口言葉」「リアクションの演技」などが多く実施されている傾向です。リアクションの演技は「突然知らない異性に告白をされた」というように、指定されたお題に応じた演技をすることが一般的です。アドリブ性や高い表現力が求められるため、普段からリアクションの演技の練習に力を入れておきましょう。

ヒューマンアカデミーで実施される学内オーディションはこちら

プロダクション所属で仕事がとれるわけではない!

養成機関でスキルを磨いた後は、プロダクションに所属するのが一般的な流れです。
プロダクションに所属すると、まずは仮所属という扱いになり、仕事を得るには自らオーディションを受ける必要があります。オーディションは、声優養成所や声優プロダクションに入るのと同様に、「書類審査」「面接」「演技試験」が行われることが一般的です。

オーディションは場合によっては年齢制限が設けられていたり、経験の有無を問う場合があったりするため、応募前にしっかりと要項を確認しておくことが肝心です。書類審査を突破したら、面接や演技試験に進むのが基本とされています。演技試験は監督やスタッフなどがいる場所で、決められた日程に行われるケースが多く見られます。

役別のオーディションの場合は、その役のイメージに合わせて用意されたセリフを、応募者が順に演技をするという流れが一般的です。
オーディションでは、主に「役のイメージにどのくらい合っているか」が重視されるポイントです。オーディションの当日までに役のイメージをしっかりと固めて、その役になりきって演技をすることが、合格への近道になります。
 

事務所への所属は絶対にしなければならない?

声優を目指す人のなかには、「事務所に必ず所属しなければならないのか」という疑問を持つ人もいるかもしれません。
結論からいうと、声優はプロダクションに所属して働いている人がほとんどだとされています。なぜなら、プロダクションに所属していたほうが、有益な情報を得やすくなったり、オーディションを多く受けやすくなったりするというメリットがあるためです。

ただし、下積み時代の仮所属では、仕事の案件ごとに自分でオーディションを受ける必要があります。
したがって、自分が強みとするジャンルを明確にして案件選びをすることが重要になるのです。下積み期間を経てさまざまな仕事を経験すると、晴れて「正所属」となり、マネージャーがついて仕事を定期的にもらえる可能性がぐっと高まります。

仮所属から正所属にランクアップするためには、「実績」を作ることが欠かせません。実績作りには、積極的に多くのオーディションを受けたり、レッスンを重ねて技量を高めたりする必要があります。さらに、毎日事務所に顔を出して関係者に顔を覚えてもらったり、サンプルボイスを制作したりすることも重要です。地道にコツコツと努力を続けることで、実績を積み上げることができます。
 

フリーランスとして活躍することはできる?

事務所を通さずに直接仕事を請け負える「フリーランス」は、収入面でのメリットが大きいことから、憧れを持つ声優志望者も少なくありません。
ただ、実際にフリーランスとして活躍を目指せるかというと、なかなか難しいのが現状だといわれています。なぜなら、フリーランスは事務所に所属していないぶん、「自分の名前だけ」で勝負しなければならないためです。

名の知れた事務所に所属している場合は、それだけで声優としてある程度の技術が備わっているという証明につながります。
一方、事務所の看板を背負っていないフリーランスの場合は、自分の力を証明できるのは自分だけになってしまいます。
そのため、実績と信頼を得た人でなければ、フリーランスになることは難しいのです。このような背景から、フリーランスとして活動している声優も一部にはいるものの、もともとはプロダクションや劇団に所属していた人たちがほとんどだといわれています。

フリーランスとして活躍を目指すには、まず事務所に最低数年間は所属し、経験を積んだり業界内の人脈を作ったりしておくことが大切です。また、声優は実力主義の世界であり、仕事を完璧にこなすために自己管理が重要になります。フリーランスとして独立を目指す場合は、スケジュール管理を徹底したり、自身の健康管理に気を配ったりする習慣を身に付けておくことが肝心です。

声優になるための練習方法

声のプロフェッショナルである声優は、高い表現力や演技力が必要となる仕事です。
どんなに声優になりたいと思っていたとしても、これらの適性がなければ、声優になることは難しいでしょう。売れっ子声優に近づくためには、スキルを上達させるために日頃から発声練習や滑舌を良くする練習、並びに表現力や演技の練習をする必要があります。以下の練習方法を試すことで、声優としてのスキル向上を目指せます。

まず、声を使う仕事に欠かせないのが「腹式呼吸」です。声優の仕事をしていると、長いセリフを息継ぎせず、一気に読み上げるシーンが出てくる場合があります。息継ぎせずにセリフを読み上げるには、肺のなかに充分な空気を吸い込み、一定の量を吐き出しながら発声することがポイントです。腹式呼吸を意識することで体に不要な力が加わりにくくなり、長く発声しやすくなります。

腹式呼吸の具体的なやり方は、まず肺のなかにある空気をすべて吐き出し、背筋をピンと伸ばします。
このときに体に余分な力が入らないように意識し、気持ちをリラックスさせることが重要です。続いて鼻からゆっくりと息を吸い込みます。慣れないうちはお腹に手を当てながら行うと、お腹がふくらんでいくのが分かり、腹式呼吸のコツをつかみやすくなります。その後、息を充分に吸い込み、時間をかけて完全に吐き出したら完了です。ポイントには、「息を完全に吐ききってから息を吸う」のを心がけることが挙げられます。なかなかうまくいかない場合は、床やベッドに仰向けになった状態で行うのも良い手です。

腹式呼吸のコツがつかめたら、次に発声練習のステップに進みます。正しく発声できるように、母音の口の開き方を確認しておく必要があります。まず、「あ」は口を縦に大きく開いて発音し、「い」は指で口の両脇を引っ張るようなイメージで、横に大きく開きましょう。「う」は口をすぼめて、くちびるを前に突き出すようなイメージです。「え」は口角を上げることを意識し、「お」は舌の奥を上げて、口を丸めるようにします。これらのポイントを意識して発声練習を行うことで、発音の区別がしっかりとつきやすくなります。
続いて、「作品の声やセリフを真似てみる」という練習方法です。実際に第一線で活躍している声優の声やセリフを真似てみることで、表現力のスキルアップを目指せます。それに、さまざまな声やセリフを真似てみると、自分が得意とする表現の仕方や、反対に苦手とする表現の仕方などを発見しやすくなるというメリットがあります。多様なキャラクターを演じる声優の仕事は、さまざまな感情をうまく表現するスキルが必要です。売れっ子声優の特徴や演技を徹底的に研究することで、感情表現の幅が広がったりバリエーションが増えたりすることが期待できます。

さらに、「早口言葉」を練習して滑舌を良くすることも、声優を目指すうえで欠かせない練習方法の一つです。滑舌が良くないと、舌がもつれてセリフがうまく言えなかったり、聞き取りにくい印象になったりする原因につながります。滑舌を良くするために有効とされる早口言葉を日常的に練習することで、着実にレベルアップを目指せます。
まず、初級レベルとなるのが「生麦生米生卵」「隣の客はよく柿食う客だ」などの早口言葉です。これらの早口言葉がスムーズに言えるようになったら、上級レベルの「赤巻紙青巻紙黄巻紙」「「すももも桃も桃のうち桃もすももも桃のうち」などに挑戦すると、効果的に滑舌の向上を目指せます。
早口言葉を行う際のポイントは、慣れるまで「焦らずにゆっくりと読む」ことが挙げられます。早口言葉というと、どうしても気持ちが焦り、早く言わなければいけないと考えてしまいがちです。しかし、舌がもつれているのに勢いだけで読み上げてしまうと、練習の成果を得にくくなってしまいます。慣れるまではゆっくりと、確実に読み上げることを意識しましょう。さらに、「一音をはっきりさせる」こともポイントです。舌の動きや口の開き方を意識することで、音のかたちがはっきりしやすくなります。まずは焦らず、一音をはっきりさせることに意識を向けると、効率的に上達を目指すことが可能です。

それに加えて、「映像に合わせて声を出す」という練習方法もあります。自宅のテレビで音量を消してアニメや映画などの映像を流し、自分でその役になりきってセリフを読んでみるという内容です。セリフはあらかじめノートなどに書いてまとめておくと、スムーズに練習を行えます。また、この練習方法を実践する際は、テープレコーダーなどを用いて、自分の声を録音しておくと効果的です。一通りセリフを読み上げた後で録音した音声を聞いてみることで、自分の発声や演技について客観的な視点で確認を行えます。自分ではうまくできているつもりでも、他人からすると発音が聞き取りにくかったり、演技の仕方に違和感があったりする可能性があります。このような理由から、客観的な視点で自分の声や演技を分析することは、声優として活躍するうえで重要な要素なのです。
これらの練習方法を地道にコツコツと続けることで、声優としての表現力や演技力を養うことができます。まずは腹式呼吸をマスターするなど、無理なく始められることから試していきましょう。



声優専門の学校ヒューマンアカデミーでは、声優としてデビューした先輩のリアルな仕事・生活なども聞くことができます。