朴璐美さんインタビュー
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役と向き合い"むき出しにできる"
2年間を大切に
私は高校時代から大学までずっと演劇に携わってきました。韓国に留学中、当時おつきあいしていた人に浮気をされて、ドロドロとした気持ちを吐き出すために演劇集団「円」の養成所に入所しました(笑)。正式に所属して3〜4年経った頃、たまたま舞台を見に来ていたアニメ監督の富野由悠季さんにオーディションのお声がけをいただき、そこで初めて声優という仕事を知りました。富野監督の『ブレンパワード』という作品に出演したことをきっかけに、声優のお仕事が増えていきました。
舞台ではダイレクトにお客様の反応を感じます。何ヶ月間も稽古に打ち込み、自分では100点だと思えても、いざお客様の目にさらされた時に、やはり作品はお客様と一緒に創り上げていくものだと感じます。今日のお客様はカタい、じゃあどこでこの壁を壊せるか。逆にお客様のほうがぐいぐい来ている時はこっちが吸い取られそうになったり。毎回違うのが舞台の怖さでもあり、良さでもあります。声優としてマイク前で演じる時はそれを感じられません。しかし、目の前に観客がいることをイメージしながら演じることがとても大切だと思います。表現方法が違うわけではないですが、ダイレクトに観客を意識できる空間と、想像を働かせなきゃいけない空間の違いは感じますね。
演技は、決して自己満足ではできないと思います。一人じゃなく、相手がいるということが、私の「演じる」モチベーションになっている気がします、本気になれる場所や瞬間が好きなんです。真剣に生きないと物づくりはできないと思うので、真剣に生きられる場所だったら、どんなジャンルだろうと関わっていきたいです。
私も若手の頃よく言われていましたが、これからこの業界を目指す方には、たくさんのことを経験してもらいたいです。本当に柔軟で純粋なハートを持っている時期なので、よく学び、よく遊んでください。それが自分たちの引き出しになり、かけがえのない宝物になっていきます。人と違うことを恐れないで、いっぱい失敗して、前に進んでほしいと思います。