一般企業の給与とは全然違う!声優の給料はいくら?

声優という職業は人気が高く、中高生の間では将来なりたい職業の上位にも挙げられています。
しかし、実際に目指すとなると気になるのが収入面です。
声優の給料体系は一般企業のそれとは全く異なるため、どのぐらいの収入が得られるのか見当もつかないという人が多いのではないでしょうか。
そこで、声優志望者の参考になるように、具体的な給料の金額や報酬の仕組みについて解説をしていきます。

 

給料の仕組みはどうなっている?

一般的なサラリーマンやOLの場合、初任給がいくらになるかは一目瞭然です。
募集要項を見ればそこにはっきりと記載されていますし、それに基づいて計算をすれば初年度の年収がいくらぐらいになるかも簡単に見当がつきます。
一方、声優の場合はそれが容易ではありません。声優には一部の例外を除いて毎月決まった金額の給料というものが存在しないからです。

声優になるには声優養成所や声優スクールに入り、そこで基礎を学んだのちに声優プロダクションなどの事務所に所属する必要があります。
ここで、重要なポイントとなるのが声優は事務所と雇用関係を結ぶわけではないという点です。多くの声優は個人事業主として事務所と契約を結びます。
そうすることで、事務所は仕事の調整や営業などの管理営業を行ってくれます。その代わり、声優は事務所に対し、仕事で得た報酬の一部を手数料として支払わなければなりません。声優に対して報酬を支払うのは音声製作会社などの製作元であり、事務所はあくまでも声優の仕事を有償でバックアップする存在にすぎないのです。
つまり、事務所に所属していても声優としての仕事を得られなければ収入はゼロということになります。

ただ、稀に毎月決まった給料をもらう声優もいます。事務所が独自の判断で一定の給料を渡している場合です。
これは仕事の少ない新人にとっては非常にありがたい話です。しかし、こうした事務所の場合は仕事が増えて多くの報酬を得られるようになっても、
その報酬額よりはるかに安い固定給で働かなければならないというデメリットがあります。
したがって、事務所を選ぶ際には現状の生活と将来の可能性を秤にかけて慎重に検討をしなくてはならないのです。
 


声優のギャラはどうやって決まるの?

多くの場合、声優の収入は事務所からの給料ではなく、製作元から支払われるギャラによって決まります。
それではギャラの額はどのようにして決められるかというと、アニメや洋画のアフレコの場合は声優のランクに基づいています。
一般的に声優はキャリアを積むほどランクが上がっていきます。たとえば、デビュー3年以内の駆け出しなら1本出演につき1万5000円、
ベテランと呼ばれるようになると1本4万5000円、中堅はその間の金額といった具合です。
もちろん、一部の人気声優の場合はそれ以上稼ぐ人もいますが、相場としては30分アニメ1本で1万5000円~4万5000円程度だと考えておくのが無難です。

それでは実際に新人声優が月にどのくらい稼げるかを考えてみましょう。
そもそも、新人時代の声優はアニメ番組のちょい役で出演するのがせいぜいで、安定収入を得られるレギュラーキャラクターの役をもらえるケースは稀です。
仮に、運よくオーディションに受かり、レギュラーの役を得られたとしましょう。それでも月の収入は「1万5000円×4週間」で6万円程度です。
そこから、事務所に対して手数料を支払うわけなので手元に残るお金はほんのわずかになってしまいます。
実際、新人時代の年収は50万円程度だったという人も聞かれます。したがって、仕事が増えるまでの何年間かは声優以外のアルバイトや副業は必須となってきます。

そうした下積みの時期を乗り切り、中堅声優になると報酬単価も上がり、仕事も安定して入ってくるようになります。
年収も300万円以上は期待できるようになるでしょう。そこまで声優業を続けるのは大変ですが、声優業界に限らず下積みという時間はつきものです。
下積みを勉強する時間と考えられるかどうかで、次のステップが見えてくるのです。
 

一流の声優はどれくらい稼いでいる?

声優の報酬相場はベテランでも30分アニメ1本で4万5000円程度といいましたが、これには例外があります。
実はベテランというランクの上にノーランクと呼ばれる最上位のランクが存在するのです。この域まで達すると、声優は自分自身でギャラの交渉ができるようになります。
実際、アニメ1本で新人の10倍程度のギャラをもらう声優も存在するほどです。
そうなると、レギュラーキャラとしてテレビアニメ1本に出演するだけで月60万円程度の収入を得られることになります。
ただし、このクラスにたどり着けるのは国民的アニメの主役などを演じた経験のある大御所声優のみです。
人気声優と呼ばれる人たちの中でもこの域に達することができるのはほんの一握りなのです。

一流といわれる声優であれば、年収が1000万円を越えるケースは珍しくなくなっています。
それは昔と比べて声優の仕事が多様化し、稼げる機会が増えてきたからです。洋画の吹き替えやアニメ以外にも、
声優の仕事としてはゲーム・パチンコに登場するキャラクターの声当てや各種アナウンス、CMナレーションなどがあります。
特に、テレビCMのナレーションは報酬単価が高く、ランクによる規定などもないため、効率よく稼ぐことが可能です。

このように、声優としての新しい可能性にチャレンジしていけば、稼げるチャンスもそれだけ広がっていくことになります。

ギャラを増やすにはどうすればいい?


声優として収入を得るためにはオーディションを受け、それに合格する必要があります。
人気声優でない限り、仕事の依頼が向こうからやってくることはないからです。当然、ギャラを増やそうと思えば、出来るだけ多くのオーディションに合格しなければなりません。そのため、駆け出しの間はとにかくオーディションにチャレンジし続けることが主な活動内容になります。

ちなみに、声優オーディションには主に一般オーディションと声優プロダクションからのオーディションの2種類があります。
前者はオーディション専門雑誌やインターネットのオーディションサイトなどに募集要項が掲載されており、アマチュア声優でもチャレンジが可能です。
一方、後者は声優プロダクションの推薦でオーディションを受ける形になります。プロの声優の場合はほとんどが後者のルートでの挑戦となり、
実際、そちらを選択した方が仕事を得られやすいというメリットがあります。
だからこそ、プロの声優として成功するためには声優プロダクションへの入所が不可欠なのです。
そして、事務所の後押しを得ながら、声優としての実績を積んでいくのがギャラを上げる一番の近道だといえるでしょう。

ただし、最初から声優の仕事だけで高収入を得るのが困難なのは前述のとおりです。そこで、声優としてある程度人気が出てくれば、次に仕事の幅を広げていくことを考える必要があります。たとえば、歌手・タレント・ラジオのパーソナリティなどです。そうした方面での活躍がCDや写真集、俳優業といった具合にさらなる仕事の広がりにつながっていきます。このようにして、多方面で実績を積んでいくと、キャラクターソングで印税が入ったり、グッズ収入を得られたりと複合的に収入が増えていくことになります。

今回はお金の話をしましたが、声優として活躍している方は、「演じることのやりがい」で声優という職業に就いています。
やりがいとお金のバランスを取れるようになるまで、続けることが何よりも大事なことかもしれません。

声優専門の学校ヒューマンアカデミーでは、声優としてデビューした先輩のリアルな仕事・生活なども
聞くことができます。