声優業界用語

主な声優業界用語の解説

声優業界の主な業界用語について解説します。

1.アフレコ
「アフターレコーディング」の略です。映像に合わせて声を録音する作業のことで、アニメーションの収録は基本的にこのスタイルをとっています。

2.赤線(あかせん)
映像が未完成の状態でアフレコを行う場合に、未完成の画面に描かれる線のことです。セリフの長さと線の長さが対応しており、線に合わせて声を入れます。赤線の他に緑線、青線などもあり、役によって色が割り振られます。

3.息芝居(いきしばい)
2つの意味を持ちます。
【1】声ではなく吐息を使った芝居のこと。驚きや恐怖で息を呑んだり、安堵でため息をついたりといった表現に使います。息遣いが弱すぎても様になりませんし、強すぎるとわざとらしい上に音が割れることもあります。熟練が必要な技術です。

【2】口先だけで心が入ってない芝居のことを指します。

3.オンリー撮り(おんりーどり)
本番中のミスや雑音で収録がうまくいかなかった時、該当の声優さんのみで行う収録のことです。他の声優もスケジュールがありますので、一人で個別に収録を行うことで全体に負担を掛けないようにしています。

4.金魚鉢(きんぎょばち)
音響監督やディレクターが仕事をする「副調整室」の事を指します。スタジオと副調整室はガラスで仕切られており、スタジオ側から見るとあたかも金魚鉢のように見えることから、このように呼ばれるようになりました。

5.白味(しろみ)
アフレコの時点で映像が完成していない場合、作品の長さを表す為に挿入される半透明のフィルムのことです。前述の赤線はこの白味に描かれます。

6.長尺(ちょうじゃく)
アフレコを行う対象としての外国映画のことを指します。洋画はアニメと比べて尺が長いため、この呼び方が広まりました。

7.トークバック(とーくばっく)
副調整室からスタジオへ指示を飛ばすための音響設備のことです。副調整室内にあるボタンを押しながら喋ることで、スタジオへ音声が届きます。スタジオ側から副調整室へ音声を流す仕組みがある場合もあります。

8.パケる(ぱける)
作品が完成すること。収録・撮影など全ての行程が終了し、完成したアニメを「完全パッケージ」略して「完パケ」と呼びますが、それが由来となって生まれた用語です。

9.舐める(なめる)
「マイクを舐める」というように使いますが、本当にマイクを舐める訳ではありません。マイクを舐めることが出来るくらいの距離で声を出すことで、演技の中で声を潜めるシーンや距離の近さを表現するために使います。

10.プレスコ(ぷれすこ)
「プレスコアリング」の略です。まず音声を収録し、それに合わせて映像を作る手法であり、前述の「アフレコ」とは対極に位置する手法です。アメリカの大作映画ではポピュラーですが、アフレコよりも高い技術を要求されるので、日本のアニメにおいては臨場感を出したい場合や凝った会話劇を作りたいときなど、ここぞという場面で使われます。