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本校卒業生・伊東さん、最新アニメ映画 で革新的な"ワイヤーフレーム都市表現"を実現!
のゲームカレッジCGデザイナー専攻、卒業生の 『伊東さん』が、ポリゴン・ピクチュアズが制作した映画『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』 において、アシスタントCGスーパーバイザーとして大きな成果を上げました。
今回のプロジェクトでは、都市空間をワイヤーフレームで描き出す、非常に高度なCG表現を担当。作品の世界観に新たな魅力を与え、大きな注目を集めています。
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■ 都市空間をワイヤーフレームで“再構築”する挑戦
本作のFirst Stageでは、キャラクターたちがバトルを繰り広げる舞台を『ワイヤーフレーム化した都市』として表現。
このパートの設計とコンタ―調整を担当したのが、伊東さんです。
伊東さんが取り組んだ内容は ――
• 建物の密度や奥行きをワイヤーフレームでどう表現するか
• どのラインを表示し、どのラインを消すか
• 距離による見え方の変化をどう反映するか
• 色彩やグラデーションをどう組み合わせるか
一つ一つが緻密で、高度な判断が求められる作業です。
結果、背景の情報量は多いのに“ゴチャつかず”、キャラクターをしっかり引き立てるシャープな画づくりが実現しました。
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■ カメラ距離に応じた線の密度変化 ―― “動きに馴染むワイヤー”
伊東さんが特にこだわったのが、カメラ距離に応じて 線の色や密度を変化させるシステム。
たとえば、
• 近景では線を密にして情報量を確保
• 中景はキャラクターが映えるよう密度を調整
• 遠景は線を軽くし、空気感を損なわないよう制御
この巧みな調整によって、どのカットでもキャラクターと背景が自然に馴染み、ライブステージのような立体感がより際立ちました。
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■ ラップバトル演出を支えた“360度カメラ回転”との連動
今回のシーンの目玉となったのが、足元から上空へと回り込む 360度カメラワーク。
ダイナミックな動きに合わせて、
• 背景のワイヤー密度
• 色のグラデーション
• キャラ線の強弱
が滑らかに変化する必要がありました。
ここで伊東さんは
「キャラのシルエットが背景に沈まないように、必要な部分だけ輪郭を残す」
という繊細な処理を実施。
その調整により、キャラクターの動きがどの角度から見ても美しく、迫力あるバトルシーンに仕上がりました。
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■ 完成カットでは“手描きトーン調整”も担当
ワイヤーフレーム背景とキャラを自然につなぐために、伊東さんは 最終調整として手描きトーン修正 や グラデーション塗り にも参加。
• 背景線が強く出すぎる部分を抑える
• キャラクターの輪郭をなめらかに補正
• ワイヤーの密度差を画面全体で統一
• 演出に合わせた明暗の微調整
といった作業を積み重ね、“違和感ゼロ”の映像に仕上げました。
プロの現場でも、モデル制作・シェーダー調整・コンタ―制御・手描き修正まで横断して携われるCGアーティストは貴重であり、伊東さんの高い総合力が光りました。
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■ 在学時代から発揮されていた「観察力」と「構築力」
学生時代の伊東さんは、作品の“見せ方”を考えるのが得意で、
線の太さ、密度、色の差分などを丁寧に分析しながら作品作りに取り組むタイプでした。
今回のプロジェクトでは、その武器が最大限に発揮され、
業界でも難易度の高い表現を成立させる中心メンバー として活躍。
本校講師陣からも「ここまで成長したのか!」と驚きの声が上がっています。
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■ 本校卒業生が業界の最前線に
CGアニメーションの現場で、これほど幅広い工程に携わることができるのは、伊東さんが常に努力を続け、作品をよりよくしたいという情熱を持ち続けてきたからこそ。
今後も、彼がどんな新しい映像表現を生み出すのか大きな期待が寄せられています。
本校では、伊東さんのように
「好き」を「仕事」に変えるクリエイター
の育成をこれからも全力で支援していきます!

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