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MORIE Inc. 代表 森江康太氏による3Dアニメーションセミナー開催

  
2021年6月26日にアニメーション業界を目指す方に向けて、MORIE Inc.代表の森江康太氏をお招きして3Dアニメーションセミナーを開催し、外からでは分からない業界の内側の話をメインに教えていただきました。

【ゲストプロフィール】

森江康太 氏
ディレクター・CGアニメーター

①森江さんプロフィール.png

1985.1.30 島根県出身
2005年からCGアニメーターとして活動し、2016年に自身が代表を務めるMORIE Inc.を立ち上げる。
現在は監督、ディレクター、映像作家など活動分野は多岐にわたる。これまで手掛けた監督作品は、ヨルシカ MV『春泥棒』『ノーチラス』、NHK連続テレビ小説『ひよっこ』タイトルバック、GReeeeN MV『星影のエール』など。
CGアニメーションスーパーバイザーとして、日清カップヌードルCM『HUNGRY DAYS ワンピース頂上騎馬戦篇』、映画ドラえもん 『のび太の新恐竜』、NHKスペシャル『恐竜超世界』などに関わる


今回のセミナーではどんなお話をしていただいたのか。
お話を聞かせていただいた感想を一言で表すなら……

CGクリエイターは仕事に困らない!!

MORIE Inc.はアニメ、TV、映画などあらゆるジャンルのCG映像制作をディレクションからプロデュースまで手掛けるクリエイティブカンパニーです。
今回は、主にCGに関わる仕事はどんなものがあるのか、またその仕事の魅力とは、実際の給与など業界のリアルについての3つをテーマにお話をしていただきました。

②CG業界の仕事内容について.png

CGクリエイターの活躍の場も映画、MV、遊戯機、アニメ、TV、VR/AR、CM、ゲーム、イベントなどと幅広さです。じつは、実際にはCG業界というものはなく、色々な産業の中にCGの仕事があると教えてくださいました。
例えば映画の中、ミュージックビデオ(MV)の中、TVの中など、たくさんのところでCGという技術が使われています。中でもゲームではもっとも盛んにCGが使われているようです!
講演の中で森江氏も「CGは仕事に困る事はない」とお話くださいました。
CGの仕事を目指すことに不安を感じている方は、この言葉に勇気付けられたのでは無いでしょうか!?

同時に、森江氏は「CGがちゃんとできれば」ともお話されました。
しっかりと学ぶことの重要性もこの言葉から見えてきます。このセミナーではCGを学ぶ人に向けてのアドバイスもいただいているので、CGの仕事を目指したいけど不安で挑戦しようか迷っている、という方はぜひ、最後まで目を通して参考にしてみてください!

今回はいくつかの作品を参考に、実際の作品からどう作られているのかなどをお見せいただいた他、アニメ映画の例では3DCGが使われる理由についても教えてくれました。
例えば恐竜のうろこなどのように手で描くには作画では細かすぎるものを3DCGで作り、手書きだと膨大になってしまう作業を3DCGでつくることで解決しているようです。
また、実際には存在しないものをつくる際には、既存の映画や論文などを参考にしてアニメーションを作っており、またそこから誇張表現なども考えていき、より迫力があるアニメーションや魅力的なアニメーションを作っているとお話されました。
アニメーションをつくるときは、こうした演出やどう表現するかという点も大事になるというのも、これから学習をするときのポイントなのかもしれません!

やりたいことを仕事にするのは楽しい!!

中には大変な仕事もあり、CMの作品例では、ものすごく細かく大変な仕事で「実はすごくやりたくなかった」という話も赤裸々にお話されました。同時に「大変大変と言っても、つくっている時は実際楽しいですし、反響があって見た人からの声も聞くと嬉しい」と語られました。

またMVの仕事例では仕事につながったきっかけとして、「個人的にすごく好きなピアニストがいて、ものすごく好きで追っかけをしていて、どうしてもMVをつくらせてほしいと頼み込んで作ったMVだった」と話されました。
例として紹介をされたMVの依頼者は、森江氏がつくったピアニストのMVを過去にみていて、「人生を狂わされた」と思うほどに感銘を受け、将来MVをつくれるようになったらこの人に作ってもらおうと思ってその日、依頼に来たそうです。

森江氏は、好きなことを仕事にするのは楽しいと語ってくださいました。
仕事は8時間、1日の1/3に関わります。「CGや映像が好きだ」という人にとっては、それをそのまま仕事にできるのは魅力的であり、また、仕事を通してできる業界など横の繋がりがあり、仕事の中で得られる戦友のような仲間があり、好きな者同士だから生まれるつながりがあるというのは大きな魅力のようです。

森江氏自身は小学生くらいの頃からCGを仕事にしたいと思っていたそうだが、当時は周りにCGが好きという方は周りに全然いなかったそうです。
「東京に来て、実際に学びはじめたら途端に周りはCG好きばかりになるんですよ。そうなると、『あ、わかる~』っていう話ができるようになって、ずっと好きなことを話せる仲間ができるのはけっこう楽しいですよ」と森江氏はお話されました。

③CG業界の魅力について.png

また、実力で評価されるというのも魅力のひとつだと森江氏はお話されます。
同時に、好きなことを仕事にすることはできるが、その分、ちゃんと商品価値のあるものをつくらなければ
ならず、お金を払ってでもその商品が欲しいと思ってもらわなければならず、
「好きなことを仕事にするためには、努力もしなければならず、時間をかけて勉強もしなければいけない。眠いけどやらないといけないときもあるし、裏には表には出ない自分だけが知っている努力もある。そうして実力をつけていかなければならない。人から価値があると思わせる『説得力』が必要にある。そこはしっかりとやならければいけないし、それができればすごく実力で評価がされます」と、非常に熱くこれから目指す方に向けたメッセージも語ってくださいました。

実力をみにつけることの重要性

実力で評価されるという点は、収入などにも同じことが言えるようです。

④CG業界のお金について.png

上記の金額は森江さんの身近な範囲の一例ではある様ですが、年収に関しては1000万円を超える人もいるとお話されます。実力がありさえすれば仕事も来る、自分はちゃんとしたものを作るので、その代わり人よりちゃんとした報酬をもらうという話もあり得るので、実力をみにつけることはとても重要なようです。

CG業界のお金についての課題という形でも業界のリアルな部分の話をいただきました。

⑤CG業界お金についての課題.png

その一例として、仕事によっては徹夜などをしなければという場面が出てくることを挙げて、バランスの難しさをお話されました。徹夜をしない働き方をしたいという場合はそれでも良いと言える反面、1日8時間だけでトッププレイヤーと呼べるクォリティを出すことは難しいとも語られます。
人より上手くなりたいという場合は、人より時間をかけるという考え方も必要になるとご自身の経験も踏まえてお話されました。

技術に正当な対価を支払う価値観については、CGは特殊な技術でもあるのでそれに対する正当な価値観をもっと浸透させたいということです。様々な業界と関わるCGだからこそ、それぞれの業界ごとに価値観のばらつきがあるのかもしれません。
こうした点はプロだからこそわかる点で、講師としてプロの方を招いているからこそ教われる意外と重要なお話でもあると思います!

切磋琢磨しあう高水準な競争意識に関しては、例えば隣の人に負けないなど、そういった意識の重要性とそうした意識をもって業界に入ってほしいという森江氏の想いもあるメッセージのようです。

また、森江さんが代表を務めるMORIE Inc.の著書「ポーズ・モーション・アニメーション!」のご紹介もありました。

⑥CG書籍紹介.png

CGアニメーション業界を目指す方向けに詳細な技術の内容が記載されており、素材データ等に関してはHP内にて自由にダウンロードできるそうです。(有料の素材もあり)
これから専門進学を考える方は、今のうちにこの本を片手に勉強を始めてみても良さそうですね!

最後の質問コーナーでは年齢で不安を抱える方に対して、20代後半で就職をした方の例などもお話を頂き、「30代でもまだ若い、本人の頑張り次第」とお話下さいました。
また『学生時代にしていた事が良い事』の問いに対して、「何か一つ好きな事を極める事。大人になればやらなければならない事が多く自分の時間が無くなる。なので時間の有る学生時代の内に好きな事を極める事です」と、アドバイスくださいました。
振り返ってみて確かに! と思う話でした……。
これからCGやアニメーションなどの仕事をしてみたいという方は、何か1つやってみたい事を見つけたり、ヒューマンアカデミーでは体験授業などもありますので、ぜひ実際に挑戦をしてみてください!!

森江さん、ご講演ありがとうございました。これからもどうぞ宜しくお願いいたします!!

総合学園ヒューマンアカデミーのゲームカレッジでは、今後もクリエイティブ業界を目指す方を応援すべく様々なイベント、や体験授業を予定しております。
自分に合うものが分からない、見つからないという方には個別説明会などでおススメのアドバイスなどもできますので、興味のある方は是非、参加をしてみて下さい!


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