声優・俳優
【方言・訛りを克服】喋りのクセを治すおすすめ習慣
日本には、その土地特有の方言が存在し、同じ日本語でも場所が異なれば全く違った意味で使われる言葉も多々ありますよね。
近年では、テレビやインターネットを通じて公用語に触れる機会もたくさんあるため、方言や訛りは徐々に薄れつつあります。
しかし、声優・ナレーターを目指す人にとってアクセントは人一倍気を遣うものであり、周りから指摘されてはじめて自分が訛っていることに気づくことも少なくないはずです。
実際、訛りを治すのはなかなか根気のいる作業ですが、日頃のちょっとした意識や習慣によって正しい共通語を身につけることも可能です。
そこで今回は、声の仕事を目指す人に向けた方言・訛りを治すためのおすすめ対策をご紹介していきます。
僕自身も過去に方言や訛りを治した経験から、かなり効果的なアプローチなのでぜひ実践してみてください。
全国の方言について
日本の方言は、「本土方言」と「琉球方言」の2種類に大別されており、細かく分けると多くの方言が存在します。
各地域によって発音の方法も異なり、中舌母音が強いもの、濁音化がみられるもの、有声化の傾向が顕著なものなど様々ですね。
例えば、方言の代表格ともいえる近畿方言では、「葉・歯」「気・木」「日・火」をハー、キー、ヒーというように2拍で発音したり、尾高型発音の「石/川/箸」が頭高になる京阪式アクセントが有名です。
こうしたように、みなさんが喋る方言の特徴や傾向を理解することで、より具体的な改善ポイントが見つかるかもしれません。
方言・訛りを改善する6つの習慣
訛りを自覚する
まずは、自分自身のアクセントの間違いを自覚することが大切です。
僕自身もそうでしたが、「自分はそれほど訛ってないから大丈夫」と思っていても特定の言語でアクセントが間違っているケースは多々あります。
意識が変わることで間違いに気づくきっかけにもなるので、大前提として日頃からアクセントに意識を向けることがとても大切です。
アクセントタイプを理解する
日本語アクセントには「頭高」「中高」「尾高」「平板」の4タイプがあり、これらを理解しておくだけでアクセントの修正にとても役立ちます。
以下のように「はし」という言語でも、それぞれアクセントが違えば全く違った意味になりますね。
【アクセント】赤:高い、青:低い
- 頭高:箸「はし(が)」
- 尾高:橋「はし(が)」
- 平板:端「はし(が)」
間違いと正解の発音がどのタイプなのかがわかると、指摘されたときにも答えが導きやすくなります。
生活環境を変える
自分自身で治そうと思っていても、周りの人間関係や耳に入ってくる言葉の影響はどうしても受けてしまうものですね。
地元への帰省、家族・友人との電話、テレビやネット動画など、こんなときについ方言に戻ったり変わったアクセントが身についてしまうこともあるかもしれません。
日常生活では、こうした影響を受けてしまう時間をなるべく減らし、共通語を聞ける環境を増やしていくこともおすすめです。
周りでアクセントを指摘してくれる友人を作ったり、日頃からニュースや報道番組を見ることで間違いに気付きやすくなります。
アクセント辞典を活用する
将来、本格的に声の仕事を目指すのであればアクセント辞典は必須になります。
なかでも、「放送用語」に則ったNHKのアクセント辞典がおすすめで、膨大な単語のアクセントはもちろん、無声化や鼻濁音、さらには地名や複合名詞の発音も紹介されているので持っておくと重宝しますね。
お馴染みの「書籍版」、携帯に便利な「電子版」どちらでも出版されているのでおすすめです。
そして、困ったときには"即検索"する習慣を心がけましょう。
耳を鍛える
声優やナレーターを目指すのであれば、声だけでなく耳を鍛えることも欠かせません。
耳が良くなることで、音の高低を理解することが容易になり、その他にもセリフのちょっとしたニュアンスや抑揚を聞き分けられるといった様々なメリットがありますね。
日頃から音を聞き分ける「耳トレ」をすることで、将来、仕事現場での対応力にもつながるのでぜひおすすめです。
※【耳トレ】声優志望者のための耳を鍛える知識と練習法(2019.07.31)
原稿を読む
アクセントは、その場で治しただけでは簡単に抜けてくれませんよね。
実際、何年も染み付いたクセを治すには長くて数カ月以上かかることもあるほどです。
そこで、うっかりクセが出てしまわないよう日頃から何度も頭に叩き込むことはもちろん、現場に即した状況で練習しておくことも大切です。
例えば、セリフ原稿にして感情や表現を入れて喋れるかどうかや、長文にして繰り返し発音できるかを試してみるといいかもしれません。
まとめ
というわけで、今回は方言・訛りを治すためのおすすめ対策をご紹介しました。
こうしたクセを早く治すコツは、日頃から強い意志を持って取り組むことだと思います。
アクセントの間違いはすぐにメモをして、その後しっかりと身につくまで反復していくことで確実に改善できるはずです。
ライター:ゆうき