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アニメ業界の危機?コロナウィルスがアニメ業界にもたらした影響とは

09-05.jpg世界に様々な影響をもたらした「新型コロナウイルス」。飲食店営業、観光産業などが大きなダメージを受ける中、実はアニメ業界もコロナウイルスによって大きな変化が起こっています。テレビアニメの放送休止や、アニメ映画の公開延期など...「自分の好きなアニメもダメージを受けた!」という方も多いのではないでしょうか。

今回は、コロナウイルスがアニメ業界にもたらした影響を振り返りながら、今後のアニメ業界がどうなっていくのかをまとめてみました。

目次

  • ①テレビアニメ作品の放送休止・タイトル減少
  • ②映画館の営業停止により、アニメ映画の公開延期
  • ③リアルイベントの中止で収益面にダメージ
  • ④withコロナで、今後のアニメ業界はどうなる?
  • ⑤まとめ

①テレビアニメ作品の放送休止・タイトル減少

まずは、テレビアニメへの影響を見ていきましょう。

コロナウイルスの感染拡大に伴い、多くのテレビアニメが放送延期を余儀なくされました。シリーズの途中で放送延期となってしまったアニメは再放送で放送枠を補ったため、その後に放送予定だったアニメの開始時期もずれることに。その結果、新作タイトルは、コロナ禍以前と比べて約10タイトルほど減少しています。自宅で過ごす時間が増える一方で、テレビアニメの放送が予定通りに進まないというのは、視聴者にとって心苦しい時間となったのではないでしょうか。

しかし、withコロナに対応する現場体制を整えながら、企画、制作、プロモーションを行うのはかなり苦戦したと考えられ、制作陣の皆さんには頭が上がりません。また、コロナ禍においてNetflixやAmazonプライムなどの動画配信サービスが活発化。配信を前提としたアニメも多く制作されるようになり、アニメの楽しみ方がガラリと変化したのも、コロナウイルスの影響が大きくあると考えられます。より多くの人が気軽にアニメ作品に触れられる環境が自然と作られたことは、コロナ禍において唯一のプラスの出来事だったかもしれません。

②映画館の営業停止により、アニメ映画の公開延期

一方、アニメ映画にも大きな影響がありました。2020年4月に発令された緊急事態宣言により、多くの映画館が休館。

公開が予定されていた映画の大半が公開延期となってしまいました。珍しい例として、スタジオコロリド制作の長編アニメーション映画「泣きたい私は猫をかぶる」は、劇場での公開予定をNetflixでの全世界公開に切り替えるという対応がなされ、ここでも配信業界の強みが現れた結果に。その後、緊急事態宣言が解除されてからは、飲食の禁止、座席を一つあけるなど、感染症対策を行った上で映画館の営業が再開されました。

それでも新作映画の公開は少なく、「風の谷のナウシカ」「千と千尋の神隠し」などスタジオジブリの過去の名作が公開されるという事例もありました。8月に入ると、徐々に公開を延期していた新作映画の公開が始まりましたが、急な公開延期で十分なプロモーションができず、興行収入はこれまでに比べるとやや減少気味に。

そんな中、10月に公開された「鬼滅の刃 無限列車編」がアニメ映画界の歴史を覆す大ヒットを記録したことは記憶に新しいですよね。なんと2020年の邦画年間興行収入の1/3以上を「鬼滅の刃」が占めており、この作品がなければコロナ禍のアニメ映画は更なる打撃を受けていたと考えられます。

③リアルイベントの中止で収益面にダメージ

また、アニメや漫画関連のイベントも、コロナウィルスの拡大によって中止やオンラインへの切り替えが余儀なくされました。2020年は、「アニメジャパン2020」が中止に、「東京コミコン」はオンラインでの開催に変更。

感染が沈静化していた9月に「京都国際マンガ・アニメフェア2020」が開催されたものの、来場者は前年の4割に減少し、多くのファンは、ステージイベントの配信を視聴する形となりました。リアルイベントの休止に伴い、ファン同士のコミュニティの場が減少すると作品の制作にも少なからず影響が出ることでしょう。オンラインでのイベント参加はできても、収益面から見るとリアルイベントには及ばないため、運営会社や団体の存続への影響も心配です。さらに、アニソンコンサートや、声優によるライブイベントなどの多くも配信イベントに変更されました。アニメ作品と連動させたライブイベントは、近年のアニメ業界の大きな収益の柱であったため、配信への切り替えは大きな打撃だったと考えられます。

④withコロナで、今後のアニメ業界はどうなる?

コロナ禍のピークから脱却したかと思えた2021年も、その影響は厳しく、世界における日本アニメ市場は、11年ぶりにマイナスに。それでも、相次いだテレビアニメの放送休止や延期は、関係者の多大なる努力のもとに回復。

映画館の通常営業再開に伴って、アニメ映画も回復傾向にあります。また、「鬼滅の刃」以降も「呪術廻戦」、「SPY×FAMILY」など人気作が登場し、アニメ界を盛り上げています。配信サービスもまだまだ右肩上がりで、大型連休を自宅で過ごす方も多くいるでしょう。しかし、やはりライブイベントやファンイベントが復活しない限りは、真の回復とは言えません。

配信イベントは、感染に不安のあるファンも気軽に視聴できるというメリットがある一方で、どうしてもリアルイベントでの収益には敵いません。SNSを飛び越えたファン同士での交流は、今やエンタメ業界には欠かせないもの。今後は、withコロナに対応しつつ、少しずつリアルでのイベント開催も復活していくことが期待されます。

⑤まとめ

ここまで、コロナ禍におけるアニメ業界への影響をまとめてみました。振り返ってみると、その打撃は想像以上に大きかったように思います。アニメファンにとって、放送日の変更や公開延期、リアルイベントの中止は、日々の活力に影響するほど大きな問題ですよね。健康第一はもちろんのこと、少しでも早く、以前のように何の不安もなくファン活動ができるようになることを祈っています。また、コロナ禍だからこそ生まれた新しいサービスや、お家時間があったからこそ出会えた作品も大事にしていきたいですね。今後のアニメ業界が明るいものであることを願っています。

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