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海外で"日本風"アニメが拡大中!日本アニメは廃れてしまう!?
皆さんは「日本アニメはこのままでは衰退していく」と聞いたことがありませんか?日本アニメが大好きな方は、そんなことを聞くと「日本アニメがなくなっていくのではないか」と不安になってしまいますよね。しかし、本当に日本アニメは廃れていくのでしょうか?
今回は日本アニメが衰退すると言われているワケと、実際に日本アニメの今後がどうなっていくのかについて詳しく解説していきます。ぜひ最後まで読んでいってくださいね!
【目次】
- ①中国・韓国が制作する"日本風"アニメ
- ②海外で急速に拡大するアニメ市場
- ③「日本産・海外産」と区別する意味はない!
- ④日本アニメの今後
- ⑤まとめ
①中国・韓国が制作する"日本風"アニメ
日本のアニメは海外でも絶大な人気を誇っており、日本といえば「アニメ」というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。ではまず"日本風アニメ"と海外のアニメの違いとはどのようなものか解説していきます。
・海外のアニメ
海外のアニメといえば、ディズニーやピクサーのようにCGを駆使した「フォトリアル」と呼ばれる写実的な作風が主流です。
・"日本風"アニメ
一方で"日本風"アニメといえば線画で表現され、まるでマンガのような「セルルック」と呼ばれる手法が主流です。海外のトレンドとは異なるこの手法は、海外にも多くのファンを獲得しています。
以上に述べたような「セルルック」の手法が採用された"日本風"アニメは、現在中国や韓国でも制作されています。日本でも一大ブームとなった「梨泰院クラス」は韓国漫画が原作であり、「羅小黒戦記」は中国アニメが原作でありながら日本でも劇場公開されました。このように、今次々と海外産"日本風"アニメが登場しており、日本アニメ業界は海外勢に押されていってしまうのではないか、という懸念が生まれているのです。
②海外で急速に拡大するアニメ市場
世界では今アニメ市場が拡大しています。そのワケは、アニメに対する認識の変化にあると考えられています。海外では、アニメといえば子どもが見るものとされていました。しかし近年では多くの海外セレブがアニメ好きを公言するなど、徐々にアニメに対するイメージが変化しつつあるようです。
例えば、バスケットボール選手のマイケル・ジョーダンさんや歌手のビリー・アイリッシュさんなどはアニメ好きとして有名です。影響力の強い彼らがアニメ好きを公言したことで、これまでアニメに関心のなかった世界中の人々がアニメを見るようになってきました。特にアメリカでは、アニメに特化した動画配信サービス「Crunchyroll(クランチロール)」が誕生するほどアニメ文化が拡大しています。こうした新たな動画配信サービスは、アニメファンをさらに急増させており、今やアニメは新たなポップカルチャーのジャンルとして確立されているのです。
"日本風"アニメは特に人気で、「Crunchyroll(クランチロール)」で2020年に人気だったアニメには"日本風"アニメが多数ランクインしました。「呪術廻戦」や「僕のヒーローアカデミア」、「進撃の巨人」などの日本作品はもちろん、韓国で制作された「神之塔―Tower of God」や「ゴッド・オブ・ハイスクール」が人気であることがわかりました。「Crunchyroll(クランチロール)」では、作品の"産地"にかかわらず、"日本風"アニメの認知度が高まっているようです。
③「日本産・海外産」と区別する意味はない!
海外での急速なアニメ市場の拡大、海外産"日本風"アニメの成功などの状況を見ると、日本のアニメ業界は劣勢に立たされるのではないかと感じられるかもしれません。
しかしそれは日本のアニメが廃れていくと言うことを意味しているわけではないのです。なぜならアニメコンテンツのパワーの源は「どこの国で生まれたアニメか」という観点ではなく「どの会社が製作したか」にあるからです。ディズニー作品が「アメリカ産のアニメ」としてではなく「ディズニーが製作したアニメ」として認識されていることを考えればわかりやすいかと思います。また"日本風"アニメはディズニーをはじめとする海外の大手アニメに比べれば、まだまだ認知度は低く、市場規模も小さいのが現実。ディズニーに負けないほど"日本風"アニメを成長させるためには、映画と同様にどのスタジオが製作したのかというブランド力が重要なのです。
つまり、アニメを「日本産・海外産」で区別することにはあまり意味がないといえます。
④日本アニメの今後
帝国データバンクによると、アニメ業界は海外との競争が激しくなると予想されています。しかしこのことは、先ほども述べたように「日本アニメが海外アニメに負ける」と言うことを必ずしも意味しているわけではありません。
このことをさらに裏付ける根拠もあります。
"日本風"アニメを製作し、一部の作品が成功を収めている中国・韓国の内情を見てみると、アニメ業界全体が日本ほど成熟したものではないことがわかるのです。中国は、確かに日本アニメの買い付け数を減少させており、日本のアニメ業界に打撃を与えています。しかし現在の中国指導部は国内外を問わず、文化コンテンツに対して厳しい表現規制を行なっており、今後も自国でのアニメ制作にさらなる制約が出てくる可能性が高いです。 韓国の場合は、いまだにマンガ開発と出版流通に基盤がなく、日本と比べるとまだまだアニメ業界は発展途上です。このことから日本のアニメ業界の優位性はしばらく続きそうだと言えるでしょう。
また"日本風"のアニメの手法が、世界中に広がりを見せつつありますが、このことは裏を返せば日本のコンテンツ力が増すと言うことでもあります。世界中のアニメ制作スタジオが、日本アニメの表現方法を取り入れて"日本風"アニメを制作すれば、世界の人々が"日本風"アニメのファンとなり、日本で制作されたアニメのファンも増えていくと予想できるのです。
⑤まとめ
いかがでしたか?「日本のアニメは廃れていく」と言われることもありますが、実際には海外でのアニメ市場の拡大がさらに日本のアニメコンテンツのパワーを押し上げてくれると考えられます。海外で制作された"日本風アニメ"の登場は、日本のアニメ業界をさらに盛り上げてくれることでしょう。