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【おすすめ朗読本】随筆・エッセイ10選

115 .jpg作品紹介

世の中には多くの本がありますが、いざ朗読に挑戦するときにどんな作品を読もうか悩む人も多いのではないでしょうか?

「わかりやすくて読みやすいものを...」を考えると、台本選びも難航しますよね。

そこで今回は、これから朗読をはじめる人におすすめしたい随筆・エッセイ作品を紹介します。

筆者の体験をもとに自由な形式で綴られる随筆やエッセイは、読者にとって共感しやすく、朗読においても扱いやすいジャンルになるので、ぜひ以下を参考にお気に入りの作品を探してみてくださいね。

作品選びのポイント

  • 読みやすい文章(漢字・言い回しなど)
  • わかりやすくシンプルな構成
  • 共感されやすい内容

選ぶ際に「どういったポイントを基準に選べば良いか?」ですが、はじめは読み手も聞き手もわかりやすい作品を選ぶことがおすすめです。

その上で、「おもしろい」「ほっこりする」など、魅力を感じた作品を見つけていくとアプローチしやすいですね。

作品選びの具体的なポイントは、こちらで参考にしてみてください。

【朗読作品の選び方】初心者におすすめしたい作品選びのポイント(2021.02.08)



おすすめ随筆・エッセイ10

『もものかんづめ』さくら ももこ

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出典:Amazon.co.jp

『ちびまる子ちゃん』の作者・さくらももこさんの初期エッセイ作品。

過去の人生体験を面白おかしく綴った内容で、くだらない話がなぜか笑いや心温まるエピソードとして楽しめます。

各篇15p程度にまとめられ、柔らかい文章の中に作者の独特な感性が散りばめられ、はじめて朗読する方でも飽きずに読める短編エッセイです。

『時をかけるゆとり』朝井 リョウ

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『桐島部活やめるってよ』『何者』などを執筆した直木賞作家・朝井リョウさんの大学生時代の話を綴った23篇のエッセイ。

いわゆる、「ゆとり世代」の魅力が詰まったくだらない青春エピソードが満載ですが、各世代の人たちが聞いても共感や再認識してもらえるほどテンポ感があっておもしろい内容です。

作者のイメージとは真逆の内容ですが、様々な状況をドライな視点から描く文章は秀逸です。

『いとしいたべもの』森下 典子

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『日々是好日-「お茶」が教えてくれた15のしあわせ-』の作家・森下典子さんのカラーイラストエッセイ。

23篇で食べものをテーマにした思い出が綴られ、「サッポロ一番みそラーメン」「バーモントカレー」など、まるで食欲をそそられるグルメ本といった感じですが、どこか心に染みるノスタルジーな気分にもさせてくれます。

五感をフル活用しながらいかに美味しく表現できるか?という、とても朗読しがいのある作品ではないでしょうか。

続編『こいしいたべもの』とあわせて、お気に入りの"食べもの"を探してみるのもいいかもしれませんね。

『ロマンティックあげない』松田 青子

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YouTube広告の「5秒でスキップできます」、テレビのテロップ「写真はイメージです」など。

現代人が思わず頷いてしまう日常のモヤモヤネタに、作家・松田青子さんが鋭い視点で切り込んでいます。

共感できる内容でありながら各篇もコンパクトにまとまっており、痛快でユーモア溢れるテンポの良い文章は感情のままに読み進めていきたい一冊です。

『字のないはがき』向田 邦子

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『花の名前』『あ・うん』など、脚本家・小説家として活躍した向田邦子さんのエッセイ。

一見ピンとこないタイトル名ですが、読み進めることで当時の時代背景から"字のないはがき"の意味が理解できます。

現在では手紙や葉書を送りあう習慣も少なくなりましたが、離れた相手への思いや家族愛をしみじみと感じられる心温まるエピソードですね。

『家にいるのに帰りたい』クォン・ラビン

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「逃げたっていい。時が満ちたらもとの場所に戻ればいい」

多くの現代人に刺さる、著者の等身大の心情をさらけ出したクォン・ラビンさんの短編エッセイ。

各篇数ページにまとめられた読みやすい構成で、朗読における表現力や想像力を養う上でもかなりおすすめの題材といえます。

『東京百景』又吉 直樹

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お笑い芸人で作家の又吉直樹さんが、上京後の下積み時代の体験を各篇に分けて綴った短編エッセイ。

「東京タワー」「池尻大橋の小さな部屋」など、淡々とした文章でありながら、笑い、葛藤、挫折、深く濃い感情とともに描かれた東京の景色はとても印象に残るものばかりです。

東京に馴染み深い人もそうでない人も、どこかのエピソードで共感できるものがあるはずです。

『きっと明日はいい日になる』田口 久人


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Instagram(インスタグラム)で話題を集めた田口久人さんの人気エッセイ。

"読むだけで前向きになる"のキャッチコピー通り、疲れた心を癒してくれる美しい詩のような一文一文が魅力的です。

作品数も豊富で、朗読入門としてはもちろん、本棚から手に取れば自分自身を励ましてくれるような長く愛読できる一冊。

『蜜柑』芥川 龍之介

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文豪・芥川龍之介の実体験とされる名作『蜜柑』は、横須賀線の列車に乗った「私」と「少女」の心洗われるエピソード。

前半と後半の心理描写の違いが、流れる景色と重なることで鮮やかなコントラストになって表現されています。

少女に対する心の変化をうまく表現することで作品の魅力が引き立つイチオシの一冊です。

『入社の辞』夏目 漱石


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夏目漱石が、栄誉ある帝国大学の教職を辞めて朝日新聞に入社した際に書いた挨拶文。

当時としては異例の転職劇ですが、本格的な作家活動へのきっかけとなった時期でもあります。

現代こそ、人生論や働き方について多様な意見がありますが、1907(明治40)あってブラックかつユーモアたっぷりな主張は痛快です。

参考サイト

朗読の参考になるサイトが「青空朗読」です。

こちらは、青空文庫に掲載されている作品の朗読を試聴することができるので、同一の作品があればぜひ一度参考にしてみてください。

https://aozoraroudoku.jp

【朗読入門】上手くなるのための本の読み方と表現のコツ【徹底解説】(2021.06.18)

まとめ

というわけで、今回は朗読入門におすすめしたい随筆・エッセイ作品を紹介しました。

身近な出来事にフォーカスしたユーモラスのあるものから、奥深く読みごたえのあるものまで、魅力的な一冊をぜひ見つけてみてください。

【朗読入門】初心者におすすめの短編作品を紹介(2020.06.25)

ライター:ゆうき

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