専門学校と大学の違いとは?無認可校(カンパニースクール)にも注目!
専門学校と大学は、いずれも専門的な知識を学ぶ教育機関です。しかし、大学は幅広い教養を身につける場所、専門学校は特定の職業に特化した専門知識・スキルを習得する場所という違いがあります。また専門学校に類似する学校として、「無認可校(カンパニースクール)」もあります。
将来なりたい職業のイメージがある人ほど、「専門学校と大学のどちらに進学すべきか」という悩みを抱えがちです。重要なポイントは、自身の夢や目標に合う学校を選ぶことです。そこで本記事では、専門学校と大学の違いについて解説します。
「専門学校」と「大学」とは?違いも解説!
専門学校と大学は、いずれも高校卒業後の人が、より深い知識を身につけるための「高等教育機関」です。まずは専門学校と大学の概要について、次のポイントから見ていきましょう。
- 専門学校は特化した知識・スキルの習得が目的
- 大学は学術的な学問や幅広い教養の学習が目的
- 専門学校と大学の主な違い
専門学校は特化した知識・スキルの習得が目的
「専門学校」は、特定の専門分野に特化した知識・技術を身につけるための教育機関です。大学のような幅広い教養や学術的な分野ではなく、実務に役立つ実践的なスキルを習得するための実習が多いことが特徴です。就職後は企業の「即戦力」になることが求められる傾向にあるため、多くのことを短期間で学ぶ必要があります。なお、就業期間が2年以上で総授業時間数が1,700以上の課程では、卒業することで「専門士」の称号が得られます。
大学は学術的な学問や幅広い教養の学習が目的
「大学」は、専門分野に加えて一般的な教養についても、幅広く身につけることができる教育機関です。実践的なスキルよりも、学術的な知識や理論を重視していることが特徴です。短期大学を除いて4年制となっており、卒業することで「学士」の学位・称号を得ることができます。必要な数の単位を取ることで卒業できるため、興味関心やライフスタイルに合わせたスケジューリングがしやすくなっています。
専門学校と大学の主な違い
専門学校と大学の代表的な違いとして、次のようなものが挙げられます。
専門学校 | 大学 | |
教育内容
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特定の職業に関する実践的な知識やスキルを学ぶために、演習や実習が充実
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専攻分野の学術的な理論・知識を体系的に学び、一般教養についても広く学ぶ
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修業年限
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2年制が一般的だが、3年制や4年制の学校・課程もある
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原則として4年制だが、短期大学は2年制、医学部・歯学部などは6年制
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初年度納付金
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平均120万~150万円
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国立大学は80万~90万円 私立大学は130万~140万円 |
卒業に必要な授業時間・要件
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1年あたり800時間以上
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合計124単位
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1コマあたりの授業時間
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50分もしくは90分が多い
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基本的には90分
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履修科目やスケジュール
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時間割は決められていることが多く、選択科目は少ない
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時間割を自分で決めることができ、選択科目も多い
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部活・サークル活動
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学校によっても異なるが基本的に小規模
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基本的には充実していることが多い
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卒業で得られる学位・称号
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専門士
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学士 |
専門学校で学ぶメリット
専門学校で学ぶメリットとして、次のようなものが挙げられます。
- 専門分野について効率的に学べる
- 実践的な知識やスキルが学べる
- 業界への就職サポートが手厚い
専門分野について効率的に学べる
専門学校は2年制のものが多く、学ぶ時間が限られているため、効率的な学習カリキュラムが組まれています。4年間かけて幅広い教養を身につける大学とは異なり、専門学校では専攻分野に絞りこんで必要な知識が学べることが魅力です。
実践的な知識やスキルが学べる
専門学校は、就職後に「即戦力」になることを目指したカリキュラムが組まれているため、実戦的な実習に重きが置かれています。専門学校を卒業する段階で、実務で求められる知識やスキルはある程度身についているため、早い段階から業界で活躍できるようになるでしょう。
業界への就職サポートが手厚い
専門学校は、関連する専門分野の業界との連携体制が強く、業界内の就職に強い傾向があります。魅力的な就職先を紹介してもらえたり、手厚い就職サポートが受けられたりするため、安心して学びながら就職活動に備えることが可能です。
専門学校で学ぶデメリット
専門学校で学ぶことを検討する際は、次のようなデメリットに注意が必要です。
- 在学中の専攻変更が難しい
- 忙しくて自由な時間が少ない
- 新卒初任給が低い傾向にある
在学中の専攻変更が難しい
専門学校は特定分野の専門知識を学ぶことを前提に入学するため、入学後にほかの分野に専攻を変更することは難しくなります。そのため、「その分野に興味がなくなった」「ほかの分野について学びたい」などの場合は、学校自体を変えないといけないケースが多いです。専門学校に入学する際は、「必ずこの分野で活躍したい」という熱意を持つことが大切になります。
なお「総合学園ヒューマンアカデミー」のように、条件付きで専攻変更が可能なうえに、他専攻の授業を数コマまで無料で受けられる専門校もあります。「専攻を決めるのが難しい」という場合は、そのような学校も検討してみましょう。
忙しくて自由な時間が少ない
専門学校では、短期間でさまざまな知識・スキルを身につける必要があるため、毎日多くの講義や実習が詰め込まれています。課題もしっかりこなさなければ、授業についていけなくなることもあるでしょう。そのため、専門学校に通うと自由な時間が取りづらく、アルバイトをするのが困難な場合もあります。
新卒初任給が低い傾向にある
一般的に専門卒は大卒と比べて、初任給が低い傾向があります。厚生労働省が発表した「令和5年3月新規学校卒業者の求人初任給調査結果」によると、令和5年度の新卒初任給は、次のようになっています。
企業規模
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専門卒初任給
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大卒初任給
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小規模 |
約18.8万円
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約20.0万円
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中規模 |
約20.0万円
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約21.2万円
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大規模 |
約21.8万円
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約22.8万円
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このように同規模の企業で比較すると、専門卒の場合は大卒と比べて新卒初任給が1万円ほど低い傾向があります。しかし、個人のスキルや就職する業種・企業規模によっては、一般的な大卒を上回る収入が得られる場合もあります。例えばIT職であれば、営業職から始まる大卒とプログラマとして活躍できる専門卒で比べれば、専門卒のほうが技術職として早い段階でステップアップでき、それだけ収入が高くなるかもしれません。
大学で学ぶメリット
大学で学ぶメリットとして、次のようなものが挙げられます。
- 幅広い教養を身につけることができる
- 時間割や選択科目を自由に決めやすい
幅広い教養を身につけることができる
大学では、一般教養を含めたさまざまな知識を学ぶことができます。特に総合大学では他学部の科目も履修できるため、やりたいことを見極めながら学習できます。そのため、入学後でも自分に合う分野を再発見し、進路を変更することも容易です。
時間割や選択科目を自由に決めやすい
大学は学ぶことが多いですが、4年間かけてじっくり学ぶため、比較的自由な時間が取りやすいです。時間割を気分で決めることができ、選択科目の数も多いため学びの自由度も高いです。さらに時間が余ることが多いため、アルバイトやサークル活動に励むなど、学生生活を満喫しやすいでしょう。
大学で学ぶデメリット
大学で学ぶことを検討する際は、次のようなデメリットに注意が必要です。
- 専門学校より学費が高くなる場合がある
- 実践的な学びが少なく「即戦力」にはなれない
専門学校より学費が高くなる場合がある
大学は在学期間が4年間と長いため、それだけ学費も高額になりやすいです。例えば私立大学の場合は、トータルの学費が400万~500万円以上かかることが多く、2年制専門学校の学費が250万~350万円であることを考えると、私立大学のほうが100万円ほど学費が高くなります。
実践的な学びが少なく「即戦力」にはなれない
大学は幅広い教養を身につける場所なので、就職後の実務で役立つような「実践的なスキル」は習得しづらいです。大学では自由度の高い学びができますが、これは裏を返せば「自主性が求められる」ことを意味し、学ぶ意欲がなければ4年間を無為に過ごしてしまうこともあります。実際に、在学中に学業以外のことに集中しすぎてしまい、就職活動時に苦労する大学生は決して珍しくありません。
門学校と大学のどちらがおすすめ?
専門学校と大学のどちらへ進学すべきか迷っている人は、次のポイントを参考にしてみてください。
- 専門学校に向いている人
- 大学に向いている人
専門学校に向いている人
専門学校は次のような人におすすめです。
- 将来なりたい職業が明確にある
- クリエイティブな分野で活躍したい
- 実務で役立つスキルを身につけたい
- 短期間で専門的な知識を身につけたい
専門的なスキルを身につけたり、クリエイティブな分野で活躍したりしたい人には、短期間で即戦力になるための学習ができる専門学校が向いています。
大学に向いている人
大学は次のような人におすすめです。
- 将来像が明確になっていない
- 4年間かけてじっくり学びたい
- 幅広い知識や教養を身につけたい
- 自由な時間や部活動も楽しみたい
幅広い教養を身につけたり、じっくり時間をかけて進路を模索したりしたい人には、時間に余裕のある環境で学びやすい大学が向いています。
専門の学校には「認可校」と「無認可校」がある
「手に職をつけたい」「クリエイティブな仕事をしたい」という人には、専門の学校がおすすめです。しかし、専門の学校には「認可校」と「無認可校」があり、学校選びの際は次のような特徴について理解しておくことが大切になります。
- 認可校は奨学金や教育ローンを利用しやすい
- 無認可校は先進的なスキルを身につけやすい
認可校は奨学金や教育ローンを利用しやすい
「認可校」とは、学校教育法の認可を受けた学校法人が運営する専門学校を指します。公的な奨学金や教育ローン、学割などを利用しやすいことが認可校のメリットです。一方で、授業内容に規定があって業界の変化に対応しづらいことや、現役プロ講師の割合が制限されていてカリキュラム・授業内容に限界があることがデメリットです。
無認可校は先進的なスキルを身につけやすい
「無認可校」は、学校法人ではなく一般企業が運営する専門校を指し、「カンパニースクール」とも呼ばれます。公的な奨学金や教育ローンの一部が利用できないなどの制約はありますが、学費については民間の教育ローンやスクール独自の奨学金などが利用可能な場合があります。
また、無認可校は認可校とは異なり自由なカリキュラム・授業内容を実施できるため、独自のカリキュラムで先進的なスキルを身につけやすいことがメリットです。現役プロ講師の人数にも制限がないため、実際の業界で求められる知識・スキルを習得しやすくなっています。
クリエイティブ職を目指すなら「総合学園ヒューマンアカデミー」がおすすめ!
専門学校と大学はいずれも高等教育機関ですが、専門学校は特定の分野における専門的・実践的な知識やスキルを取得し、大学は幅広い教養を身につける場所という違いがあります。将来の進路が明確に決まっている場合や、クリエイティブな分野で活躍したい人は、カンパニースクールを含む専門の学校を検討するのがおすすめです。
専門の学校への進学を検討している方には、「総合学園ヒューマンアカデミー」がおすすめです。IT・ゲーム・デザイン・動画・マンガ・声優・ビジネスなど幅広い分野について、実践的な「生きたスキル」を学ぶことができきます。全国に校舎を展開しているため、地元でも高いスキルを学べるうえに、少人数制でサポート体制が充実しているので安心して学べます。