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2021. 04. 05

学園長コラム

【学園長コラム vol.39】変身

戦隊モノではヒーローが変身してパワーアップします。
変身の元祖は「仮面ライダー」あたりかなとも思いますが、
米国のマンガ・TV番組・映画の「スーパーマン」の方が早いことは間違いありません。

普段は新聞記者のクラーク・ケントが電話ボックスの中で変身して例の格好になり、
ジェット噴射するわけでもないのに空を飛んで事件現場に向かうというシーンが有名です。
この変身を英語ではtransformationといいます。
「superman transformation」で検索すればたくさんの画像や説明文がヒットします。

いま世界中のビジネス界でデジタル・トランスフォーメーションが話題です。
「デジタルで変身しよう、ビジネスのあり方をすっかり変えよう」ということです。
デジタル・トランスフォーメーションは英語でdigital transformationですが、これはDXと省略されています。
DTではありません。
dtと省略するとプログラミング用語と混同するからといった理由があったかもしれませんが、
それ以上に、英語ではtrans-の部分をXで省略する慣習が何世紀も以前から行われてきました。
大西洋横断をtrans-Atlanticと呼ぶように、trans-には横断する＝クロスする＝crossする、
crossすなわちXということですね。

さて、四月は環境が変わるタイミングです。
これを機会に自分の変身について考えてみてはいかがでしょうか。

実は私は50年以上も前の話で恐縮ですが、中学校入学と同時に「変身しよう」と決意しました。
それまでおとなしく目立たない存在だった自分と決別し、新たな自分に変身しようと挑戦したのです。

変身は「今の自分のどこを変えるか」ではなく、
「理想の自分はどんな人物か」を考えることからスタートすべきです。
新聞記者のクラーク・ケントをもとに想像を膨らませても空を飛ぶという発想は出てきません。
正義の味方の理想像は何かを考え、空だって飛べるという要件が生まれ、
その結果として変身後の姿が決まるのです。

普通の人間の変身だって同じです。
理想の自分は何が出来、何を習慣とし、どんな価値観を持つか。
それが決まれば次は、理想に向かって何から着手すべきかを考えれば良い。

世界中で注目されているDXですが、日本企業はなかなか変身できないようです。
「デジタルを最大限活用した理想の姿は何か」というアプローチがなかなかとれず、
「今の自分達のどこを変えれば良いのか」という現実的すぎる発想に縛られ、
「そうは言ってもなかなか変えられない」といった反対意見が社内から出ているとも聞いています。

みなさんはこうならないように、最初に理想像を描きましょう。
これからITの世界に出て行こうとする若者の理想の姿とはどういうものか。
その理想像に自分の個性を加味すればすごく魅力的な存在になるとは思いませんか。

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