演劇・舞台

舞台「ロビー・ヒーロー」の見どころは?気になる出演者もご紹介!

005-5 (1).jpg「ロビー・ヒーロー」は、2017年「マンチェスター・バイ・ザ・シー」でアカデミー賞脚本賞を受賞した、ケネス・トナーガンの話題作。

2001年にオフ・ブロードウェイで初演を果たすとその人気は凄まじく、翌年にはウエストエンドで上演。2018年には再びブロードウェイで上演され、高い評価を得ました。そんな人気舞台作品が、ついに日本で初上演されます。

この記事では日本版「ロビー・ヒーロー」の見どころとキャスト陣の魅力に迫ります。

【目次】

舞台「ロビー・ヒーロー」日本版の見どころは?

登場人物はたった4人!丁寧に描かれるそれぞれの葛藤

舞台「ロビー・ヒーロー」主演は中村蒼!残る3人のキャストは?

舞台「ロビー・ヒーロー」の公演期間は?

①舞台「ロビー・ヒーロー」日本版の見どころは?

「今」だからこそ見たい!現代社会とリンクするストーリー

「ロビー・ヒーロー」は、小川絵梨子芸術監督のシリーズ企画「声 議論,正論,極論,批判,対話...の物語」の第2弾となる作品。

主人公のジェフは、自分のやりたいことが何なのか分からないままロビーの警備員として働く毎日。ところが、ひょんなことからあるトラブルを巻き起こしてしまいます。トラブルをきっかけに、ジェフはジェンダー、上下関係、人種差別など、色んな角度から人間の多様性に気づきます。「ロビー・ヒーロー」が誕生したのは1999年。今から20年以上前にも関わらず、女性差別、格差など、今現在も社会問題として取り上げられている問題が題材となっています。

正義とは何なのか、正解はあるのか...夢を追い、現実に挫折し、人間関係に悩み...もがき続けるジェフ。「幸せに生きたい」「平等を追求したい」そんな一心で一生懸命に生きる登場人物たちに胸が熱くなります。現代社会に疲れ、承認欲求と自己肯定に苦しむ私たちに、生き方のヒントを与えてくれることでしょう。

②登場人物はたった4人!丁寧に描かれるそれぞれの葛藤

物語の舞台となる場所は、あるマンションのロビーと周辺のみ。

外の通りから小さく光るロビーを見てみたり、今度はロビーの中から外の景色を眺めてみたり。似ているように見えて、全く異なる2つの視点を楽しめるのも見どころの1つです。観客の捉え方や感じ方によって自由にストーリーを想像し、展開することができます。そして、驚きなのが「ロビー・ヒーロー」はたった4人で構成された物語ということ。出演者が密の濃い時間を過ごし、役作りをしていく中で、どんな「ロビー・ヒーロー」の世界観を作り上げるのか大変楽しみです。また、少ない人数だからこそ、1人1人の心情や些細な行動に注目しながら観劇できます。見る観客によって感情移入する登場人物が違ったり、ある時は主人公ジェフ、ある時はドーンというように、見るたびに違う視点で楽しめるのもいいですね。

4人分の人生がぎゅっと詰まった「ロビー・ヒーロー」。

軽快なテンポで進むお芝居ながら、人生の限られた時間の尊さを感じます。どのような表現で、どのようなメッセージを観客に伝えていくのか...。三者三様ならぬ「四者四様」の表現に注目です。

③舞台「ロビー・ヒーロー」主演は中村蒼!残る3人のキャストは?

今回主役のジェフを演じるのは、俳優の中村蒼。

中村蒼は、2006年に新国立劇場小劇場で上演された主演舞台「田園に死す」で俳優デビュー。その後、2013年に「つく、きえる」で再び同会場で主演を務めました。「ロビー・ヒーロー」は9年ぶり、3度目の主演舞台となります。「ロビー・ヒーロー」の上演にあたって、中村蒼は「個人的にとても思い入れのある劇場でまたお芝居が出来る幸せを噛み締めて今作に臨みたいと思います。」と意気込みを話しています。また、演出を務める桑原裕子は、俳優として中村蒼と共演経験があるのだといいます。「二枚目で芝居も軸がしっかりあるんですけど、笑い上戸で面白いことを見逃せない。」と中村蒼の人物像を語り、「ユーモアや愛嬌が、ジェフと通じると思います。」と期待を寄せました。

そして、物語のカギを握る新人警察官のドーンを演じるのは女優の岡本玲。

ジェフの選択肢を揺さぶる重要な役どころです。岡本玲は日本大学藝術学部映画学科出身の実力派。ドラマ、映画で活躍する傍ら、これまで数多くの舞台作品に出演してきました。2020年には自主企画「ダニーと紺碧の海」も成功を収めています。桑原裕子は岡本玲について「男社会に負けない勝ち気さと、感情的で未成熟な女子らしさを併せ持ったこの役が似合うと思います」と絶賛。難しい役どころですが、どんな風にドーンを演じきるのか非常に楽しみです。

ジェフの上司、ウィリアムを演じるのはこちらも実力派俳優の板橋駿谷。

真面目で向上心があり、ジェフとは正反対の性格です。板橋駿谷は、舞台、映画、ドラマなど多数の作品に出演。連続テレビ小説「なつぞら」で一気に注目を集め、その後も大河ドラマや話題映画に抜擢され続けています。桑原裕子も「無骨ながら繊細なイメージがぴったり」と話し、板橋駿谷自身の持ち味を生かしてウィリアムを演じてくれそうです。

ドーンの相棒で、有能な警察官ビルを演じるのは瑞木健太郎。

人間の嫌な部分もさらけ出す、4人の中悪役要素もあるキャラクターです。瑞木健太郎は小劇場を中心に活躍を続けるベテラン俳優。桑原裕子は「堂々とした佇まいにもどこか抜けたところがある」と話し、「ただの嫌なイケメンではなく、複雑さを持った人物になると思います」と瑞木健太郎の表現力を高く評価しています。

個性豊かな4人が、どう絡みあってストーリーを動かしていくのか期待が高まります。

④舞台「ロビー・ヒーロー」の公演期間は?

「ロビー・ヒーロー」は、2022年5月1日(日)、2日(月)に新国立劇場小劇場でプレビュー公演が行われた後、同会場で2022年5月6日(金)~22日(日)まで本公演が上演されます。その後、2022年5月28日(土)、29日(日)は穂の国とよはし芸術劇場PLAT主ホール、2022年6月5日(日)は兵庫県立芸術文化センター阪急中ホールにて上演。2022年6月11日(土)に岡山市民文化ホールで千秋楽を迎えます。

海外での人気も高く、日本初上演に期待が高まる本作。

地方公演もありますので、より多くの方の舞台に出会うきっかけになればいいなと思います。「ロビー・ヒーロー」は今この時代に生きる私たちに必要なことを教え、影響を与えてくれるに違いありません。ぜひ劇場で「ロビー・ヒーロー」の世界を体感してください。

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