声優・俳優

声優になるための心構え

37-2_アートボード 1.jpg夢を叶えるための考え方


全国には約30万人の志望者がいると言われるように、「声優」はとても魅力的な仕事として注目を集めていますよね。

しかし、僕が声優を目指していて実感したのは、楽しいことや嬉しいことよりも圧倒的に辛い経験の方が多いということでした。今ではそうした情報もネットで知り得たり共有することもできますが、やはり自分自身でそれを経験し実感するまでは本当の魅力や怖さはわからないです。そして、ここぞというときに自分を助けてくれるのは自分自身だったりします。そこで今回は、知っておくと助けになる心構えを紹介していきます。

動機は心の支えになる

学校や養成所へ通えば、日々のレッスンや人間関係をはじめとした様々な悩みを抱えることがあります。

ときにはレッスンで大きなミスをしてしまう日もありますし、オーディションに落ちる日もあれば、どうしようもなくお金がない日もあります。そんなときでも初心の気持ちを思い出すと、なぜ自分がこの道を目指しているのか?を改めて実感することができます。

「好きなことができて悩めている」

「昔の自分ならこれをきっと羨ましいと感じる」

そう思うことで改めて前を向くことができるかもしれません。


「やりたい」と思った時点で、もう夢は50%は叶っているものです。あとは具体的にイメージし、強い意志を持って努力し続けることが何よりも大切なのではないかと思います。


出典:『声優道 名優50人が伝えたい仕事の心得と生きるヒント』p.42 潘恵子 出版:主婦の友インフォス

チャンスの活かし方

昔に比べて仕事の幅が広がったとはいえ、今は声優一人当たりにくる仕事の数は少ないのが現状です。

だからこそ、一回一回の現場がとても大切になってくるわけですが、仕事のない日が続いていたとしても、いつでも仕事ができる準備をしておかなければいけません。そういう意味では"人生はかけ算"のようなもので、大きなチャンスが訪れても準備ができていなければその成果は0(ゼロ)のままだと思います。


これは僕の持論ですが、必要な準備をきちんとしていれば、特に若い頃、神様は誰でも平等にチャンスを与えてくれる与えてくれるものだと信じています。そこで大切なのは、目の前にやってきたそのチャンスを逃さず確実につかむか、気付かずに見逃してしまうか、ということです。


出典:『声優道 死ぬまで「声」で食う極意』p.181 :岩田光央 出版:中公新書ラクレ

恐れず行動すること

緊張や失敗をすればどうしても消極的になって、発言できない、動けない瞬間があるかもしれません。

しかし、僕が出会ったどの講師も同じようにアドバイスをしたことは「積極的になれ」ということです。結局のところ、役者を目指すなら失敗してもやった者勝ちなところがあって、それをきっかけに名前を覚えてもらえたり、注目されるきっかけになるかもしれません。失敗は、挑戦する勇気を持った人にしか経験できないことです。


何より引っ込み思案はよくない。「前に、前に」という気持ちをもって、プラス、コミュニケーション能力があると、役者として仕事がしやすくなるんじゃないかなと。


出典:『声優道 名優50人が伝えたい仕事の心得と生きるヒント』p.238 置鮎龍太郎 出版:主婦の友インフォス

諦めることも正しい答え

声優を目指していれば、「弱気はダメ」「絶対に諦めてはいけない」といった思考になりがちですが、今後の人生を改めて考えて声優を諦めるのも決して間違ったことではないです。

人は、成長もすれば考え方も変わり、誰もが同じような人生を歩むわけでもないですね。キャリアが長くなればなるど責任も伴いますが、人生は限られた時間だからこそ常に考えておくことが大切だと思います。


僕は役者に限らず、"世界は失敗してもいいようにできている"と思います。僕も一度は大失敗しましたが、自分のために頑張り続けていれば、きっと誰かが見てくれていて、どんな失敗もいつかは取り戻す機会に恵まれると信じています。


出典:『声優道 名優50人が伝えたい仕事の心得と生きるヒント』p.72 鈴村健一 出版:主婦の友インフォス

言葉

声優やナレーターは特別な仕事と思う人もいるかもしれませんが、極端なことを言えば、喋ることができれば誰でもできてしまう仕事でもあります。

だからこそ、声の仕事を目指す人たちは、日頃から喋ることに意識を向けてみることが大切だと思います。

言葉には「言霊(ことだま)」が宿ると言われるように、人生の良いことも悪いこともすべて自分の中から生まれてくるのだとすれば、この習慣は芝居だけでなく今後の人生にもきっと役立つことだと感じています。


例えば家族に「おはよう」と言うときに、ただ口先だけで挨拶するのと、今日も一日元気に朝を迎えられて幸せだねっていう気持ちを込めて言う「おはよう」は、ぜんぜん違うじゃないですか。「ありがとう」でも「おいしかった」でも、そうやって愛情をたっぷり込めて言うこと。日常生活の中で起こるいいことも悪いことも、しっかり受け止めていくこと。そういう経験を、いつかお芝居に生かしていけたらいいですね。


『声優道 名優50人が伝えたい仕事の心得と生きるヒント』p.153 井上喜久子 出版:主婦の友インフォス

まとめ

声優に求められることは時代とともに変わり続けていきますが、それでも人と人とが関わりあう仕事に違いはなく、常に求められるのは基本的なことや人間的な魅力だと思っています。

そして、成功や失敗の経験も乗り越えた数ほど"演技の引き出し"になるはずなので、ぜひチャレンジし続けることで成長に繋げてください。

ライター:ゆうき

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