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アニメ業界の人材育成を活性化!「あにめのたね」の取り組みとは?

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みなさんは「あにめのたね」という言葉を聞いたことがありますか?

「あにめのたね」とは、アニメ業界の人材育成を目的とした調査研究事業。2021年より活動が開始され、アニメ業界就業者、またアニメ業界志望者へ向けて様々な教育方法をシェア、実践しています。アニメ業界を目指している人にとっては、またとない機会ですよね。

この記事では、今後、「あにめのたね」に参加してみたい!と考えている方へ向けて、「あにめのたね」を分かりやすくご紹介。さらに、過去にどんな取り組みが行われてきたのかにも迫っていきます。アニメ業界に興味がある!将来はアニメ制作に携わりたい!と思っている方必見の内容となっていますので、ぜひ参考にしてください。

目次

  • ①「あにめのたね」とは一体何?
  • ②「あにめのたね」の3つの柱
  • ③「あにめのたね」の過去の事例が気になる!
  • ④まとめ

①「あにめのたね」とは一体何?

「あにめのたね」の正式名称は、「アニメーション人材育成調査研究事業」といいます。

海外でも高い人気を誇る日本のアニメ作品。日本のアニメ市場は潤っているように思えますよね。しかし、作り手側の立場になって考えてみるとどうでしょう。

アニメ制作の現場では、新たな作り手となる若者の減少や、制作方法の変化による世代交代などによってこれまで行われてきた人材育成方法も変化の時を迎えています。高いクオリティと話題性が求められる中、人材育成を一から見直すというのは困難で、それによってアニメ文化の維持や発展も難しくなってしまっているのです。

このような、アニメ制作業界を救うために立ち上がったのが「アニメーション人材育成調査研究事業」、すなわち「あにめのたね」です。今後のアニメ業界の将来を担うアニメーターを育てるため、アニメ分野を更なる発展に導くために、様々な育成方法を実践。その育成方法を、外部からの評価を含めて更に分析・検討を繰り返し、アニメ業界にどのような人材育成が適切なのかを研究、共有する事業です。

②「あにめのたね」の3つの柱

「あにめのたね」では、毎年、「技術継承」「技術向上」「基礎教育」の3つの柱を元に、学生や現役のアニメ制作スタッフに教育機会を提供しています。その3つの柱を詳しく見てみましょう。

まず一つ目が「技術継承プログラム」。

「技術継承プログラム」は、即戦力となる人材の育成と、制作技術の継承を目的に、作成制作を希望した4社の映像作品を実際に作成するプログラムです。公募により集まった制作会社から4社が選定され、育成目標のもとに世界でも通用する高いクオリティの作品制作を目指します。7〜10分ほどの短い作品の中で、どれだけ新しいチャレンジができるかが試されます。

二つ目は「技術向上教育プログラム」。

「技術向上教育プログラム」は、現在アニメ業界で働いている人向けのプログラム。若手だけではなく、中堅どころにもその技術をしっかりと浸透させようというものです。制作概論、作画、演出、CG、撮影、音響など、約15講座が用意され、様々な職種の基礎教育を網羅しています。公演、セミナー、実技など、色々な角度からプログラムに参加することができますよ。

三つ目は「基礎教育プログラム」。

「基礎教育プログラム」は、これからアニメ業界にチャレンジしたいと思っている人に向けて、ワークショップ形式で行われるプログラムです。2011年から施行された文化庁の「アニメーションブートキャンプ」をベースに、地方の教育機関とも連携。アニメの基礎を学ぶビデオ講座の提供、オンラインでの自習支援システムの試行など、アニメ制作の根本からしっかりと学べるワークショップとなっています。

③「あにめのたね」の過去の事例が気になる!

「あにめのたね」は2021年に調査研究がスタート。

これまでどんな活動が行われてきたのか気になりますよね。初年度には「あにめのたね2021オープン講座」がYouTubeにてオンライン開講。約12種類の中から好きな講座を選んで、無料で受講できるという取り組みが行われました。Q&Aで分かりやすく事案が紹介され、例えば、「オマージュという形で他作品をアレンジし、作ったオリジナル作品を元作品の作者に断りなく発表しても良いか?」など、近年特に問題視されている著作権についても事細かに説明。業界人の貴重な経験談は、これからアニメ業界を目指す人にとって糧になるに違いありません。他にも、能楽師の中村裕さんらが登壇した「能」に関する講座も。能とアニメーションに何の関係性があるのだろう?と思いますが、能面の影で表現されるキャラクターの表情の変化、舞の解説などが、アニメの「演出」「演技」と似ている部分があるのだといいます。普段触れることのない世界だからこそ、新たに得られるインスピレーションも多くありそうですね。

他にも「技術継承プログラム」で作成された作品の上映がオンライン上で行なわれ、さらには「アニマックス」内で本編を放送。自身が制作した作品が多くの人の目に映るという経験は、これからアニメ業界で活躍したいと考えている方にとっては素晴らしい経験となることでしょう。今後の自信や意欲にも繋がりますよね。このように「あにめのたね」では、他では体験することができない、アニメ業界の教育に触れることができるのです。

④まとめ

ここまで、「あにめのたね」の事業内容や過去の取り組みについてご紹介しました。

これまでなかった斬新な点に目を付けた取り組みが多くあったように思います。講座の受講やワークショップ、そして実際に作品を制作するなど、様々な形態で学べるというのもいいですね。オンラインで自宅で気軽に受講できるというのも大きなメリットだと思います。アニメ業界に関わらず、どの業界でも、新たな人材の育成や技術の継承は長い期間をかけて向き合っていかなければいけない課題でしょう。「あにめのたね」のように、オープンに楽しく学べる機会がもっともっと増えるといいですね。この取り組みによって、アニメ業界の未来が今よりも明るいものになりますよう祈っています。

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