ゲーム業界を目指す人なら、「知らない」ではすまされないSNSゲーム(ソーシャル・ネットワーキングサービスゲーム)ですが、意外にも正確な意味は知らないという方が多いのではないでしょうか。ここで改めておさらいしておきましょう。
SNS上で成り立つSNSゲーム
SNSゲームとは、SNSが会員に向けて提供するゲームのこと。特定のソフトやアプリなどを必要とせず、ブラウザとSNSアカウントがあれば、短時間で手軽に遊べるのが特徴です。そして、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)とは、コミュニケーションがメインの会員制サイトのこと。SNSゲームを提供している有名なSNSとしては、GREE、Mobage、mixiなどがあります。
ゲーム業界豆知識 SNSゲームの隆盛
そんなSNSゲームですが、ゲーム業界で今の地位を築くまでにはいろいろな変遷がありました。時系列を追いながらみてみましょう。
携帯電話がメインの第一次SNSゲームブーム
SNSゲームは、もともとパソコンからはじまりました。しかし、GREEが携帯電話向けのSNSゲーム『釣り★スタ』をヒットさせて以来、SNSゲームの主流は携帯電話になっていきます。
業界全体が急成長した第二次SNSゲームブーム
その後、Mobageの『怪盗ロワイヤル』がヒットしたのを機に、SNSゲーム業界に、新たな動きが出てきます。
Mobageに対抗するために、mixiが「mixiアプリ」を開始したのです。自社単独でのゲーム制作が主流だった当時の状況のなかで、他社ゲームメーカーも参入しやすい環境を整える方向性での試みは、当時は画期的でした。
実際に、mixiアプリとしてSNSゲーム『サンシャイン牧場』(中国のゲームメーカーRekooが提供)がヒットするなど、ゲーム業界のなかで圧倒的な地位を築きあげました。
この流れを見たGREEやMobageも、他社ゲームメーカーが参入しやすい環境を整えはじめます。これによって、SNSゲーム業界全体が急成長。大手ゲームメーカーも注目するようになってゆきます。
スマホが主役となった第三次SNSゲームブーム
大手ゲームメーカーのコナミデジタルエンタテインメントがGREEに『ドラゴンコレクション』を提供したところ、これが大ヒットします。カードコレクションと対戦を組み合わせたこのゲーム形式は、非常に魅力的なゲームシステムでした。
その後、携帯電話の主流が、いわゆるガラケー(フィーチャーフォン)からスマホ(スマートフォン)に移ると、SNSゲーム業界に、また新たな動きが出てきます。
『パズル&ドラゴンズ』(ガンホー・オンライン・エンターテイメント)通称「パズドラ」のように、SNSではなく、App StoreやGoogle Playといったスマホ用アプリを介してゲームを配信する動きが加速してきたのです。ゲームメーカー各社が、スマホ用アプリのほうが多くのユーザーを獲得できると考えたからです。
ゲーム業界で不動の地位を築いたSNSゲーム
2015年現在のSNSゲームは、スマホ用アプリを介したゲーム配信が主流となっています。SNSの中で不動の地位を占めているLINEも、ゲームはスマホ用アプリを介して提供しています。SNSを介さないゲームになりつつあるという意味で、もはや「SNSゲーム」ではなくなってきていると言えるかもしれません。
しかし、このコラムで紹介したような「短時間で手軽に遊べる」形式のゲームは、当分の間、ゲーム業界で大きな影響力を持ち続けることでしょう。
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