シナリオの基本は神話の時代に作られていた?
いざ漫画のシナリオを書こうと思っても、なかなか簡単に書けるものではありません。
そこで参考になるのが「神話」です。古事記や日本書紀、ギリシャ神話や北欧神話など、世界中で古くから親しまれてきた神話には、ある共通的な構造があります。
シナリオ制作に慣れないうちは、こうした神話の構造から物語のおおまかな流れを考えてみるのも一つの方法かもしれません。ここでは、代表的な神話の構造とそれに似たストーリーを展開している作品を見ていきます。
神話の構造から学ぶヒット作品に共通するシナリオの書き方
実際に代表的な神話の構造とは、簡単にまとめると以下のようなものになります。
1、日常のなかで問題が発生する
2、主人公が問題解決のために旅立つ
3、さまざまな試練をクリアし、問題を解決する
4、主人公が帰ってくる
意外にシンプルですね。では、次は実際の作品のなかでこうした構造がどのように使われているか見ていきましょう。
有名作品から学ぶシナリオの書き方 その1:『ドラゴンクエスト』の構造
まずは漫画ではありませんが、誰もが知っているRPG『ドラゴンクエスト』(スクウェア・エニックス)を例に見てみましょう。この作品も神話の構造に沿っているとみることができます。
1、ラダトーム王国から、竜王によって「光の玉」が奪われ、ローラ姫がさらわれる。
(日常のなかで問題が発生する)
2、主人公であるロトの血を引く勇者が竜王征伐のために旅立つ
(主人公が問題解決のために旅立つ)
3、竜王を倒し、ローラ姫を救出する
(さまざまな試練をクリアし、問題を解決する)
4、ラダトーム王国に帰還する
(帰還する)
有名作品から学ぶシナリオの書き方 その2:『鋼の錬金術師』
次は、累計6100万部以上を発行した大ヒット作品、スクウェア・エニックスの『鋼の錬金術師』(作者:荒川弘)を例に見ていきましょう。
1、主人公のエドワードと弟のアルフォンスが、亡き母親を錬金術によって甦らせようとして失敗。エドワードは左足を失い、アルフォンスは体のすべてを失った
(日常のなかで問題が発生する)
2、体を元に戻すために必要な「賢者の石」を探す旅に出る
(主人公が問題解決のために旅立つ)
3、旅のなかで賢者の石に隠された真実を知り、別の方法により体を元に戻すことを決意
(さまざまな試練をクリアし、問題を解決する)
4、新たな旅に出る
(『鋼の錬金術師』の場合は帰還せずに旅に出る)
ストーリーの作り方の基本にできる神話の構造
いかがでしたでしょうか。実際に作品に組み込まれた際にはアレンジされていますが、ストーリーを大きく分けて考えてみると、神話の構造はさまざまな作品に共通する構造だといえます。もちろん、このまま当てはめるだけで良いというわけではありませんし、物語の作り方は無数にあります。
しかし、この構造を上手に利用すれば、ストーリーを綺麗にまとめることができるようになります。おぼえておきましょう。
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