声優・俳優
【舌トレ】滑舌に効果的なおすすめ練習
「滑舌練習に対していまいち効果を実感できていない」「なかなか苦手なポイントが治らない」など。
みなさんの中にも、こうした悩みを抱える人は多いのではないでしょうか?
僕自身も声優学校や養成所に通っている当時、滑舌に関して口すっぱく叱られたもので、喋る仕事をする人にとってはとくに改善すべき問題だったりしますよね。
実は、滑舌トレーニングには口を動かすだけでなく舌を動かすこともおすすめなんです。
そこで今回は、一般的な滑舌練習とは少しアプローチを変えた方法、「舌トレーニング」についてご紹介します。
「た行」「な行」「ら行」が苦手、早口言葉が言いにくいと感じる人など、こちらの集中的なトレーニングをぜひ実践してみてください。
舌筋(ぜっきん)とは?
日本語を正しく発音する際、口周りの口輪筋や表情筋、ほかにも腹筋など様々な筋肉を鍛える必要がありますが、それと同じくらい重要なのが舌筋(ぜっきん)です。
実は、舌にも多種多様な筋肉が付いていて、大きく分けると「内舌筋(ないぜつきん)」と「外舌筋(がいぜつきん)」に分けられます。
そしてこの舌筋は、口蓋や歯に触れる、当てる、支えるといったことから、あらゆる子音や母音を明瞭な音にしてくれます。
- 内舌筋:舌の形を自由に変化させるための筋肉
- 外舌筋:舌を前後左右に動かすための筋肉
滑舌練習では、口を大きく開ける・正しく動かすといったことに囚われがちですが、口の中にある舌を鍛えて素早く正確にコントロールできる力もとても大切になってきます。
従来の練習ではいまいち効果が上がらない人ほど、こうした重点的で集中したトレーニングを行うことで劇的に滑舌が改善するかもしれません。
※【滑舌を良くする】効率よく練習するには3つのポイントを意識!(2020.05.01)
プロはなぜ滑舌が良いの?
例えば、プロの声優・ナレーターさんを観察すると、喋るときにそこまで大きく口を開けている人って少ないですよね。
それでも不思議と滑舌がよく聞こえるのは、舌が鍛えられていて、口の中の形や動きがとても正確だからです。
みなさんも経験があるかもしれませんが、滑舌を良くしようと口を大きく開けて喋るとかえって不自然に聞こえることがありますよね。
口を大きく開けずとも口の中の動きを改善することで、トーンが抑えられ自然な喋りができることに繋がりますし、意識的な負担がなくなることで原稿読みや演技に集中できるメリットもあります。
だからといって練習では口を大きく開けなくても良いということではないですが、いざ本番になったときに自然な喋りができることで、その人本来の良さが発揮できると思います。
舌筋を鍛えるおすすめトレーニング
というわけで、ここからは舌を鍛えるおすすめの練習方法をご紹介します。
それぞれメニューが異なるように、あらゆる場面で行えるものなのでぜひ実生活に取り入れてみてはいかがでしょうか?
舌トレ①
【タングトリル/巻き舌】
- 上前歯の裏~硬口蓋の前方あたりに舌を当てる
- ブレスを吐くと同時に舌を震わせる
- ブレスが続く限りキープ
一般的に、「タングトリル」や「巻き舌」と呼ばれるものですね。
息を送って硬口蓋に舌先をブルブルと連続して当てながら行う方法です。
慣れてきたら、しっかりとお腹を支えて長くキープしていくとより効果的です。
舌トレ②
- 唇の裏側をなぞるように舌をぐるぐる回す
- 右回り:10周
- 左回り:10周
口の中でぐるぐると舌を回すトレーニングです。
負荷が少なく誰でも簡単に行えるものなので、練習前のウォーミングアップにも最適です。
左右交互に行いながら大きく円を描いていきましょう。
舌トレ③
- 口を開き、舌を前にできるだけ伸ばす
- 伸ばした状態で10秒キープ
- 引っ込める
こちらは、伸縮運動による舌のトレーニングですね。
滑舌練習ではどうしても口周りや舌先のみを意識しがちですが、舌を支える外舌筋までしっかり鍛えられる方法です。
舌トレ④
- ③の要領で舌先を上下左右へ伸ばす
- 上:鼻先へ付ける
- 右:右頬へ付ける
- 下:顎へ付ける
- 左:左頬へ付ける
③の舌を伸ばした状態から上下左右へ舌を伸ばすトレーニングで、より負荷を加えたい場合におすすめです。
それぞれ届く範囲で伸ばしながら1周...2周...と続けてみましょう。
舌トレ⑤
- 上前歯の裏に舌先をグッと押し当てる
- 10秒キープ
- 下前歯の裏に舌先をグッと押し当てる
- 10秒キープ
前歯の裏側へ舌を押し込むように当てていきましょう。
このときに、舌が「⤴︎」「⤵︎」の形に曲がるように押し込んだり、長時間キープすることでより効果的に舌を鍛られるはずです。
負荷と継続がポイント
滑舌練習で大切なのは、毎日継続しながら負荷をかけることです。
僕自身もこれまで、この2つのポイントを意識することで多くの課題を改善できました。
まずは、とにかく続けることを意識し、慣れてきたら徐々に負荷をかけて効率的なメニューを組んでいきましょう。
ただし、滑舌練習は筋トレと同じようなものなので、頑張りすぎて舌を痛めたり炎症を起こさないように注意が必要です。
基礎練習は地道で辛いものですが、やればやるほど確実に上積みされていくのでぜひこれらのポイントを意識してみてくださいね。
※【滑舌を良くする!】手軽で超効果的に改善できる絶対おすすめの練習(2019.10.28)
まとめ
というわけで、今回は滑舌を良くするおすすめの「舌トレ」についてご紹介してきました。
鍛えるべきポイントを絞って取り組むことで、これまで苦手としていた言葉がスラスラと言えるようになるかもしれません。
どこが問題でどう改善すべきかを探りながら、自然で明瞭な喋りを身につけていきましょう。
※不思議と滑舌が良くなる!絶対に噛まないための原稿チェック法【裏ワザ】(2020.03.20)
ライター:ゆうき