声優・俳優

独学で声優を目指すための効率的な方法

39_アートボード 1.jpg進路対策


昔に比べ、今では声優に求められることはとても多くなり、声優志望者もたくさんのことを学ばなければいけなくなりましたね。そうしたことから、声優学校や養成所に通うことも一般化していますが、今後あえて独学で声優を目指すことを検討する人も少なからずいるのではないでしょうか。

そこで今回は、独学で声優を目指すことのメリット・デメリットと効率的なアプローチ方法についてご紹介していきます。

独学のメリット

  • ●経済的な負担が少ない
  • ●自分のペースで学習できる
  • ●個人活動が自由に行える
  • ●実力によっては短期間で成果が出せる

まずは、独学で声優を目指すことのメリットについてですが、もっとも大きな利点は学費等の経済的負担が少ないことですね。卒業までに、多くの声優学校では250万程度、養成所でも100万円以上かかるところがほとんどです。くわえて、通学までの交通費や一人暮らしを始めるなら引っ越し費用や生活費なども必要となるため、学校生活を送るだけでもかなりのお金がかかってしまいます。

その点、独学であれば、ほとんどお金をかけることなく環境や時間の拘束もないため、自分のペースで学習スタイルを築くことが可能です。そして、個人で自由に活動ができるため、実力次第では早期に結果を出すことも可能ですし、様々なプロダクションにアプローチすることもできます。こうしたことから、共学よりも自発的に行動できる力が身につきやすく、自主性を培いやすい環境といえます。

独学のデメリット

  • ●学習方法が限られる
  • ●モチベーションを保ちにくい
  • ●人間関係が広がりにくい
  • ●バックアップやサポートがない

学校や養成所では、豊富なカリキュラムと実績のある講師陣によって、声優に求められる様々なスキルを養うことができますが、独学ではどうしても自ら取捨選択し練習メニューを決めていかなければいけないため、ときには学習スタイルが画一化してしまう恐れもあります。また、仲間同士で切磋琢磨できる機会が少ないため、モチベーションを維持するのが難しく、学びの視野や人間関係も広がりにくい難点があります。

オーディションや進路先を検討する際も、知識やスキル、さらにはこれといった肩書きがあるわけでもないのでどうしても不利になってしまいます。

独学での目指し方

トレーニング方法

以上のポイントを踏まえた上で、独学で目指すための効率的な方法やルートについて紹介していきます。

当然ながら、独学では自分で知識やスキルを磨いていく必要があるので、学校・養成所に通っている人と同等あるいはそれ以上の努力が必要になってきますね。自由とはいえモチベーションを保ちにくい環境でもあるため、日々計画的にトレーニングに取り組むことが大切です。

そこで、声優になるために絶対に欠かせないのが基礎的なスキルです。以下は、声優学校の1年目のレッスンで行うことですが、センスがある人は飲み込みが早く、半年や1年で作品オーディションに合格する人もいました。とくに、声と滑舌が磨かれていないとどんなオーディションでも落ちてしまうので、できる限り毎日取り組むことが重要です。

  • ●筋トレ
  • ●発声
  • ●滑舌
  • ●アクセント/イントネーション
  • ●感情解放
  • ●原稿・セリフ読み(表現・伝え方など)

ありがちなことですが、声優さんの声真似をしたり、自分の好きなセリフを喋ってなんとなく終わってしまう自主練習ではクセが付いてしまうだけなので、最初のころは基礎を徹底し量をこなすことが一番の近道だと思います。

声優志望者の必需品

独学あるいは学校・養成所に通うにしても、声優志望者が必ず持っておきたいものが「アクセント辞典」ですね。

代表的なものだとNHK出版と三省堂出版がありますが、どちらかでいえば放送用語に忠実なNHKのアクセント辞典がおすすめです。そのほかにも、「ICレコーダー(ボイスレコーダー)」や「トレーニングウェア」など、日頃の練習で使うものは揃えておくのがおすすめです。

アプローチ方法

プロダクションにアプローチする際には、自身のスキルと同様に活動実績も積み上げておくと有利になることがあります。これは声優に関するものでなくとも、学生時代の実績や自分にしかない特技などがそうですね。養成所や事務所に入っていない場合は比較的自由に活動できるため、各オーディションにも積極的に応募してみるといいかもしれません。

また、最近ではSNSYouTubeを利用して活動する人も多いため、あらゆる方法で事務所から"売れる"と思われる人材になることがポイントだと思います。

また、プロダクションに関してはできるだけ大手を目指すべきですが、直接所属となると現実的に難しいので、知名度や実績のあるところがおすすめです。所属オーディションの開催時期は不定期なところが多いですが、服装やプロフィール写真などはいつでも用意できる準備をしておくと安心ですね。

また、声優事務所へのアプローチ方法はオーディションだけとは限りません。

『鬼滅の刃』竈門炭治郎で有名な声優・花江夏樹さんは、テレビ番組『ボクらの時代』に出演された際に、過去にお金がなかったことが理由で学校や養成所には通わず、事務所に直接ボイスサンプルを送り、面接の結果プロダクションに入れてもらったと仰っていました。

現在では、学校や養成所が増えたことで珍しいケースではありますが、過去には劇団やワークショップ、演劇部などを経て事務所に入った方も少なくありません。

独学と共学の良さを活かす

独学で目指すことは決して不可能ではないとはいえ、学校や養成所ができたことにより声優になるハードルは非常に高いのが現実です。そこで、効率的に目指すには、独学だけでは足りない部分をワークショップやオンライン講座を利用して補うことです。とくに、声優の土台となる演技や原稿読みの基礎に関しては、なかなか自分一人では習得しきれない部分が多く、実際に見て聞いて実践できる環境、周りのアドバイスを受けられる共学の場は参考になることが非常に多いです。そうして得たのもを自分に還元し、オーディションや個人活動に活かしていくことでステップアップのきっかけになるのではないでしょうか。また、芸能界は人との繋がりによって思いがけないチャンスが生まれることもあるので、自身のレベルやステージにあわせて良いもの・足りないものは積極的に取り入れてみてください。

まとめ

昨今では、声優学校や養成所に通うことが当たり前になりましたが、必ずしもそれが決まった道ではありません。

個人の情熱と行動力で拓けるものはたくさんあって、将来、その経験が声優という個人事業主として活動していく際にもきっと役立つことになると思います。

ライター:ゆうき

RELATED

この記事に関連する記事