声優・俳優
人見知りでも声優に向いている理由
内向的な性格の長所とは
声優を目指す人の中には、家族の理解や経済的な問題など様々な理由によって悩みを抱える人は少なくないはずです。そして、なかには自身の性格から声優に向いているのか悩んだり、進路について周りに相談できない人も多いのではないでしょうか。僕自身も、家庭では無口で恥ずかしがり屋だったことから、以前似たような悩みを抱えていたのですが、実際に目指すことでこうした性格でも自分を変えることができ夢を叶えることができました。そして、今プロ声優として活躍する方の中にも、もともとこうした性格の人は多くいらっしゃいます。そこで、今回はそうした各声優さんのエピソードを交えながら内向的な人が声優に向いているポイントをご紹介します。
業界で求められること
みなさんは、よくネットの情報や周りの意見から、「こんな人が声優に向いている」という内容を見聞きすると思います。僕自身、それらは共感できることもあれば、必ずしも正解ではないと思うこともたくさんあります。一般的に、声優は"喋ることが仕事"ですし、毎回様々な現場でたくさんの人と接することが非常に多い職業です。また、どの事務所でも言われることですが、挨拶ができて礼儀が備わってなければ業界で活動していくことはできません。よく、オーディションや審査の募集要項の条件でも「最低限のコミュニケーション能力がある方」というのを目にしますよね。声優を目指す段階で、こうした社会人になる上での基本的な要素がないとどこへいっても審査ではじかれてしまいます。答えのない業界なので、逆に言うと、ここさえ備わっていればどんな人でも声優に向いていると思います。
- ●挨拶ができる
- ●礼儀や常識が備わっている
- ●最低限のコミュニケーション能力がある
内向的な人の強み
内向的な人の多くは、自分が口下手で神経質、そしてマイナス思考と感じることが多いかもしれませんね。ですが、見方を変えれば、想像力や危機管理能力が高いとも言えます。声優の仕事は、とりわけ人付き合いといった外向的な要素も必要ですが、反対に自分自身と向き合い、努力し、スキルを磨き続けられる要素も大いに求められます。そうしたときに、1日の仕事や課題、人間関係、心に感じたこと一つ一つを内省できるのは役者としてとても大きな強みです。相手の気持ちに深く寄り添い行動できる人は、時間はかかったとしても信用してくれる人は必ず現れます。そして、僕自身もそうだったように、たとえ今は口下手や人見知りだとしても、これからの熱意や周りの環境で変われることもたくさんあると思います。
プロ声優のきっかけ
金元寿子さん
『美少女戦士セーラームーン Crystal』水野亜美、『スマイルプリキュア!』黄瀬やよい役で有名な金元寿子さんは、以前はもっと人見知りだったそうですが、声優を目指したことが変わるきっかけになったのかもしれません。
ーーもともと、声優になりたいと思ったのはいつ頃ですか?
金元:高校3年生でそろそろ進路を決めなきゃってときに決めました。他の方々に比べると遅めですよね。アニメや海外ドラマが大好きだったので、声優っていう職業に興味はあったんですけど、しゃべるのが苦手だったんですよ、すごく。
ーー今はまったくそれを感じませんね。
金元:今よりもっと苦手だったんです(笑)。人見知りだし、いつもモジモジして。でも、声優の勉強をしたい気持ちが大きくなって、神戸の専門学校に入りました。お芝居を始めたのは専門学校に入ってからです。
引用:「金元寿子」声優インタビュー&ミニグラビア【声優図鑑】https://ddnavi.com/interview/280436/a/
奥野香耶さん
『Wake Up, Girls!』菊間夏夜、『冴えない彼女の育てかた』里見梓を演じてこられた奥野香耶さんは、大学への入学がきっかけでその後オーディションに合格されています。
ーー声優になるのは簡単ではないと感じたのはなぜですか?
奥野:高校の時、「声優の専門学校に行きたい」って親に相談したら、どうして?って言われたんです。私、家では全然しゃべらない子だったし、うまく説明もできず、すぐあきらめちゃったんですよね。でも今は、行きたかった大学に通えて良かったと思っていますし、夢を叶えることができて本当に幸せです。
引用:「奥野香耶」声優インタビュー&撮り下ろしグラビア【声優図鑑】https://ddnavi.com/interview/190713/a/
まとめ
みなさんは「なぜ声優になりたいのか?」と聞かれてすぐに答えられる人もいれば、答えられない人もいるかと思います。内向的な人は、自分の気持ちを言語化するのが苦手なことから、他人に自信がないように見られたり、意志が弱いと思われて損をしたケースもあるかもしれません。しかし、誰しも心の中には必ず動機や情熱があるはずで、内向的だからといって声優になれないわけではありません。多くの人は「答え」を求めがちですが、求められていることはとてもシンプルで、答えがないからこそおもしろい世界だと思います。
ライター:ゆうき