声優・俳優
声優学校が"ヤバい"と言われる理由について
学校の実態
声優を目指す人の中には、今後、声優学校への入学を検討し様々な情報を調べることも多いかもしれませんね。
しかし、ネット情報の中にはこうした学校に対してネガティブな感想や内容が書かれていることも少なくありません。僕自身、実際に学校に2年間通い、その後に養成所やプロダクションも経験したため、声優学校がどういったものか?をある程度想像することはできますが、これから通う人にとってはこうした内容から不安になることも少なくないのではないでしょうか?
そこで、今回は世間やネットで言われる「声優学校はヤバい」と言われる理由について、学校生活で感じた実態を交えながらご紹介していきます。
「声優学校はヤバい」の理由
あらかじめ前置きしておきたいことですが、声優学校が法律的にヤバいとかそういうことではありません。
しかし、僕自身が実際に通った中でイメージと違ったり、学校生活を通して痛感したこともたくさんありました。とりわけ、「高い学費」「レッスンの充実度」「卒業後の所属率」など、みなさんが懸念する部分をピックアップしてご紹介していきます。
学費
多くの学校(全日制)では、卒業までに230〜270万円程度の学費が必要で、入学を検討する上で高いと感じた人も少なくないはずです。他大学や専門学校に比べて就職に有利な資格も取りにくいですし、養成所に比べれば約2倍の金額ということもザラにあります。そして何より、卒業後に声優の職に就けない人の割合が圧倒的に高いことでしょう。さらに、奨学金や学費ローンを利用していれば卒業後も返済に追われることとなり、以後の生活においても経済的な負担がのしかかってきます。
こうしたことから、声優学校に通うということ自体かなり覚悟のいる選択ということがわかるかと思います。
レッスン
各学校には豊富なカリキュラムが用意されていますが、同じカリキュラムでも担当する講師が違えば指導法も違います。当然、アドバイスの口調も違えば、出来ないことに対してのアプローチや対応の仕方も異なりますし、受講する生徒全体への大きな影響力があります。どういった講師が適しているかは生徒それぞれですが、出来ていないことに気づかない、あるいは環境に甘えながら過ごしてしまうとあっという間に卒業ということになります。
僕自身も学校生活を送る中で、1回の授業の充実感や密度の違いをたくさん感じてきましたし、良い講師に巡り合えなかったら違った人生になっていたのではとさえ思っています。表向きではわからないことですが、それくらいレッスンの充実度には差があり講師がとても大切だということです。
卒業生の進路先
例えば、ホームページなどに記載されている卒業生の進路先や所属実績を参考にする人も多いのではないでしょうか。
各学校がどういった表記をしているかは別として、芸能プロダクションにも大小様々なところが存在します。
学校によっては特定のプロダクションと繋がりの強いところもありますし、毎年のように所属実績を出しているところもあります。しかし、大手声優事務所に絞れば年間の直接所属件数はかなり低く、年に数人程度といったところだと思います。
もちろん、直接でなくとも僕のように養成所などを経て所属した人を含めればもう少し割合は上がります。何を目標に据えて、どういった進路を選ぶかは人それぞれですが、自身の"希望先"へ行ける人はかなり限られるということは理解しておくべきです。
学校との関わり方
こうしたことから、世間的に声優学校へのネガティブな印象を持つ人も少なくないかもしませんね。
しかし、企業と消費者という立場に置き換えれば、そもそも学校は生徒を集めなければ学校運営は成り立ちません。とりわけ、養成所に比べれば広告も派手ですし、大手の学校であればたくさんの宣伝費を使っているところもあります。こうした"謳い文句"や"キャッチフレーズ"は、みなさんの日常生活でもたくさん目にすることだと思います。それをどう受け取って選択するか、提供された"もの"や"サービス"をいかに活用するかも生徒自身ということになるのではないでしょうか。
まとめ
高い学費や不確定な将来など、声優学校に通うことはとても大きな決断であり場合によってはリスクを伴うことにもなります。しかし、そのぶん充実した環境で多くのサービスを受けられるところが良さでもあり、それらを活かすことがとても重要だと感じます。
慣れてしまうと、日々"なんとなく"の学校生活を過ごしてしまう人が多いですが、その時にしか得られない貴重な体験ができるのも「声優学校のヤバい」ところではないでしょうか。
ライター:ゆうき