声優・俳優
声優学校で感じた悩みを時系列で紹介
入学前から卒業までの体験談
これから声優学校へ通う人のなかには、今後の学校生活に対して不安や悩みを抱えることも多いのではないでしょうか?
最近では、オンラインやオープンキャンパスなどで各学校の様々な情報を知ることもできますが、実際に通ってみて感じることもかなり多かったりするんです。僕自身も、過去にそうした学校生活を通して実感したことや生まれた悩みがたくさんありました。そこで、今回はこれから声優学校へ通う人に向けて、僕自身が学校生活で感じた具体的な悩みや経験談などを入学から卒業まで紹介したいと思います。個人的な見解ではありますが、みなさんが今後の学校生活のイメージを少しでも掴んで参考にしていただけたら嬉しいです。
声優学校に入って感じた悩み
入学前
入学を控えて思うのは、学校にはどういった人たちが集まるのか?レッスンについていけるのか?といった、今後の身の回りの出来事や人間関係といったことになるかもしれませんね。僕自身は声優を目指したのが22歳とやや遅かったこともあり、「周りとどう接していこうかな...」とか「実際のところこの年齢で目指して所属できるんだろうか?」など、この点が一番ネガティブ要素でした。その他にもいろいろありましたが、誰でも自身のコンプレックスで悩んでいることはあるかと思います。しかし、実際に学校生活が始まってみてるとこういった悩みを感じることは徐々に少なくなっていきました。というのも、周りの人とすんなり打ち解けられたことや学校の雰囲気に慣れたこと、そして、それどころではないほどレッスンの課題で目の前には新たな問題がたくさん降りかかってくるからです。今ある悩みを解消するポイントは、入学後はレッスンに欠かさず出席し、周りと協力し、日々鍛錬を積み重ねていくことです。そうしてステップアップした先に、また新しい問題に挑戦できるはずです。
入学後
入学後は、クラスメイトとコンタクトを取る機会がとにかく多くなります。そのほとんどは先述したレッスンの課題練習などですが、入学して間もない頃だとアクセントの確認やセリフの掛け合い、簡単な体操やダンス練習などかもしれませんね。正直、授業以外で顔を合わせることの方が多いくらい仲間内で練習する時間が多くなると思いますが、なかには徐々にフェードアウトしたりモチベーションが落ちる子も必ず出てきます。そうしたことで、練習の取り組み方や人間関係に悩む時期ではありますが、「和して同せず」という言葉があるように、周りに合わせつつも流されない一線を引いておくことはとても大切です。
1年次
入学して半年が経つ頃には、学校生活にも慣れてきて少しずつ周りが見えるようになってきます。レッスンでも発声や滑舌といった基礎から次第に一つの舞台作品を想定した「立ち稽古」が入ってきて、セリフを使った表現方法について考える機会も出てくるかもしれません。この頃に感じた大きな悩みは、これまでに染み付いた"自分のクセ"を治すことです。感情を入れてセリフを喋ろうとすると、滑舌が悪く早口なったり、声がこもって小さくなってしまったりと、意識していないとつい出てしまう自分のクセがたくさんありました。その他にもクラスの中には、セリフになるとアクセントが違う子、立ち姿・動き方が登場人物ではなく"自分のまま"の子など、個々の課題は様々です。レッスンに慣れてきたとはいえ半年程度では治っていないことは実に多くあるので、指摘された細かい課題と向き合うことがかなり増えてくると思います。また、この時期にはじめてオーディションを受けのですが、大勢の業界関係者の前で緊張した思い出があり、ゼロから自分自身をアピールしていくことの難しさを実感した時期でもありました。
2年次
在学2年目になると、カリキュラムは基礎から発展へと移行していきます。「発声・滑舌」「演技基礎」といったことから、「舞台演習」「アフレコ実習」「ナレーション」「ラジオドラマ」といった実践に近いものが多くなります。今でも思い出に残る失敗談は、率先してクラスの誰よりも先にアフレコに挑戦できたのですが、台本のセリフを見落とし、口パクに合わず、さらにマイクに声が当たってなかったりと、かなりボロボロだったので悪い見本として紹介されましたね...。このときの担当講師はとても厳しく、プライドをへし折られたり心をえぐられる経験もたくさんしました。でも、それが悔しさや危機感となって頑張れたこと、さらに声優としてのスキルだけでなく人間的な魅力の大切さを教えられたことなど、これは今でもとても大きな財産です。今後、みなさんも恩師と呼べるような人に出会えるかもしれませんが、そうした瞬間は長い人生において貴重な時期であり、言葉や出来事など心に残り続けるものがとても多くあるはずです。ステップアップするほど、厳しい環境であればあるほど悩みは多くなりますが、たくさん失敗を経験できるときが成長のチャンスなのかもしれません。
卒業前
日々、目の前の課題に取り組んでいるうちにあっという間に卒業が近づいてきます。この時期になるとレッスンの集大成となる「卒業制作」あるいは「卒業公演」といったことに加えて、今後の進路やオーディション対策なども並行して行なっているので学校生活でもっとも忙しいときかもしれません。しかし、一つの作品とじっくり向き合いクラスメイトと切磋琢磨することで大きく成長できるのが卒業制作の醍醐味でもあります。また、進路に関しては僕自身わりと早い段階で決まったこともあり悩む時間は少なかったですが、なかには3月に入って進路が決まってない子も少なからずいたりします。卒業制作、進路、オーディションなど、やるべきことがとても多い時期ですが、今の自分を客観的に見つめ直しそれぞれの課題に対処していくことが大切です。
まとめ
というわけで、今回は声優学校で感じた悩みや体験談をご紹介しました。
子供の頃や思春期の悩みなどは今思えば小さな出来事だったりしますが、当事者にとってそれは大きな悩みだったりしますよね。悩みや不安を抱えやすいのは、前向きに考えると思慮深く準備や対策が打ちやすいということですし、その都度プレッシャーと戦った経験は将来必ず役に立つことだと思います。また、仮に大きな挫折を味わったとしても、この学校生活がすべてではないことを知っていると心の支えになるかもしれません。
ライター:ゆうき