声優・俳優
演技未経験者のための声優学校・養成所の選び方
おすすめの進路先について
これから学校や養成所を検討する上で、自身の演技経験を気にする人は意外と多いのではないでしょうか。どんな習い事にしても、スタート時点では初心者より経験者の方が技量や知識などにおいては有利だったりしますよね。しかし、こうしたレベルの差は個人の行動次第でいくらでも挽回できたりするもので、僕自身も以前学校や養成所に通っていた頃にそうした人をたくさん見てきました。そこで、今回は演技未経験者が今後上達するための進路選択のポイントを押さえつつ、おすすめの進路先についてご紹介していきいます。
各学校・養成所の入所条件
進路先を検討する上で、まず確認しておきたいのが経験による応募条件です。現在では、多くの養成機関があり様々な条件のもと募集が行われていますが、基本的に未経験でも入学できるところがほとんどです。ただし、一部の養成所や特定のコースが設置された学校・スクールなどは、他学校・養成所等で履修経験があることを条件に定めているところもあり、半年〜2年程度またはそれと同等の技能を有していることが求められるケースもあるので募集要項を必ず確認しておきましょう。また、養成所にみられる、いわゆる"飛び級"での入所や編入に関してもこうした条件が多いので、未経験者の場合は書類審査の時点で弾かれることもあったりします。
学校と養成所の生徒の印象
未経験者であっても豊富な選択肢があるものの、入学後にどういった生徒が集まっているかは実際に通ってみないとわからない部分も大いにあるかと思います。とはいえ、ざっくりでも知りたいという人もいるかと思うので、以下では、学校・養成所にそれぞれ通って感じた印象をまとめてみました。経験の有無も含めて、それぞれ生徒の特徴が少し違っていたりもするので参考にしてみてください。
【声優学校(全日制)】
- 経験:未経験者が圧倒的に多い
- 年齢:18〜20歳前後が中心
- 競争意識:全体的に低め
【声優養成所】
- 経験:経験者がやや多め
- 年齢:18〜25歳前後が中心
- 競争意識:全体的に高め
声優学校では、生徒それぞれで意識に差があることからそれが後々技量として現れることが多く、卒業時にはそのままプロダクションや養成所へ進む人と別の進路先を検討する人で別れるケースがほとんどです。また、各クラスごとで見ても、まとまりのあるところ、そうでないところがはっきりしているところが多いですね。反対に養成所では、年齢が高めであるからか個々の競争意識や目的意識がしっかりしている人がほとんどで、クラスごとにまとまる際も高いモチベーションで団体行動がしやすかったです。学校・養成所の違いや特徴について、以下の記事ではさらに詳しく紹介しているのでこちらもぜひ参考にしてみてください。
ここまでのポイントから、今後の進路を「学校」あるいは「養成所」のどちらで検討していくかなんとなくイメージが掴めてもらえたら嬉しいですが、それでも慎重に選びたい人も多いと思うのでもう少し深掘りしつつおすすめのアプローチ方法について書いていきたいと思います。
学校と養成所にはそれぞれのメリット・デメリットがありますが、基礎からじっくり学ぶのであれば全日制の声優学校、希望のプロダクションに対してなるべくお金や時間をかけず学びたいのなら特定の養成所を選択するのがいいです。
こんな養成所がおすすめ
そこで、どういった養成所を選ぶべきか?ですが、レッスンの回数や時間、基礎カリキュラムの充実度、さらには20人以下の少人数制クラスであれば未経験者でもより効率よく学ぶことができるはずです。また、未経験者としては入所して進級審査までに最低でも1年余裕があるところが望ましいですし、ある程度倍率の高い養成所でないと競争力も学校とあまり変わらないので、このあたりを意識して探してみるといいかもしれません。
- 所属先が希望と合致している
- 知名度がある
- 少人数制を採用している
- レッスンや基礎カリキュラムが充実している
- 入学から進級審査まで十分な期間がある
これらのポイントが多く当てはまるほど未経験者にとって理想的な環境といえますし、所属先のプロダクションに足りない・強みを伸ばせる人材であるほど審査で有利に働く可能性があります。養成所をチェックすることとあわせて、所属先プロダクションの"中身"を調べておくとそれぞれの違いが見えてくるかもしれませんね。
アプローチの注意点
声優学校に比べ、多くの養成所では体験説明会などを開催する頻度が少ない傾向にあります。とくに大手や人気養成所だと年間を通しても数回程度といったところなので、希望する養成所のホームページはこまめにチェックしておきましょう。また、入所審査の開催時期も各養成所で異なるため、例年の傾向を読んでプロフィール写真や服装などを準備しておくと安心です。
- シーズン:9月〜3月初旬(翌年4月開講の場合)
- 募集から締切まで:2週間〜1ヶ月程度
- 審査から合格通知まで:1〜2週間程度
- 養成所によって複数回開催されるケースあり
おすすめの進路先
【養成所】
- 青二塾 (青二プロダクション)
- マウスプロモーション附属俳優養成所 (マウスプロモーション)
- シグマ・セブン声優養成所 (シグマ・セブン)
- 日本ナレーション演技研究所 (アーツビジョン、アイムエンタープライズなど)
【学校・スクール】
- ヒューマンアカデミー
- アミューズメントメディア総合学院
- 代々木アニメーション学院
- 東京アナウンス学院
- 日本工学院専門学校
これらの機関は、実績も高く未経験者でも基礎からしっかり学べる環境だと思います。
もちろん、いずれの養成所も入所審査を通過するのは困難ですが、仮に不合格だったとしても今後の貴重なオーディション経験になりますし、声優学校への進学もあわせて検討できればより安心な進路選択ができるはずです。
まとめ
というわけで、今回は演技未経験の声優志望者におすすめしたい進路選択のポイントや進路先についてご紹介しました。
進路を決めることは自分自身の将来を形作っていくことでもあり、これから見る景色や出会う人はそうした自分の選択から生まれてくることかもしれません。そして、進んだ先で自分が日々をどう過ごしていくかというのもとても大切なことだったりしますよね。僕自身も、実際にたくさんのものに出会えたことで思うのは、経験者だろうと未経験者だろうと長く広い目で見ればそれは微々たる差でしかないということです。今ある悩みや入学後に生まれる悩みなど、たくさん出てくるかもしれませんが、一歩一歩地道に取り組んでいけば必ず上達するので、ぜひ納得のいく進路で充実した学校生活を送ってください。
ライター:ゆうき