声優・俳優
声優学校・養成所の入学前にやるべきトレーニング
声優学校・養成所では、新年度から新たにレッスンがスタートするように、これから入学を控える新入生も多いのではないでしょうか?
しかし、「進路先は決まっても入学まで何をすべきか?」と思い悩む人もいるかもしれません。
そこで今回は、専門学校と養成所を卒業した僕の経験から、入学前に必ずやっておいてほしいトレーニングを紹介していきます。
各養成機関でカリキュラムは異なるものの、ここで紹介することは入学前に重点的にやったほうがいいなと思った項目です。
新生活が始まれば何かと忙しくなるので、ぜひ今のうちに実践してみてください。
入学前の経験談
いざ入学が目前に迫るといろいろなことを考え毎日がソワソワしますよね。
実際のところ、学校生活がはじまれば周りは知らない人だらけで、はじめて取り組むレッスンには想像以上のエネルギーを使います。
僕も、入学前には同じような気持ちでただただ漠然と自主練習に励み、当時は声優関連の教則本を買って発声や滑舌などをやったのを覚えてます。
ですが、いざ入学して「この練習をもっとやっておけばよかった!」「入学前にできたのに...」と後悔することもたくさんありました。
しかし、授業が進むにつれて課題がどんどん増えてしまえば、本来やるべき基礎の部分がおろそかになってしまうんです。
だからこそ、入学するまでにこうした基礎トレーニングをやってほしいと思っています。
基礎の重要性
実際のところ、どこの学校・養成所へ行っても基礎レッスンは必ず存在し、まず最初に行うことでもあります。
この基礎ができていないままズルズルいくと、レッスンが辛くなったり自分のクセを治すことに時間がかかってしまいますね。
そうしたことがないように、以下ではよりスムーズに学校生活に順応できるためのおすすめ基礎トレーニングを紹介していきます。
入学前おすすめ練習
①ストレッチ・筋トレ
レッスンのはじめのうちはかなり肉体的な訓練が多いです。
そのため、初日で筋肉痛になったり息切れしてしまうことのないように、今後のレッスンについていける体づくりは必ず行ってほしいです。
ストレッチや筋力トレーニングなどがそうですが、これは代謝を上げるウォーミングアップにも最適です。
行う際は、深い呼吸を意識してストレッチ、腕立て伏せ・腹筋・背筋といったようにメニューを組んで取り入れていくと効果的ですね。
②姿勢矯正
すぐには治らないからこそ、早いうちから矯正しておくことがおすすめです。
姿勢が良いことで声が通りやすくなることはもちろん、オーディションや審査での印象アップにも繋がりますね。
意外とできていない人が多いからこそ、見た目が違うだけで目立てるアピールポイントにもなります。
そこで、以下の壁を使った矯正トレーニングがおすすめで、3分間背中をつけてまっすぐ立ってみましょう。
毎日続けていくと徐々に姿勢が矯正されていきます。
【壁トレーニング】
- 顎を引く
- 両足を肩幅程度に開く
- 後頭部をつける
- 肩甲骨をつける
- お尻をつける
- かかとをつける
※【声優オーディション合格対策】第一印象の重要性とおすすめの姿勢トレーニング(2020.11.24)
③発声・滑舌
声の仕事を目指すならば、必須のトレーニングが発声・滑舌ですね。
とはいえ、間違った発声や発音を身につけてないよう正しいアプローチを心がけましょう。
まずは、発声の基礎となるブレストレーニングからスタートするのがおすすめです。
声と滑舌が磨かれることで、オーディションの結果も大きく左右されるくらい重要なポイントなので毎日声を出すことが大切です。
※【ブレストレーニング】自宅でできるおすすめの音を出さない練習5選(2021.04.18)
※【滑舌を良くする!】手軽で超効果的に改善できる絶対おすすめの練習(2019.10.28)
④読書
読書から得られるものは多く、僕が過去に教わった講師の中にも読書を勧める方はたくさんいました。
実は、たった一冊の本でも読み方一つでかなり多くのことが学べます。
原稿読みに活かされる文字慣れや読解力だけでなく単語知識や著者の思想などなど。
そして、なによりおすすめは本の要約を自分なりに文字にして書き残しておくことです。
登場人物の心情、作者の伝えたいこと、自身の感想などなど。
学んだことやそのときの感情を文字にし整理することで今後のお芝居に活かせる「引き出し」が生まれますね。
もちろん、映画やアニメといった映像作品も参考になりますが、それとあわせて文字だけで想像力を養える読書もスキルアップに繋がります。
好きなジャンルを中心に、自分が知らない分野の本や新聞なども読んでみると知見が広がります。
※【演技力アップのための読書術】声優志望者におすすめの本の読み方6ポイント(2021.05.24)
⑤耳トレ
「耳トレ」と聞いてあまりピンとこないかもしれませんが、耳が良いことは声の仕事に大きく役立ちます。
例えば、レッスンで講師が喋る模範の音を一度聴いてなぞれる人は、それだけ自分に落とし込みやすいですし、スキルアップしていくことですぐに再現できる対応力にも繋がります。
発声といったアウトプットの力だけでなくインプットの感覚も磨いておくことで、学習の上達が格段に早くなるのでプロの声を研究する上でも耳の良さはとても大事なことだと思います。
※【耳トレ】声優志望者のための耳を鍛える知識と練習法(2019.07.31)
⑥自己管理
自己管理は、体調にお金や時間など、すべてここが土台になって学業に専念できますよね。
そのくらい根本的な要素で、僕としてはかなり大事なことだと感じました。
というのも、学校でも現場でもそうですが、風邪で休めば共演者やスタッフに迷惑がかかることになります。
私生活が乱れると喉や体調を崩すことにも繋がるので、生活の軸を決めたうえで心と身体をケアしておきましょう。
あわせて、身の回りのことまで管理できるような生活を身につけておくことが大切ですね。
※【セルフマネジメント】プロ声優になるための一人暮らしのコツ(2019.10.13)
最も大事な心構え
ここまで、いくつかおすすめの練習メニューを紹介してきましたが、案外いちばん大事なことは心構えだったりしますよね。
もちろん、みなさんそうした覚悟があって声優を目指すわけですが、これを実践的に行動に移せるかがものすごく大事だと思ってます。
声優・ナレーターとして、『マジンガーZ』『NARUTO-ナルト-』や『水戸黄門』に出演された柴田秀勝さんも以下のように仰っていますね。
それから、今日から「俺は声優だ」「私は声優だ」というイメージをもって生活してください。
(中略)
たとえば田中さんだったら「私は俳優・田中だ」と意識して、エレベーターのボタンを押す、飯を食う。
(中略)
俳優を志す者にとっては日常生活で見る・聞くすべてが修行と考えてください。将来あなたがその「引き出し」から演じるとき、それはあなたしかもっていない個性に生まれ変わっているでしょう。
引用:『声優道 名優50人が伝えたい仕事の心得と生きるヒント』p.176,177 柴田秀勝 出版:主婦の友インフォス
まとめ
というわけで、今回は入学前におすすめのトレーニングを紹介しました。
いざ入学したらレッスンで一喜一憂の毎日ですが、今からできる準備をしておくことできっと学校生活でも役立つことが多いと思います。
ぜひ、今後のトレーニングに活かしてみてくださいね。
※【声優学校・養成所】入学後の生徒の雰囲気や授業ってどんな感じ?(2019.11.30)
ライター:ゆうき