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【原稿チェック術】噛まないための裏ワザ

86.jpg原稿読み対策

声優やナレーターを目指す人にとって、避けては通れないのがセリフやナレーションの「原稿読み」ですね。

ですが、どんなに気をつけていても誤読や言い間違いで噛んでしまうことも少なくないはずです。

日頃の滑舌や原稿読み練習である程度克服できるものですが、そうしたミスを最小限にしていくためには原稿を自分の読みやすいようにアレンジすることが大切です。

というわけで今回は、噛まないための原稿チェック術についておすすめの方法をいくつかご紹介していきます。

僕自身も、普段原稿を読む中でかなり重宝していて、実践でも必ず役立つ裏ワザ的な方法なのでぜひ活用してみてください。

チェックのポイント

原稿チェックでは、見やすいようにアレンジすることももちろん大切ですが、実際の仕事現場やオーディションではチェックに避ける時間があまりないケースも多々あります。

そこで、わかりやすさスピード感を重視することがおすすめです。

普段から「こういうパターンはこう書き直す」といったようなルールを決めておくといいかもしれません。

それでは、以下の方法を参考に実践してみてください。

噛まないための原稿チェック術

カラーチェンジ

普段、黒のボールペンやシャープペンシルなどを使っていると、原稿の黒文字と被ってしまいわかりにくくなりますね。

そこで、チェックの際に使うペンは赤やオレンジなど明るめの色を使うと見やすくなります。

さらには、片手で素早く手直しできる細めのフリクションを用いるのがおすすめです。

カラーは数種類揃えておくとチェックのバリエーションも広がるはずです。

線・囲み枠の活用

噛みやすいと感じた部分には、自分なりにわかりやすい記号やマークをあててチェックをしていきましょう。

斜線(/)でそれぞれの語句を区切ったり、波線()を引いてゆっくり読む、強調すべき部分や大切なセンテンスには囲み枠(○)ではっきりと囲っておくと差別化しやすくておすすめです。

また、原稿には句読点が振られていますが、それが必ずしも正しいとは限りません。

実際に読んでみて不自然と感じるところには、自然に読めるように手を加えていくのも大切です。

斜線で区切って一拍または半拍の間を取ったり、囲みで繋げて読むことも誤読を減らす一つのポイントです。

【おすすめ例】

  • → (平板)
  • ↘︎ (頭高)
  • ↗︎↘︎ (中高)
  • ↗︎ (尾高)
  • (ゆっくり)
  • (区切り、間)
  • ○ (強調、一括り)

ふりがなを添える

原稿内には、固有名詞や人名や地名、さらには難読漢字やカタカナなどが頻出することもありますね。

こうした文字に弱いという人は、ふりがなを添え文字の間隔をあけてアレンジすることがおすすめです。

例えば、以下のような形ですね。

『手術、技術、施術』

しゅじゅつ、ぎじゅつ、せじゅつ

『旅客ターミナルエリア』

りょかく たーみなる えりあ

漢字やカタカタよりも、シンプルで見慣れているひらがなの方が読みやすい印象を受けると思います。

複雑な文字ほど、こうしたアレンジで確実に噛む確率を減らせるのでおすすめです。

改行アレンジ

台本や原稿のページの変わり目、または文章の改行が中途半端だと先の文字が見えにくく間違えやすいですよね。

そうしたときには、改行部分を読みやすいように書き加えてみましょう。

そして私は活動写真の看板画が奇体な趣き

で街を彩っている京極を下って行った。

例えば、こちらの文章だと「趣きで」の部分で目線が一瞬外れてしまい「で」の繋がりが不自然になってしまうことがあります。

そのため、以下のように修正するとわかりやすいはずです。

     そして私は活動写真の看板画が/奇体な趣き

奇体な趣きで街を彩っている京極を下って行った。

改行の冒頭部分、あるいは改行前の末尾に文章を書き加えて、適切なポイントで間を取れるようにすると呼吸も繋がりやすく自然な読みになるはずです。

原稿を俯瞰する

読みにくい部分や噛みやすい文章があると、どうしても前のめりになって文章を追いかけてしまいますよね。

しかし、それでは声が下へ向かって相手にも伝わりにくくなってしまいます。

そうしたときは、今よりも原稿との距離をとって文章全体を俯瞰して読んでみましょう。

肩の力が抜けて読み間違いも減らせるので、原稿チェックとあわせておすすめな実践アプローチです。

まとめ

というわけで、今回は噛まないためのおすすめ原稿チェック術を紹介しました。

いろいろ書いてはきましたが、やはり一番効果的なのは自分自身が活字に慣れることですね。

新聞読みや読書など、あらゆるジャンルの言葉に触れることで目も頭も文字に慣れるはずですし、気になった読み方やアクセントなどはすぐに調べるクセをつけておくことが大切です。

その上で、ここで紹介した方法を参考に、自分なりの原稿チェックの方法を身につけてみてくださいね。

【現場で活きる】声優・ナレーターの初見読み上達法(2019.08.09)

ライター:ゆうき

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