声優・俳優
声優を独学で目指すときのおすすめトレーニング
全国には30万人の声優志望者がいると言われますが、そのなかには現在、学校や養成所に通わず独学で目指す人も多いと思います。
しかし、いざ目指すとなると「日々どんなことをすればいいのか?」「これで正しいのか?」といった疑問や悩みが生まれやすくなり、目的意識や今後の方向性がわかりづらくなるのが独学の難しいところですよね。
そこで今回は、過去に声優学校や養成所へ通いプロダクションに所属した僕の経験から、実際に重要だと感じたスキルや練習メニューを厳選して紹介していきます。
ぜひ、今後のスキルアップの参考として役立ててみてください。
独学のアプローチ方法
昨今、声優には様々な要素が求められますが、実際のところ必要なものはそこまで多くなくて、絶対に習得しておくべきものは基礎スキルです。
例えば、声優学校を卒業して大手養成所へ合格する人はこの基礎力がしっかりと磨かれている人がほとんどです。
ただし、「バラエティ番組に出たい」「ステージに立って歌って踊りたい」という声優志望者はマイナスのスタートだと説明する。
「時代が変わっても、求められる声優は昔と変わりません。まずは、お芝居を勉強して、しっかりと基礎を作ってほしい。それに付随して自然と仕事がメディアミックス化していくんです」
引用:東スポweb "日本一忙しい"浪川大輔が明かす声優業界2つのNG (https://www.tokyo-sports.co.jp/entame/1222483/)
声優として活躍される浪川大輔さんの言葉にもあるように、一にも二にもまずは基礎を作らないことには、オーディションで合格することも、長く活動していくことも難しいということです。
以下では、そうした基礎力を身につけるための練習を紹介していきます。
※【独学で声優】通わずに学ぶ新しいルートについて(2019.11.04)
独学で目指す人のおすすめ練習
筋トレ&ストレッチ
毎日のトレーニング継続に欠かせないのが体力作りですね。
実際、養成所などのレッスンでも基礎の段階でかなりハードな肉体訓練があるように、体力や筋力をつけることで練習効率をアップさせることができます。
ウォーミングアップとして、代謝を上げるストレッチや筋力トレーニングを取り入れるのがおすすめです。
ブレストレーニング
発声には、腹式呼吸や呼吸のコントロールが欠かせません。
ブレストレーニングでは、そうした基礎スキルを身につけられるだけでなく、リラクゼーション効果や集中力を高めるアプローチも可能です。
以下では、自宅でできるブレストレーニングを紹介しているのでぜひ参考にしてみてください。
※【ブレストレーニング】自宅でできるおすすめの音を出さない練習5選(2021.04.18)
発声練習
毎日欠かさず磨いて欲しいのが、今後自分の名刺代わりや商売道具にもなる「声」ですね。
声優としての正しい発声を身につけるまでには時間がかかることもありますが、コツを掴めば誰でも習得できるものです。
以下では、腹式呼吸から鼻腔共鳴による発声のコツをわかりやすく解説しています。
※【発声練習】姿勢から意識まで、筆者が実感して身につけた方法を紹介(2019.07.16)
滑舌練習
簡単なようで難しいのが滑舌で、みなさんそれぞれに苦手な音があると思いますが、唇や舌、歯や息の使い方など、どこが原因かを追究し改善することで確実に良くなっていきます。
また、つい出てしまう方言や訛りといった"喋りのクセ"を治しておくことも大切ですね。
アクセントの基礎知識や正しい発音を身につけておきましょう。
※【滑舌上達法】練習のコツやおすすめグッズまでをまとめて紹介【まとめ】(2020.11.16)
表現のアプローチ
声優にとってセリフや原稿読みは欠かせませんが、慣れないうちは「棒読み感」や「素人っぽさ」を感じることもありますよね。
学校や養成所のレッスンには、よく「感情解放」と呼ばれるカリキュラムがあるように、まずは表現することに対して恥ずかしさや余計な思考を取り除くことが成長の近道です。
頭よりも先に、心と体が動くような表現が自然なアプローチに繋がります。
※【セリフ・ナレーション】表現力を鍛えるために一番おすすめの練習(2020.07.16)
複合練習
上記の練習が最低限磨くべき基礎になりますが、これらを総合的に実践できるおすすめの練習が「外郎売」の暗唱です。
ウォーミングアップから言葉を立てて伝える技術まで、幅広く網羅したパターンを紹介しているのでぜひこちらも試してみてください。
※外郎売の練習で絶対におすすめの方法6パターン【原稿読み上達】(2020.06.20)
声優志望者の必需品
独学あるいは学校・養成所に通うにしても、今後持っておくと必ず役に立つのが「アクセント辞典」です。
NHKと三省堂から出版されているものが有名ですが、どちらかでいえば放送用語に忠実なNHKのアクセント辞典がおすすめです。
そのほかにも、「ICレコーダー(ボイスレコーダー)」や「トレーニングウェア」など、日頃の練習で必要と感じたものを持っておくと安心ですね。
※声優志望者に絶対おすすめの便利アイテム10選!【経験者談】(2020.10.12)
まとめ
というわけで、今回は独学で声優を目指すときに実践すべきおすすめのトレーニングを紹介しました。
ここで紹介した内容は、ほんの一部ではあるもののとても重要な基礎スキルです。
そして、役者は日常生活の体験から学べることも無限にあり、例えば、他人の会話や仕草も意識を変えるだけで演技の引き出しになります。
独学で目指すことには難しさもありますが、将来声優活動に欠かせない要素となる自主性を養える時間でもあるので、自分なりの方法で良いものを取り入れ磨いていきましょう。
それから、今日から「俺は声優だ」「私は声優だ」というイメージをもって生活してください。
(中略)
たとえば田中さんだったら「私は俳優・田中だ」と意識して、エレベーターのボタンを押す、飯を食う。
(中略)
俳優を志す者にとっては日常生活で見る・聞くすべてが修行と考えてください。将来あなたがその「引き出し」から演じるとき、それはあなたしかもっていない個性に生まれ変わっているでしょう。
引用:『声優道 名優50人が伝えたい仕事の心得と生きるヒント』p.176-177 (柴田秀勝) 出版:主婦の友インフォス
※夢を追うことの現実と挑戦について(2019.11.15)
ライター:ゆうき