声優・俳優
【マイクの基礎知識】声優・ナレーター志望者のマイクの使い方
声優の仕事でもっとも有名なのがアフレコ収録ですが、その際に求められる技術として「マイクワーク」が挙げられますね。
そのため、声優学校や養成所へ行けばマイクへの声のあて方は必ず教わることですが、マイクそのものを知る機会というのは意外と少ないです。
今では個人でマイクを購入する人も多いだけに、マイクはより身近なものになっていますよね。
そこで今回は、声優やナレーターを目指す人に向けたマイクの基礎知識についてご紹介します。
知っておくと役立つマイクの特性や現場での鉄則などを紹介していくので、ぜひこの機会に参考にしてみてください。
マイクの種類
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【マイクの種類】
- ダイナミックマイク(写真左)
- コンデンサーマイク(写真右)
- ピンマイク
- ヘッドセットマイク
- ガンマイク
みなさんも一度は目にしたことがあるかと思いますが、マイクには主に上記のタイプが存在し、広く使われるのは写真のダイナミックマイクとコンデンサーマイクになりますね。
よく、ライブやコンサートなど屋外で使用されるのがダイナミックマイクで、耐久性と汎用性に優れているのが特徴です。
コンデンサーマイクは、収録スタジオなどの屋内使用を目的に作られていて、ダイナミックマイクに比べて衝撃や湿気に弱いものの感度や音質に優れているのが特徴です。
とにかく音をよく拾うため、収録の際はなるべく音を立てずに30cm程度離れて声を当てるのがマイクワークの理想とされています。
どちらにも長所・短所はあるものの、今回は一般的な収録スタジオで使われている「コンデンサーマイク」について詳しく解説していきます。
コンデンサーマイクの特性
指向性
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【指向性の種類】
- 単一指向性 (カーディオイド)
- 双指向性
- 無指向性
マイクには、「指向性」と呼ばれる集音レンジが存在し、これは声を拾うおおよその向きを示したものです。
指向性には、主に「単一指向性(カーディオイド)」「双指向性」「無指向性」があり、機能性の高いマイクは複数の指向性切り替えが可能となります。
ただ、ほとんどのマイクに搭載され、収録でも採用されているのが「単一指向性」であるため、収録時にマイクの正面に声を当てなければいけない理由はここにあります。
もちろん、斜めから声を当てても音を拾ってくれますが、真正面に比べるとやや声の入りや悪くなります。
またラジオ収録など、複数で1本マイクを使用する際は「双指向性」や「無指向性」が採用されることもありますね。
ダイアフラム
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マイクをじっくり観察していくとわかるかもしれませんが、網目状になっている内部のところに薄い円形の板が搭載されています。
これが「ダイアフラム」と呼ばれるもので、実はこの丸いパーツが声を拾う役割を果たしています。
したがって、収録の際は漠然とマイク本体に喋るのではなく、基本はこのダイアフラムに向かって声を当てる意識を持っておくといいですね。
また、大声で張るセリフなどはダイアフラムに音圧がかかり過ぎないようしっかり外すことが大切です。
また、アフレコの際に、他のキャストに比べて自分の身長が極端に高い・低い場合はマイクの高さが合わないこともあります。
そうした身長差をできるだけ補えるように、収録に合わせた靴や履物を用意しておくのがおすすめですね。
収録現場の鉄則
ここまで解説してきたように、コンデンサーマイクは音にも衝撃にも非常に繊細な機材で、高さや向きが少し変わるだけで収録される音のバランスも変わってきてしまいます。
そのため、収録現場では演者がマイクやスタンドなどに勝手に触れてはいけない鉄則があります。
もしも、要望がある場合は、マイクを通して必ずミキサースタッフさんにお願いするようにしましょう。
その他にも、服装・アクセサリーは音の鳴らないもの、飲み物は溢れない容器(ペットボトルなど)といったように、音や湿気には細心の注意を払いましょう。
まとめ
というわけで、今回は声優・ナレーター志望者に知ってほしいコンデンサーマイクの基礎知識をご紹介しました。
普段あまり馴染みのないことかもしれませんが、今後どこかのスタジオへ収録に臨んだときにはこうした知識が役立つかもしれません。
自分の声を再現してくれる機材だからこそ、上手に使いこなしていきましょう。
※カフボックスとは?声優・ナレーター志望者が知っておきたい基礎知識(2020.09.19)
ライター:ゆうき