声優・俳優

声優になるために実践したい7つの心得

73 (1).jpg社会人としての心構え

声優に求められる要素を挙げれば様々なことがありますが、とかく上達する方法やオーディションに受かるコツなどに注目する人も多いかもしれません。

もちろん、こうした基礎スキルも大切なのですが、声優活動は必ずしもスタジオの中だけではありません。

声優業に限らず、多くの業界は「人付き合いの世界」であって、人間的な魅力や信用が仕事に直結してくることがとても多いです。

そこで今回は、声優を目指す人が実践すべき7つの心構えを紹介します。

実際に、僕自身が学校・養成所、業界経験を通して学んだことですが、確実にみなさんのプラスになることなのでぜひ実践してみてください。

声優に大切な社交術

魅力や信用と言うと少しわかりにくいので、もう少し具体的なアプローチとして人間関係を築く社交術と思ってもらえればいいかもしれません。

声優は基本的に仕事を受ける側の立場になるため、技術が優れているからといって仕事が入ってくるわけではなく、逆にスキルが劣っていても、人付き合いが上手なことが一つの武器になることもあります。

NARUTO-ナルト-』三代目火影役や『水戸黄門』のナレーションでお馴染みの柴田秀勝さんも役者として成功する要素に社交術を挙げていますね。

この世界は人間が人間を使います。

うまい、ヘタもあるけれど好みの人間を採用することも多い。

だから寡黙な人、人付き合いが苦手な人は向かないようですね。

実は社交術も、役者として成功する一つの要素。

だからといってプロデューサーやマネージャーにわざとらしいお世辞を言った覚えはあ

心のもち方一つで変わってくるものがあるということです。

『声優道 名優50人が伝えたい仕事の心得と生きるヒント』p.178(柴田秀勝) 出版:主婦の友インフォス

将来的に声の仕事が機械やAIでよくなれば、単純に優れている方が採用されていくはずですが、人と人が関わるからこそ、実際は人間味や誠実さといった「+α」の魅力も求めらていると思います。

こうしたポイントを踏まえて、以下では、基本的なことから知っておくと便利な社交術まで、声優を目指す人が実践してほしい7つの心構えを紹介していきます。

7つの心構え

繋がりを大切にする

実際に業界で活動することになればたくさんの人と関わることになり、人間関係も大きく変化します。

仕事現場では毎回違ったスタッフや共演者と関わることが多く、はじめて出会う人もたくさんいますね。

昨今はとくに、新人は現場に行けるチャンスが少ないため、一回の現場で得られる"人との繋がり"はとても貴重だったりします。

そうしたときに、名前や顔を覚えることはもちろん、そのときの仕事内容やちょっとした会話まで、できるだけたくさんのことを吸収して持ち帰るようにしましょう。

声優学校や養成所へ通っている場合、そうしたクセをつけるために毎回のレッスンを現場と思って臨むことがとても大切です。

「一言一句」「一挙手一投足」など、些細なことですが得られることがとても大きいはずです。

素直になる

学校や養成所のレッスンではダメ出しやアドバイスをされる機会が多いですが、そうしたときに悔しくても絶対に言い訳はしないようにしましょう。

声優になるために実践したい7つの心得

基本的に、返事は「はい」の1回だけと決めて素直に受け入れることが目上の人を立てる礼儀でもあります。

昔ほど厳しい業界ではないですが、相手にそう感じさせてしまったら自分が損をしてしまいます。素直さ・愛嬌もその人の魅力になるので、きっと周りから気にかけてもらえることも増えてくるはずです。

アピールする

レッスンでも必ず教わることですが、自分を積極的にアピールする意識を持っておきましょう。

ただでさえ周りにはたくさんの競争相手がいるため、印象が薄いと相手に覚えてもらう確率はどんどん下がっていきます。

普段の見た目や服装はもちろんですが、声の大きさやフットワークの軽さなど、ちょっとしたことでも覚えてもらえるきっかけになるかもしれません。

失敗しても笑われても、チャレンジしない人よりは得るものが必ずあります。

知識を広げる

アルバイトを経験したことがある人なら実感があるかもしれませんが、今後は幅広い年齢層の人とコミュニケーションをとる機会が増えてきます。

そうしたときに、自分とは異なる世代や分野の知識まで知っているほど、会話や仕事に役立つことがありますね。

また、現場では「あの役者さんの雰囲気で」「こんなキャラクターのイメージで」というディレクションもあるように、最近のトレンドや時事ネタなどが表現の引き出しになるかもしれません。

できるだけ、自分の知らない世界を広く浅くでも知識や体験に蓄積しておくことがおすすめです。

また、以下の法則「きどにたてかけし衣食住」を覚えておくと日常会話の引き出しになるはずです。

【きどにたてかけし衣食住】

  • き:季節
  • ど:道楽
  • に:ニュース
  • た:旅
  • て:テレビ番組
  • か:家族・家庭
  • け:健康

声優になるために実践したい7つの心得

  • し:仕事
  • 衣:衣服
  • 食:食べ物
  • 住:住居

姿勢を良くする

人は見た目や第一印象から受ける影響が大きいように、日頃から自分自身の姿勢や所作を気にしておくのも大切です。

声優学校でもウォーキング指導やブラッシュアップ講座があるように、オーディションや審査では少なからずこうしたポイントも影響するのではないでしょうか。

姿勢を正すことは、声だけでなく体への負担軽減や基礎代謝の向上にもつながります。

【声優オーディション合格対策】第一印象の重要性とおすすめの姿勢トレーニング(2020.11.24)

表情を明るくする

日頃から明るい表情を心がけておくのも魅力アップの秘訣ですね。

相手に話しやすい印象を与えるだけでなく、自分自身の心も明るくしてくれる効果があります。

喋るときは口角を上げて声のトーンを明るくするなど、表情筋を鍛えることで滑舌以外にも役立つことがたくさんあるのでおすすめです。

【表情筋トレーニング】鍛えると滑舌も良くなる!様々なメリットとおすすめの練習法(2020.01.24)



言葉に心を込める

昔、講師に「生きた言葉を使いなさい」と教えられましたが、ここが言葉を扱う声優にとってとても大切なことだと思っていて、日常会話の挨拶やお礼といった一言一言に心を込めることで、言葉にニュアンスが伝わり温度感のあるものになっていきますね。

これは、機械やAIにはない人間だけの魅力であり、さらに言えばその人にしか出せない言葉だと思います。

『らんま2/1』天道かすみ役、『キャプテン翼』大空翼役で有名な井上喜久子さんの言葉にもあるように、こうした積み重ねが人生やお芝居にも還元できるはずで、それが個々の人間的な魅力になっていくのではないでしょうか。

声優になるために実践したい7つの心得

例えば家族に「おはよう」と言うときに、ただ口先だけで挨拶するのと、今日も一日元気に朝を迎えられて幸せだねっていう気持ちを込めて言う「おはよう」は、ぜんぜん違うじゃないですか。

「ありがとう」でも「おいしかった」でも、そうやって愛情をたっぷり込めて言うこと。

日常生活の中で起こるいいことも悪いことも、しっかり受け止めていくこと。そういう経験を、いつかお芝居に生かしていけたらいいですね。

『声優道 名優50人が伝えたい仕事の心得と生きるヒント』p.153(井上喜久子) 出版:主婦の友インフォス

まとめ

今回は、声優を目指す人が実践すべき7つの心構えをご紹介しました。

自分の魅力や人からの信用は目には見えないものですが、今後、みなさんが声優活動をしていくなかでとても重要なことだと思っています。

ライター:ゆうき

RELATED

この記事に関連する記事