声優・俳優
声優志望者が夢を叶える7つの対処法
抱えやすい悩み
若い頃には多くの人が「将来の夢」を持つものですが、夢を叶えるためにはたくさんの壁を乗り越えなければいけませんよね。
現在、声優を目指している人の中にも、自分への劣等感や周りの声に影響されて将来への様々な悩みが生まれているかもしれません。みなさんと同じように、僕自身も過去に声優・ナレーターを目指す中で年齢、経験、個性など、たくさんの悩みがありました。しかし、こうした問題がなくなるきっかけもまた自分の考えを改めたときや周りのアドバイスだったりします。
そこで、今回は声優志望者が陥りやすい7つの悩みの対処法をご紹介していきます。
声優志望者の悩みと対処法
①お金
進路を検討する中で、経済的に余裕がないことから学校や養成所への進学に迷う人も多いのではないでしょうか?実際、こうしたところへ通うことで学べることはたくさんあり、大きな成長に繋がります。しかし、決して安くはない学費、それに伴う新生活(一人暮らしなど)への出費を考えると目指すこと自体も簡単ではないですよね。なかには、奨学金や学費ローンをして通う人も多いですが、在学中や卒業後に支障をきたしやすいので個人的にはあまりおすすめできません。事情は人によって様々ですが、1年間はアルバイトでお金を貯める、あるいは比較的学費の安い養成所を検討する方がおすすめです。
生徒の中にも、在学中に"お金の悩み"に追われてアルバイト漬けになる子がいますが、学業が疎かになっては本末転倒ですし、肉体的にも精神的にもこれはかなりしんどいです。また、声優学校によっては、特定の方法で学費の一部免除を受けるられるサポートもあるので、早めに情報を入れておくと有利に動きやすいですね。
『鬼滅の刃』竈門炭治郎役で有名な声優・花江夏樹さんは、お金がなかったことが理由で学校や養成所には通わず、事務所に直接ボイスサンプルを送り、面接の結果プロダクションに入れてもらったそうです。
かなり珍しい例とはいえ、みなさんの進路においても、学校・養成所はあくまで一つの手段であって最終目的ではないはずです。目標を叶えるための"形のこだわり"を捨てることで、自分にとって一番良い方法が見つかるかもしれません。
②年齢
声優を目指すにあたって、「年齢」はずっと付いてまわる悩みかもしれません。
実際のところ、オーディションや審査はこうした条件が設けられているケースもありますし選考基準の一つにもなるはずです。また、目指し始める年齢もそうですが、声優になれたとして、そこから残っていくことも考えるとサイクルの早い声優業界はかなり厳しい環境といえます。若さということを考えると、たいていの場合、女性だと20代後半、男性だと30代半ばくらいが中堅声優として残るか、そのまま消えるかの目安ではないでしょうか。
しかし、どんな人も年齢を巻き戻すことは出来ませんし、自分の持っているもので勝負するしかありません。みなさんが意識すべきは、年齢やルックスよりも声優としての基本的なスキルや磨かれた声、そして人間的な魅力だったりします。長い目で見れば、こうした内側の魅力は磨き続ければさらに輝きますが、年齢は数字でしかなく、ルックスは歳を重ねれば誰でも老け込みます。これまでよりも、これからの自分に目を向けてみると前向きに考えられるはずです。
③人間関係
学校・養成所へ通えば、周りには全国から集まったたくさんの生徒がいるわけですが、やはり芸能界を目指すだけあって個性的な生徒が多いです。
こうした環境では、レッスンの課題をクラスメイトと協力して創作することが頻繁にあるのですが、ときには意見が合わなかったり足並みが揃わなかったりと、意識やレベルで少しずつ差が生まれてしまうのも事実です。心理学者で有名なアルフレッド・アドラーは、「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」という言葉を残しているように、社会に出るほど人付き合いで悩むことは多くなるかもしれませんね。ときには、フェードアウトしてしまう子もいるのですが、せっかくの夢をこうした理由で諦めてしまうのはとてももったいないことだと思います。
今ある悩みも、長い人生で見ればほんの一瞬の小さな場所の小さな出来事に過ぎません。
また、学校や養成所の課題だけで自身の将来が左右されるわけではないですし、どちらかといえばオーディションや審査の方が大きな意味を持ちます。将来どんな道に進んでも、こうした苦労を経験したことは必ずプラスに働くはずです。
④技量
学校生活では、他人と比較して悩むことが多いと思いますが、その一つは自身のレベルについてですね。
同じ環境で毎日のようにレッスンを繰り返せば、上手い下手を感じて当たり前ですし、卒業や審査が迫ればなおさら神経質になります。しかし、他人と比べたところで自分が上達するわけでもないですし、現場へ出れば上手い人は星の数ほどいます。そう考えると、今いる学校や養成所で感じる生徒同士の差は微々たるものですし、声優として生き残る要素はスキル以外にも自己プロデュース力や営業力など、なんだかんだでこのへんはとても大事なことです。また、悩んだときは視点を変えて、人脈を広げる、知識を深める、自身の趣味や特技に目を向けて気分転換などもおすすめです。
スキル以外にも、たくさんの"成長要素"が身の回りにあるはずです。
⑤オーディション
オーディションや審査に対する悩みは誰もが抱えることですね。
「不合格」に落ち込むこともありますが、そもそも人気のオーディションほど倍率が高く、実力の高い人たちが集まっているので、合格できなくてもまったく不思議ではないです。そうした結果に囚われすぎず、取り組んだ内容に目を向けることが大切です。
- 書類審査で落ちたのなら、プロフィールの書き方や文章、写真のクオリティ。
- テープ審査なら、収録環境はもちろんですが、基本的なスキルの向上や原稿の読解などですね。
- そして、最終的なステップは、"自分らしさ"をどれだけアピールできたか?だと思います。
オーディションや審査にしても、イメージやニーズにたまたまハマるケースもたくさんありますし、そこで落ちても違う場所で合格して売れる人もたくさんいます。声優を目指す限りは、いつか来るチャンスに対して愚直に準備し続けることが大切だと思います。
これは僕の持論ですが、必要な準備をきちんとしていれば、特に若い頃、神様は誰でも平等にチャンスを与えてくれるものだと信じています。そこで大切なのは、目の前にやってきたそのチャンスを逃さず確実につかむか、気付かずに見逃してしまうか、ということです。
⑥個性
こちらも学校や養成所、オーディションを通して実感することかもしれませんが、自分に「個性」がないと感じる人も少なくないはずです。
特徴的な声やこれといったキャラクターを演じられる武器、誰にも負けない特技などは相手から見てもわかりやすい個性となり大きなアドバンテージですよね。しかし、たいていはそうした自分の個性を見つけられていない人が多いと思います。正直なところ、個性をすぐに見つけられるコレという方法はないのですが、考え方や行動次第で見つけられるきっかけにはなるかもしれません。例えば、特徴的な声じゃないと感じる人ほど、見方を変えれば馴染みやすい声ですし、クセのないフラットな喋りは、素朴なキャラクターや自然体な雰囲気のナレーションに適しているかもしれません。
とはいえ、今すぐに「自分の個性はコレ」と決めつけるのではなく、今後目指していく中で自分を磨き様々な経験を通じて得たものがヒントになると感じています。
- 日々の私生活を通じて感じたこと
- 講師やマネージャーのアドバイス
- 仕事の内容
- 現場で求められたこと
⑦進路
毎年、たくさんの人が声優を目指す一方で諦める人がいるのも事実です。
そして、そのほとんどは学校や養成所を卒業するタイミングで考えることが多いかもしれませんね。とかく声優を目指していると諦めないことが大事と思いがちですが、実際に経験してみて難しいと感じたのならきっぱり諦めるのも正しい決断だと思います。なんとなくで続けるよりも、"これから"のためにお金や時間やエネルギーを使った方がはるかに建設的です。
人生の大きなチャレンジほど、目指すことも諦めることも大きな勇気がいるものですが、自分にとって何が一番幸せか?を考えていくと新しい道に踏み切れるきっかけになるかもしれません。僕は役者に限らず、"世界は失敗してもいいようにできている"と思います。僕も一度は大失敗しましたが、自分のために頑張り続けていれば、きっと誰かが見てくれていて、どんな失敗もいつかは取り戻す機会に恵まれると信じています。
まとめ
今回は、声優志望者が夢を叶えるための7つの悩みの対処法をご紹介しました。
目指す過程で様々な悩みが生まれてきますが、なんだかんだでそれを複雑にしているのは自分自身だったりするかもしれませんね。周りのアドバイスを参考に、自分の「でも、」「だけど、」を取り除くとたくさんの答えが見つかるかもしれません。
ライター:ゆうき