声優・俳優

実際に声優・ナレーターを目指して良かった5つのこと

05_アートボード 1.jpgみなさんのなかには「将来は声優になりたい」と思う人も多くいるかと思いますが、不安定で競争の激しい世界なだけに世間的には厳しい目で見られることが多いですよね。

僕自身、過去にみなさんと同じ目標を持って目指したわけですが、案の定とてもとても厳しい世界で、思い通りに行かないこともたくさんありました。それでも、毎年のようにこの職業を目指す人が多いのは、それ以上に感じる魅力があるからだと思います。世間のネガティブな反応はもっともなのですが、「本当はもっと良いこともあるんだけど...」と感じることも少なくありません。

そこで今回は、これまで学校や養成所に通いプロダクションに所属し活動してきた僕が感じた声優・ナレーターを目指して良かったことをご紹介していきたいと思います。

現在、進路で悩む多くの人に、実はこんな魅力もあるということ知ってもらえたら嬉しいです。

声優は厳しい?

前述したように、声優業界はとても厳しい世界であって競争も激しければ入れ替わりも激しく、必ずしも頑張ったから結果が出るものでもないのが事実です。

昔、専門学校へ通っていた頃に講師から、「プロダクションに所属できるのは100人に1」と教えてもらったことがあります。ざっくりとした数字ですし、事務所の大小を問わなければもう少し数字は変わるかもしれませんが、今でもその言葉は間違ってないなと感じることがあります。

こうしたリアルな話を聞くとどうしても頭に残るものですし、すべてを覚悟の上で目指すべきだと思いますが、みなさんもこうした意見は痛いほど耳にしてきたはずです。というわけで、このネガティブな現実を覚悟の前提で、はじめて味わえる声の仕事の魅力や楽しさを以下でご紹介していきますね。

目指して良かった5つのこと

スキルが身についたこと

まず一つ目は、学校・養成所のカリキュラムを通して、演技や表現力、歌やダンスといった様々なスキルが身についたことです。声優やナレーターのスキルは一見すると専門的に思うかもしれませんが、発声・滑舌以外にも感情解放や自己PRなど、人前に出たときや社会のあらゆる場面で役立つことが多くありました。そして、厳しいレッスンによって人間的に成長できたことも何よりの財産です。

「資格」や「試験」のように目に見える努力の基準がないからこそ、身についた本質的な部分がものすごく大切になってきます。

自己管理能力が身についたこと

声優を目指してこれから一人暮らしをはじめる人も多いかもしれませんね。僕も同じように地方から目指した身なので、学業とアルバイトを両立しながら生活に慣れるまでは大変でした。しかし、新しいことにチャレンジすればするほど自分に還ってくる経験値は大きくなります。様々な理由で夢を諦めてしまう子も多いだけに、こうしたお金や時間を有意義に使えるようになると、1日が充実し、1ヶ月で変化が起き、1年で大きな成果が出たりしますよ。レッスン以外の時間や休日など、自由なときほど自分が問われる時間なのかもしれません。

人間関係が広がったこと

毎回様々な仕事現場へ行くことのできる芸能界はとにかく交流の広い世界で、学校や養成所に通えば同じ声優志望者だけでなく他学科の生徒や講師、仕事を通じてはプロダクション関係者や現場の制作スタッフなどと繋がることができます。そうしたことから、僕自身もたくさんの人と接することができました。自身がステップアップすれば環境も変わり、現場が変わればそれだけ新しい知識や経験が積み重なっていきます。こうしたことは芸能職ならでは特権でもあるため、人や現場を通して成長できることは人生の大きな財産になります。

メディアを通して声が聞けたこと

これまでの努力が実ったときや成果が出たタイミング。こういう瞬間は、みなさんも鮮明に覚えているはずですよね。僕自身も、講師に褒められたときや審査に合格したときなどはよく覚えていますが、なかでも一番心に残っているのは、所属して間もない頃にはじめて自分の声がテレビで流れたときです。セリフは23パートでしたがリアルタイムで聞けたときはものすごく感動しました。他にもテロップで自分の名前が載ったり、現場でもう一度会った人に覚えてもらえていたりと、小さなことでも頑張ってきた分それ相応の嬉しさがあるので、この道を目指して良かったと強く実感できることです。

「不安定」を経験できたこと

声優を目指すこと自体すごく覚悟がいることはわかっていたつもりですが、やはり聞くのと実際に体験するのとでは雲泥の差があることを実感しました。1ヶ月以上仕事のない時期や周囲の評価に人間関係など、学校や養成所時代ももちろん厳しいですが、いざ所属してからの方が悩むこともたくさんあったと思います。今でも声優として活動しながら、その"不安定さ"で悩み心が折れそうになる人はたくさんいると思います。しかし、こうした経験から得られる、仕事や人、時間やお金の大切さを身をもって実感できるのは、華やかな業界の裏にこうした厳しい現実があるからこそだと思います。

まとめ

というわけで、今回は声優・ナレーターを目指して良かったことをご紹介しました。

今でも僕は目指して良かったなと思えるのですが、それは夢をまっとうできる過程で他の人では味わえない貴重な体験をできたからだと思っています。より高い目標があるからこそ辛いことも多いですが、それらを前向きな力に変えていけるほどたくさんの"良いこと"があるかもしれません。

ライター:ゆうき

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