漫画制作 初級編 ?服の描き方?
服装をデザインしてキャラクターに着せていくのは、漫画家として楽しさを覚える瞬間かもしれません。ただ、「実は服を考えるの苦手なんだよね」「いつまで経っても服を描くことに慣れない」という方も多いのではないでしょうか。そんな方は、今回のコラムをぜひ参考にしてみてください!
服を描くときのコツ3つ
上手く服を描くためには、デザインの発想法からディティールを深める方法まで、実にさまざまな手段があります。今回は、初心者でもすぐに実践できる方法3つをピックアップしてみました。
コツ1:キャラクターの性格を利用してデザインする
キャラクターの服装が思いつかなかったら、まずはファッション誌を参考にしてみることが第一です。ファッション誌は漫画家にとって、キャラに着せるための服装のカタログです。ファッション誌を見てもまだピンとこなかったら、キャラクターの性格を反映させた服装を描いてみることもひとつの手です。
・活動的で怒りっぽい人物なら→露出が多い格好
・知的でお姉様的な人物なら→長めのタイトスカートに襟付きシャツ
といった感じに、「このキャラクターならこの服を好みそうだな」というものを考えていきましょう。キャラクターに合わせて服装を決める発想は、魔女っ子5人の服の描き分けなど、「同系統の服を着ているけれど違いを出さなければならない」という場合に役立ちますよ。
コツ2:適切にシワを入れる
デザインができたら、その服にシワを入れてみましょう。シワを適切に入れることによって、服のリアルさや立体感が増加します。シワは基本的に、身体の曲がる部分……脇の下、肘、膝、股などの各関節にできますから、「適度」に線を引いてシワを描写しましょう。
とはいえ、難しいのがその「適度」です。シワを入れすぎると服の素材感とリアルさが失われ、シワを入れなさすぎると、まるで紙かプラスチックをまとったような印象になってしまいます。どの程度が「適度」なのかは、何度も描いて自分なりの基準を作りあげていくしかありませんが、以下のポイントを意識しながら描くと、より理想的なシワを作れると思います。
・関節以外には極力シワを入れない
・「引っ張られているところ」と「たるんでいるところ」を極力描き分ける
・身体の形が想像できるようにシワを入れる
・キャラクターが女の子の場合、胸の周りにシワを入れる(胸を強調する)
シワを適切に入れると、服をリアルに表現できることはもちろん、動きのあるキャラクターを描くときに非常に役立ちます。シワの技法は、ぜひとも自分のモノにしてください。
コツ3:生地や材質によって表現を変える
最後に、服の材質を意識しながら描いてみましょう。たとえば、絹製のシャツとデニムジャケットでは、たたずまいやシワの形状はまったく違いますよね?
・硬くて重い素材→型崩れがあまりなく、シワは太く大きくなる
・柔らかくて軽い素材→身体のラインがよくわかり、シワは曲線気味になる
・薄くて軽い素材→身体のラインがよくわかり、シワはこまかく細くなる
その素材の「硬さ・柔らかさ」、「厚さ・薄さ」、「重さ・軽さ」などに着目して描いてみると、より現実味のある服を描くことができますよ。
服はキャラの外面を表す重要な記号
服は単なるキャラクターの衣装ではなく、(私たちがそうであるように)キャラクターの自己表現のひとつです。「なぜこのキャラクターはこの服を着ているのか?」「なぜこの服を好むのか?」ということを考えながらデザインして描いていきましょう。その上でリアルな服を描くことができたら、読者に対するキャラクターの存在感や説得力が一気に強まるはずですよ。
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