物語の作り方! 人気漫画の王道ストーリーまとめ 料理漫画編
料理漫画ってどんなもの?
料理漫画は、料理のウンチクや豆知識、調理テクニックなどを描く漫画です。そのジャンルはフレンチやイタリアン、和食などからパンやケーキ、和菓子に至るまでさまざまなものがあります。また、食べ物だけでなく、ワインやカクテル、日本酒といった酒類について描いたものも料理漫画の一つと考えて良いでしょう。
料理漫画の魅力は、漫画に描いた料理を通して、読者の「食」に対する興味を喚起できることです。ですから、読者に「こんな料理を食べてみたいなあ」とか「なるほど、こうすれば美味しい料理ができるのか」などと思ってもらえる漫画を作ることが大切です。
ただし、漫画は実用書ではありませんから、料理のことばかり描いていても読者を納得させることはできません。美味しそうな料理や、知識やテクニックを生かす魅力的な主人公とストーリーが必要です。
料理漫画における物語の作り方
料理漫画には、主に次の2種類があります。
1 グルメの達人が主人公の漫画
2 素人の主人公が料理を通して人間的に成長していく漫画
前回とり上げた医療漫画とよく似ていますね。では、それぞれの特徴を細かく考えてみましょう。
料理漫画その1:料理の達人が主人公タイプ
料理漫画の元祖といえば、『美味しんぼ』(原作:雁屋哲 作画:花咲アキラ)です。この漫画の主人公は、新聞社に勤務するもグータラで競馬に興じてばかりいる山岡士郎です。山岡は、料理に対する深い知識と天才的な腕、そして「情熱」をあわせ持っており、時にプロの料理人や食通にケンカを吹っかけながら、さまざまな問題を解決していきます。この「問題」には、料理のことだけでなく、登場するキャラクターの人生や心の問題も含まれます。現実の世界では、人生に起きたトラブルをたった一つの料理で解決することはなかなかないかもしれません。しかし、漫画のなかではそれが可能です。このように、「料理を通してキャラクターの人生が少し好転する展開」こそが、料理漫画の王道ストーリーの一つといえるでしょう。
料理漫画その2:素人の主人公が料理を通して成長するタイプ
次は、2005年から2013年まで『ビッグコミックオリジナル』で連載された『あんどーなつ』(原作:西ゆうじ 作画:テリー山本)です。主人公である安藤奈津はパティシエを目指していましたが、和菓子屋「満月堂」の職人と出会ったことで和菓子の世界に飛び込みます。この満月堂は、浅草で続く老舗。奈津は、この店の味を求める顧客や浅草で生きる人々の人情に触れながら、職人として、そして人間として成長していきます。厳密にいえば、料理だけを通して奈津が成長していくわけではありませんが、作品全体からあふれる温かさや人間味は、浅草という舞台設定と和菓子という題材設定があってこそのものだといえるでしょう。
料理漫画を描くときに大切なこと
料理漫画を描くときに大切なのは、医療漫画と同じようにリアリティを徹底的に追求することです。本物の料理人や、グルメな人が読んでも納得できるほどのリアリティのある漫画を目指してください。また、料理を美味しく見せるための画力も非常に重要な要素となります。この2点のためには、綿密な取材や調査を根気強く続ける必要がありますが、これができたとき、その作品はきっと面白いものになっていると思います。
参考URL
美味しんぼ
http://www.shogakukan.co.jp/comics/detail/_isbn_4091807518
あんどーなつ 江戸和菓子職人物語
http://www.shogakukan.co.jp/comics/detail/_isbn_4091804896
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