結果発表
マンガ部門の総評
今回大賞に輝いた作品は、決して画力が高いというものではなかったと思います。ただ、インパクトだったり、読みやすさだったり、テーマ性だったり、読者が楽しく読めるかだったり。また別の先生方が審査すると違う結果になる可能性ももちろんあって、マンガの世界というのは、本当に奥が深いです。
ただ、今回は全ての中で印象に残るものが、最後まで残ったかなと思います。
自分の作品の画力や物語の構成力、その他で自信が無くて今回応募しなかった方も、決してチャンスがないというわけではありません。
光るものを、自分の作品のここだけは負けないというものがあるなら、是非次回も応募してもらえればと思います。
イラスト部門の総評
今回のテーマは「パートナー」ということで、各々がどのようなパートナーを描いてくるのか楽しみに拝見しました。皆似通った発想になってしまっていたので「パートナー」そのものを描くだけではなく発想を転換させたり他の人が想像しない「パートナー」の概念を模索するなどして表現された、個性が光る作品を見てみたかったです。
年々参加者の画力も上がっているのでただ上手いだけではなく見た人の目を引き留め、他者と違う作品だなと印象を残すことが賞レースはもちろん、日々大量の作品が消費され流れていくSNS社会の中で活躍するには大事になっていきます。
デッサンや色彩、キャラ作画といった基礎画力の高さで人の目を留めたら、さらにその作品に引き込まれるようなストーリーやメッセージ性といった表象の情報量が込められているものに仕上げていくと、良い結果を残せるようになると思います。
今回は皆様、ご応募ありがとうございました。次回のご応募もお待ちしております。
大賞
マンガ部門
中・高校生の部
審査コメント
設定も今時で、何よりとても読みやすい漫画でした。
女の子が悩んでいるのは、セリフだけではなく、もっと苦悩してるシーンがあった方がより伝わると思います。
次回作にめちゃくちゃ期待してます。
一般の部
ハンガーを武器にして戦うキザボーイアクションコメディです。
審査コメント
一般の部の応募作品の中で、一番面白かった作品です。
荒削りでムラがある部分もありますが、平成初期のギャグ漫画を彷彿させる漫画です。
カッコつけているけど面白い。
このページ数をこの熱量をもって描き終えているのがすごいと思います。
動きのある絵、セリフも強い言葉多いため無駄なコマがない。もう一工夫でさらに化けそうな期待をしています。
フランスの部
審査コメント
とても絵が画がうまい、まとまっている作品でした。
序盤はとくにコマ割りもお手本のようで、いろんな画角、アングルがあって面白かった。
ただ、主人公が普通でしたので、もっと魅力的なキャラにしてほしかったです。
それだけでもっと良い作品になったと思います。
ストーリーを描くのではなく、キャラを描いていくのが漫画です。
イラスト部門
中・高校生の部
一目見てかっこいいと思ってもらえるように描きました。
審査コメント
ストーリー性もあり技術的にもレベルが高く、カッコよくて売れそうな作品でした。武器を描くアングル・パースが独特でとても面白いと思います。何のパートナーなのかが、もっとわかるように情報量を足すとさらに良い作品になると思います。
一般の部
花火大会の夜に会場の外で2人だけの夏の思い出を作る様子を描きました。キラキラした思い出を花火と水面の煌めきで表現しようと思いました。
審査コメント
圧倒的にとても絵がうまい。空の花火と水面の中というこれまで見たことのないシチュエーションを描いており、とても良い作品です。細かく書き込んでいるが、一枚のイラストとして上手くまとめられています。水の中は通常歪んで見えるところをそのままファンタジーとして描いており、完成度が高く、文句なしの作品です。
フランスの部
審査コメント
日本と違う文化圏の絵という感じで、フランス的なとても上手い作品です。書き込みもしっかりしていて見応えがあり、圧倒される絵だと思います。
審査員賞
マンガ部門
河本ほむら先生 武野光先生 賞
初めて書いた作品です。
河本ほむら様 武野光様 コメント
商業漫画で一番大事なのはキャラクターだと思っています。読者が漫画を読む、買う一番の理由がキャラクターだからです。その点、本作の主人公は見た目と行動にギャップがあり、魅力的でした。一方ストーリーは、力が強いので警備員になろうとする(そして実際になる)のは割と想像しやすい流れなので、そこに飛躍があるともっと面白かったかもしれません。
ぬこー様ちゃん先生 賞
うす気味の悪さを表現することにチャレンジした作品です。
ぬこー様ちゃん様 コメント
演出力がすごいと素直に感心しました。短い作品ではありますが上手にまとめてます。中高生くらいだとついついバストアップや顔アップの画を多用しがちなんですが、それもない。今回のコンテストで一番伸びしろを感じる作品でした。唯一残念だったのはラストのオチが作品の方向性と乖離してしまっているところ。予想を裏切るオチ。この裏切り方は読者が得をしない裏切りなので控えましょう。
イラスト部門
さいとうなおき先生 賞
雰囲気を青にし、中心を補色の色にして未知の実験をしてるようにこだわりました。
さいとうなおき様 コメント
背景の描き込みに密度があり、隙間なく画面が埋め尽くされていますがあえてトーンを落として青系統でまとめることで、しっかりとキャラクター主体のイラストにまとめ上げています。棚に並べられている実験道具類も大小様々な形があったり彩度をコントロールする事でリズムが生まれており、単調さを微塵も感じさせない画面作りが本当にすばらしいと思いました!
尾崎ドミノ先生 賞
黒服やアクセサリーで強い印象のある男性が、パートナーへの懐く深くやわらかくも壊しそうな、抑えつつも滲み出る感情の大きさやギャップを表現しました。
尾崎ドミノ様 コメント
表情はもちろん、色合いや光の表現が素晴らしく目を引くイラストでした。2人目を明確に描かずに足だけを描くことで、彼らがどういう関係なのか等、考察をこちら側にも委ねてくれるような見せ方が個人的にはとても好きです。タイトルからも艶っぽさを感じ、絵を通してストーリーを伝えるのがとてもお上手だなと思い選ばせていただきました。是非この二人の漫画を読んでみたいという気持ちにさせられました。
株式会社MUGENUP様賞
車を愛しパートナーとする二人を描きました。全体的に青・緑・黄色で色をまとめ、爽やかな空気感を演出しました。
株式会社MUGENUP様 コメント
温かく心地よい雰囲気が伝わってきます。ガレージで車を洗う親と、ミニカーで遊ぶ子供の光景は、日常の何気ない幸せな瞬間が良いです。柔らかな色合いや優しいタッチなど画面でよく魅せるタイプだと思うので、ストーリー性が感じられる作品を描くことで、ご活躍できる姿が想像できました。
ネットに対する葛藤が題材です。