Principal column校長コラム

東京校・大宮校|佐治 恒孝校長

デジタルネイティブへのアプローチ

 ノーベル医学生理学賞受賞の山中伸弥さんは、新元号を決める懇談会メンバーを務め、新元号の令和は、「伝統を大切にしつつ、新しい時代をつくることに通じる」と表現しました。そして、「令和の時代は、急速に進化した科学技術で、人類と地球が、さらに光輝くか、とんでもないことになるか決まる時代」と新聞のインタビューで述べていました。
 
 いま、1990年以降に生まれた世代が社会の中枢になる社会の到来です。

 教育も、平成から令和に変わるごとく、科学進展、情報科・AIの急速な変化の時を迎え、来年の東京オリンピック・パラリンピック開催も一層グローバル化への大きな変化の鼓動に聞こえ、社会全体が今までの暗記や記憶が尊重された時代から、個人の思考力、判断力、表現力など加えた生きる力の時代へ移行しています。

 現代の若者世代を「デジタルネイティブ」世代と呼び、1990年(現30歳)から以下の年齢世代を指しています。生まれたときからインターネット環境に囲まれて、その弊害から、従来までの学生指導ではうまくいかない状況があるようです。

  デジタルネイティブ世代は一昔前の新人類と似ているようにも思います。
 新人類とは1960年から70年頃に生まれた世代で、モンスターペアレント問題など従来の常識が通用せず、全く理解できないと年長者から言われていました。しかし、集団帰属意識が高く、社会の発展には貢献したとの評価がありました。デジタルネイティブ世代は、今後のかじ取り如何によって、さらに光り輝くか、とんでもないことになるかの時代と言われています。
 
 「デジタルネイティブ」世代についてよく言われる特徴としては、

 ①インターネットを通じて人と知り合うことに抵抗がない(無防備である)。

 ②対面でのコミュニケーションが苦手で、報・連・相ができない。

 ③何事をするにもインターネットで検索し、自分の頭で考えない。

 などがあります。
 
 生まれたときからインターネット環境に囲まれているデジタルネイティブ世代。ついネガティブな評価を受けがちなこの世代ですが、「海外の情報も抵抗なく受け入れ、グローバル社会に向いている」など、ポジティブな面もたくさんあると言われています。

  それでは、その世代の子供たちをどう教育したらいいのでしょうか。

 私は、長年の教職経験とヒューマンアカデミーの校長職経験や現場の教職員の生徒指導のありさまを見て、デジタルネイティブ世代には次のような対応が良いと思っております。

 ①相手の思いやりや感情を理解していることを示す、また、受け止める。
 
 ②賛同できる部分を見つけ、共感し、親近感を持たせる。

 ③相手のポジティブな部分を見つけ、強調し、伸長させる。

 その3点を頭に置き、学生ファーストの対応をすることが重要なことと思っています。
  
 ヒューマンアカデミーでは、業界の即戦力として貢献できる人材の育成のため、次代へ通用する専門力と人間力を備えるよう日々教育実践しています。デジタルネイティブの傾向学生には、その利点を生かし、欠点を補正できるよう、情報リテラシーをわきまえ、フェイクニュースに惑わせられないよう、為世為人の校訓のもと、組織的に教職員一同が個々に応じた学生対応をしています。


専門力に加え人間力も強化し、どこに出しても恥じないスペシャリストを育てあげます。

東京校・大宮校

佐治 恒孝 校長

都立高等学校で38年勤務、晴海総合高等学校校長を最後に退職、その後、教職員研修センター教育経営課教授を経て総合学園ヒューマンアカデミー東京校校長に着任。元東京都公立高等学校長協会会長、元東京都高等学校体育連盟副会長、元東京都保健体育研究会会長、元日本バスケットボール協会理事、現同評議員、現秀明大学学校教師学部客員教授。