Principal column校長コラム

横浜校・静岡校|瀬木 明校長

テレビから突然!

 平成31年4月11日、静岡のホテルの一室で、入学式のために前日入りしていた私はシャワーを浴び、ビールを片手に見るとはなしにテレビを見ながら式辞の内容を考えていた。番組は報道ステーションであった。突然、静岡校のパフォーミングアーツの卒業生のアップの画面。静岡県信用金庫協会のコマーシャルだ。後で冷静に考えてみれば、静岡キー局の放送なので静岡県限定のコマーシャルが流れるのは当然であるが、その瞬間は全国放送とばかり思っていただけにかなりの衝撃が走った。そのコマーシャルに卒業生が出演していることも知っていて、動画も静岡県信用金庫協会のホームページで見ていた。しかし、テレビの画面で見る二人の卒業生、KYさんとFK君。特にKYさんに私の目は釘付けになった。

 二人は一期生であった。私は4年前の入学式で新入生宣誓を私の目の前でするKYさんの大きな瞳の強い光を思い出した。彼女は中学生の時から不登校で家にひきこもり、高校へも行かずにいた。5,6年のひきこもり生活の後、彼女は一念発起し声優になろうと総合学園ヒューマンアカデミー静岡校と佐藤学園ヒューマンキャンパス高校静岡学習センターに同時に入学したのだ。悲壮な決意があったのだろう。すっかり宣誓の文章は覚えていて奉書紙を見もせず、瞬きもしないで私を見る彼女の瞳の強さに圧倒されたことを昨日のことのように思い出した。

 入学後もコミュニケーションに拙さがあり、頑張りが過ぎると休んだりもしていた。中間発表や進級公演に来ていたお母さんの心配そうな顔が公演の後にほっとして笑顔になったのも鮮明に覚えている。2年のスポーツ大会で派手なコスチュームで走り回っていた彼女。卒業公演で主役の娘、やり手のホテルのオーナーを演じる彼女は自信に満ち満ちていた。会う度に彼女の成長を感じた。ヒューマンアカデミーの卒業式では着物と袴に身を包み、その後の謝恩会ではドレスに着替えていた。一年後のヒューマンキャンパス高校の卒業式ではシックなスーツで姿を見せ、仕事が思うようにならないとこぼしていた。

 彼女は在学中決してクラスのナンバーワンではなかった。そんな彼女が静岡県限定とはいえ全国放送の報道ステーションに挿入されるコマーシャルの主演をしている。入学式のあの瞳に一瞬で彼女のファンとなってしまった私が、彼女の努力にももちろん頭を下げるのであるが、総合学園ヒューマンアカデミーの確かな教育力がここにあることを実感した瞬間であった。

2年間の学びで大きく成長します。今こそ、自分の未来につなげられる選択をしてください。

横浜校・静岡校

瀬木 明 校長

神奈川県出身、東京教育大学理学部応用数理学科卒業後、神奈川県立高校に勤務。神奈川県立大楠高校校長として神奈川県初のクリエイティブスクールを立ち上 げる。その後、神奈川県立舞岡高等学校校長を歴任し、総合学園ヒューマンアカデミー横浜校、静岡校校長に就任。