Principal column校長コラム

仙台校|菊地 惠一校長

グローバル化に思う

 各競技においてワールドカップのテレビ放映が花盛りです。スポーツだけでなくインターネットやインフラの進化で世界は一体化し、日常で目にするものや触れるもの全てが世界と繋がっています。世の中では世界で通用するための人材の育成が叫ばれています。
 私ごとですがバレーボール競技の審判をしていた時期があり、全国レベルのインターハイや国体の試合から、地元仙台で行われる多くの国際大会にも、携わる機会に恵まれました。憧れの国際的なプレーヤーとも触れ合うこともあり、その中で審判員として必要とされる競技のルールは勿論、ゲームに関わる程度の外国語は学びましたが、日常会話などは通訳がおり、特に不便は感じることはありませんでした。学生から社会人となっても、自分の好きなこと、自分の得意なことを生かす道を模索し、生きがいを持つことが大切であると信じてバレーに関わり続けてきました。その一つが審判員であり、その立場を全うするため「公平で信頼を得る人であること」、「一貫した基準と判定ができる技能を身につけていること」を心掛け、そのための平素の努力は惜しみませんでした。
 グローバル化する時代に即応する能力として、異文化理解能力、語学力などが挙げられております。しかし、このような変化の激しい時代では、必要とされる能力や技能など、求められるものは業界ごとに異なります。一般論として若いうちに何にでも対処できるようになることはよいことで、例えば日常生活で英会話ができることに越したことはありません。でも、それらは自分の目指す分野において必要に応じて獲得していけば良いことであり、業界や企業内での訓練も含めて継続的・段階的に高めていけるものです。先ずは自分がどんな仕事に携わりたいのか。そのためには、どんなことを身につけるべきかを見定め準備することが重要視されるのではないでしょうか。
 さて、それではこれからの時代を生きるためには何が大切なのでしょうか。それは、いつでも自己啓発に努め、どんな環境の中でも人間としてしっかりした生き方を見つけることが、先ずは肝要なことだと思います。そして、明確な答えがない時代である今、降りかかる様々な問題に対し、「自分で考え、自分から行動する」気質・姿勢を身につけることも大切です。そのためにも、まず自分の得意分野を伸ばすことです。興味のあること、やりたいことの体験や知識を増やし、何かを身につけることで自信が持てるようになり、結果的に弱い部分を自分で補えるようになるのです。苦手分野を克服するために足踏みするより、得意分野を伸ばす方がより効果的になるのです。世の中、万能な人はごく僅かです。万遍なく平均的にこなす人より、得意なことに磨きをかけたその分野のトップクラスの人が、求められ重宝されることは、いつの時代でも変わることはありません。
 私たちが忘れてはならないことは、これまでもこれからも、先ずは「自分の得意分野やスキル」を持ち、そして「社会や文化の変化に伴う労働環境を理解」し、「共に協力して成し遂げる力」を養うことであります。これを日々心掛け、自分を高め挑戦していく気持ちがあれば、どんな時代が来てもどんな仕事にも対応できると思います。

 特化した分野で学ぶ皆さんの、これからのますますの活躍を期待しています。

人との距離が近い仙台校で、「為世為人」を実践できる完成度の高い人間を育成します。

仙台校

菊地 惠一 校長

元宮城県伊具高等学校長。保健体育教諭として約40年のキャリアを持ち、生徒指導やスポーツの普及振興にも携わってきた。柔道初段・剣道二段・バレーボール公認審判員の資格を持つ。