Principal column校長コラム

札幌校|廣田 邦生校長

ネットリテラシーを教育するということ

 今日の社会において、インターネットなどの情報通信ネットワークが急速に進展し、生活における利便性や経済発展に大きく貢献しているが、一方、「情報化の影の部分」に関する問題も指摘されている。日本の社会経済においても情報化による企業での生産性は高い利益をもたらしている。また、日常生活でも、インターネットや携帯情報端末による新しい形のコミュニケーションや、オンラインによる商品の購入など、ライフスタイルは大きく変化してきている。しかし、正しいネットリテラシー(インターネットに関する知識・能力)で利用時における情報や事象を正しく理解し、適切に判断・運用を行う能力は極めて大切であるといわれる。

 学校においては、情報化の進展に対応する教育を考えるにあたって、情報化の「影」の部分の持つ問題について、学校のみならず、家庭、地域社会が相互に関連・協力し合って、真剣に取り組む必要がある。特に、インターネット上には、わいせつ画像や残酷な画像、禁制品等の売買に関する情報、自殺、いじめ、差別、誹謗中傷などを内容とする情報など違法・有害情報が数多く存在している。また、「出会い系サイト」に関係した事件の増加、取引等に関係する詐欺などのトラブル、不正アクセス、コンピューターウイルス、個人情報の流出、迷惑メールの問題などが山積している。情報教育がすべてに対応できるものではないが、指導に当たって大切な事は、現実社会において犯罪や社会的非難の対象となる行為は、インターネットを活用する上においても同様であることを理解させることが必要である。

 また、企業人としてのデジタルネイティブという世代では、物心がついたころからインターネットや携帯端末があったため、検索のほか、インターネットの使い方は上手だがリテラシーが追い付いていないことが多いといわれる。そのため、どのようにしてセキュリティやモラルを教育すべきかが大切である。それは、一般的なセキュリティ教育だけでなく、リテラシーの教育も重要であるといわれる。これはデジタルネイティブ世代が悪いのではなく、ITが急激に進化したという現状がある。しかし、社会人として企業名を名乗るからには、リテラシーの低さによるミスは許されない。その意味では、セキュリティの意識だけでなく高いリテラシーやモラルを持たせることも企業の責任と考える時代になっているといわれている。

一人ひとりが自信を持って、目指す専門分野で活躍できるよう、全力で指導していきます。

札幌校

廣田 邦生 校長

北海道歌志内高等学校校長、北海道北広島西高等学校校長、 全国普通科高等学校長協会理事、北海道高等学校長協会普通部会副部会長、 北海道高等学校校長・教頭体育会事務局長などを歴任。