Principal column校長コラム

札幌校|廣田 邦生校長

専門教育について考える

 少子高齢化の進行により、2030年には我が国の総人口の3割が65歳の高齢者になる。さらに約50年後には総人口が現在より約3割減少、65歳以上の割合が総人口の約4割に達する見込みである。また、世界のGDPに占める日本の割合について、2010年時点では、5.8%だったが、2030年には3.4%になるとの予測がある。一方、グローバル化は我々の社会に多様性をもたらし、また、急速な情報化や技術革新は人間生活を質的にも変化させつつある。こうした社会的変化の中で専門教育について考えてみた。

 ヒューマンアカデミー札幌校のカレッジはパフォーミング、マンガイラスト、ゲームの3部門である。その特徴は、カンパニースクールとして現役プロ講師陣による専門的教育を実施して学習のサポートをしている。また産官学協同によるセミナーや独自オーデションの開催など業界企業・団体との密接なつながりを活かしたイベント実施などにより実力育成に努力している。

 専門的教育の意義は、学びとった知識・技術を社会の様々な場面で生きた力として活用していくことである。そのことから専門的教育は、学生が個別の知識や技能を着実に獲得しながら、社会に出て、それぞれの分野における役割・解決の方向性を決定し、その方法を探して計画を立て、結果を予測しながら実行し、プロセスを振り返って次の問題・解決につなげていくことや、情報を他者と共有しながら、対話や議論を通じて互いの考え方の共通点や相違点を理解し、相手の考え方に共感したり多様な考えを統合したりして、協力しながら問題を解決していく力を身に付けさせることである。学び取った知識・技術を広く社会に生かしていくことに専門的教育としての意義があると考える。

 社会はますます変化し、今後10年から20年程度で、半数近くの仕事が自動化される可能性が高いとされる予測や、2045年には人工知能が人類を超える「シンギュラリティ」に到達するという指摘もある。このように社会が変化していく中で専門的教育の果たす役割は大きい。ヒューマンアカデミー学園の教育は、今を生きていく学生たちにとって、現実の社会との関わりの中で、将来の社会生活を生き抜く力(知識・技術・思考・判断・表現・人間関係・学習意欲等)を築き上げていくための未来の社会に向けた準備段階としての場でもあるのではないだろうか。

一人ひとりが自信を持って、目指す専門分野で活躍できるよう、全力で指導していきます。

札幌校

廣田 邦生 校長

北海道歌志内高等学校校長、北海道北広島西高等学校校長、 全国普通科高等学校長協会理事、北海道高等学校長協会普通部会副部会長、 北海道高等学校校長・教頭体育会事務局長などを歴任。