Principal column校長コラム

那覇校|古波蔵 喜弘校長

総合学園ヒューマンアカデミー那覇校 入学式式辞

本日ここに平成31年度の入学式を挙行するにあたり、総合学園ヒューマンアカデミー那覇校並びにヒューマンキャンパス高等学校の教職員を代表して一言ご挨拶申し上げます。

入学を許可された皆さん、入学おめでとうございます。皆さんのこれまでの努力に対し、敬意を表したいと思います。また、ご臨席いただきましたご来賓の皆様に心から御礼申し上げます。そして、入学されたお子さんをこれまで見守り、支えてこられた保護者の皆様には、心よりお慶びを申し上げます。

さて、入学された皆さんは、いまどんな希望や夢を持っているでしょうか。そのスタートにあたり、私は皆さんに、自分がどんな人生を送ろうとするか、そのためには本校の学園生活で何を獲得するかについてじっくり考えてもらいたいと思います。

現代の社会で、いま求められている資質は何でしょうか。私はクリエーティビティーとヒューマニティー、つまり創造性と人間性だと考えています。

最近、AIすなわち人工知能についてのニュースがあちらこちらで取り上げられています。そのAIの技術の発展によって、人々はより利便性の高い生活が送れるようになることが期待されていますが、同時に今ある仕事がAIに奪われてしまうという不安が高まっています。2030年には日本の労働人口の約49%が技術的に人工知能で代替可能になるそうです。専門性の低い職業やデータ分析等の秩序的な内容の仕事はAIによって代替されてしまうそうです。しかし、AIが発展してもなくならない仕事の特徴は、芸術や哲学、人文学というような創造性を扱うものや説得や相手の感情を読み取るというようないわゆる社会行為としてのコミュニケーションを必要とする職業とのことです。

ノーベル物理学賞受賞した益川教授はAIが絶対に人間にかなわないもの、AIが絶対に上回ることができない人間の強みは、圧倒的な知的好奇心だと言っています。AIでは不可能な知的好奇心でクリエーティビティー、つまり創造性を身につけることが大切です。

本校の学生綱領は「為世為人」です。世のため人のために尽くすことを自らの喜びとする「高い志」を持つ若者を育むことを理念としています。世のため人のために尽くすのに必要なことは他人と真っ直ぐに向き合う誠実さです。他人と信頼関係を築くには豊かなヒューマニティーつまり人間性が基本となります。しかし、豊かな人間性は一朝一夕で身につくものではありません。皆さんのように若々しく柔らかい感性に恵まれた今の時期にしっかりと身につけてほしいと思います。それには様々な人と出会い、触れ合って、色々なものの考え方に接することです。積極的に新しい環境へ飛び込み本当の人間性を身につけてください。

ヒューマンアカデミー那覇校並びにヒューマンキャンパス高等学校の新入生の皆さんの廻りには同じ夢とロマンもった仲間がいます。その仲間と語り合い、お互いに刺激し合い夢を実現するためのすばらしい時間を共有してください。

保護者の皆さまにおかれましては、学生が本校での有意義な学園生活を送れるためにも、常に見守り、本校の教育活動へのご理解とご支援をよろしくお願いいたします。

おわりに、新入生の皆さんが本校で実り多い学びを身につけ、将来必ずや自己実現が図れることを切に願いまして、式辞といたします。

21世紀は「心と知と感性の時代」。クリエイティブな自分の夢を実現させましょう。

那覇校

古波蔵 喜弘 校長

沖縄県教育庁県立学校教育課課長補佐。沖縄県立21世紀は「心と知と感性の時代」。クリエイティブな自分の夢を実現させましょう。西原高等学校校長。沖縄県立沖縄工業高等学校校長。沖縄県高等学校体育連盟副会長。沖縄県工業高等学校長協会会長。九州地区工業高等学校長協会理事。全国工業高等学校長協会評議委員などを歴任。