Principal column校長コラム

名古屋校|寺西 藤代校長

専門学校を進路にするという選択

 お子さんから「大学に進学しようか、専門学校に進学しようか迷っている」という相談があったら、保護者の皆様はどのように答えられますか?「好きなようにしたら」では、お子さんは困るかもしれません。お子さんだけでなく、保護者の皆様は、大学と専門学校の違いをどのように捉えていらっしゃるでしょうか?
 私の息子の話で恐縮ですが、息子は高校卒業と同時に、高校時代からアルバイトとして働いていた大手のベーカリーストアに正社員として就職しました。高校の先生も私も、息子に大学進学を勧めたのですが、当時の息子は「大学に行く意味がわからない」という考えで、アルバイトからそのまま就職するという選択をしました。入社から1か月間の研修中、本当に楽しそうで、毎日自分が焼いたパンを持って帰って食べさせてくれたほどでした。ところが、配属が決まり3か月ほど経ったある日「辞めたい」と言い出しました。理由を聞いてもはっきり答えないので、どうしようかと悩んでいましたら、しばらくして「専門学校に行ってゲームクリエーターの勉強がしたい」と言ってきました。私は、息子が仕事を嫌になり、そこから逃げるために進学したいのであれば続かないかもしれないと思い、直ぐには許可できませんでした。しかし、どういう勉強をして何を目指したいのかという息子の説明を聞き、入学を許可しました。
 それから4年間、毎年皆勤賞をいただくほど熱心に勉強し、これで就職も大丈夫だろうと安心していましたが、卒業時リーマンショックという状況で、新入社員として入った会社からすぐにリストラされ、次に就職した会社は2年で倒産。どうなることかと気をもみましたが、なんとか再就職することができました。ゲームクリエーターの勉強で得た知識や技術も役に立ったと思いますが、リストラや倒産という状況に陥っても、這い上がることができたのは、何より、学生時代にゲーム制作を通して「挑戦し失敗を繰り返して次に繋げる」という経験を積めたおかげだと思います。
 専門学校は実務に結び付く知識や技術を習得する学校です。それだけでなく、何度も何度もやり直す・壁にぶつかるという現場の厳しさも学べる場だと思います。その経験が、その後の人生にどれだけ役に立つか。息子が専門学校を選択したことは良かったのだと、私自身が本校に勤務するようになり、学生たちの様子を見て、改めて気づくことができました。専門学校を選択するということは、「知識や技術の習得と実践を通した成功や失敗の経験を積む」ことを選択するということだと思います。息子は今年の4月に、初めて自分の意志で転職をしました。「もっとスキルアップしたいから」という転職理由を聞き、さらに上を目指し努力する息子を誇らしく思います。
 3年先のことが読めないと言われるほど変化の激しい時代だからこそ、先に進めないときもあれば、落ちてしまうときもあって当然です。そのときに必要な「這い上がる力」は、実践を大切にしている専門学校で、様々な経験を積むことを通して身につけられる。専門学校を選択することで得られる力だと思います。

人生100年の時代に必要な力を!

名古屋校

寺西 藤代 校長

キャリアコンサルタント(国家資格)・三重県スクールカウンセラー・専門学校講師。 三重県公立小学校教員を経て独立起業。総合学園ヒューマンアカデミー名古屋校では就職に関する授業と学生相談を担当している。 インターネットラジオ「ゆめのたね放送局」パーソナリティー。 番組名「おかあさんおつかれさま」(名古屋校の学生達が多数ゲスト出演中)