Principal column校長コラム

福岡校・北九州校・鹿児島校|待鳥 和海校長

高校卒業から夢に向かって ~力を出し切ってこそ成長する~

 「令和」元年度も今月末をもって終りますが、新元号に変わったこの1年は、皆さんにとっていかがでしたか。特筆すべきは、吉野彰氏のノーベル化学賞受賞と共に、ラグビーワールドカップにおける日本代表史上初のベスト8進出があります。初戦から、ベスト4をかけての南アフリカ戦までの1か月間、日本国中を感動の嵐に巻き込んだリーチマイケル主将を始めとした全選手の活躍は、まだ鮮明な印象として残っています。
 その大躍進の土台を作った一人に元日本代表監督の平尾誠二さんがおられます。(残念ながら、平成28年に亡くなられましたが。)「力を出し切ってこそ成長する」というのは、彼の言葉です。彼は、中学からラグビーを始め、高校最終学年の全国優勝、大学選手権3連覇、社会人としての日本選手権7連覇という輝かしい経歴の持ち主です。高校時代、前半50対0と大量リードしていた試合のハーフタイムで、監督から『全力を出しているのか。この試合は日本一に近づいている試合か。人間というのは力を出し切れば、少し実力を増す。妥協すれば、実力を減らしていくものなのだ。』と、無意識のうちに「楽して勝とう」と考えていたことを指摘され、そして『つま先まで力を出し切れ』と発破をかけられ、後半は75点取ったそうです。その後、常に全力を出し続け、「力を出し切ってこそ成長する」に行き着いたのです。
 さて、今春高校を卒業される皆さんは、希望進路(夢)について決断し、新世界への新たな一歩を踏み出すことになります。これまでの頑張りを基盤に、興味・関心・周囲への感謝等含め、自分自身としっかり向き合って導き出した決断は、卒業後の生き方の指標となります。
夢の実現は、当然ですが、多くの困難を伴いますが、本気で、全力で進むことによって初めて、新たな自分、今までより少し成長した自分との出会いがあります。その繰り返しが、夢の具現化への弛まぬ歩みとなるのです。
 自分を取り巻く厳しい状況の中で、ともすれば自分で自分の限界を決めてしまい、努力から逃げようとする心の弱さに直面せざるを得ないこともあるかもしれません。しかし、その都度、自分自身をありのまま受け入れることを起点として、他の誰でもない自分自身が設定した夢を見据え、「自分を信じる勇気」を大きなエネルギー源として進んで下さい。その際、自分自身に対しての「本気度」が「力を出し切る」ことに繋がっていくものと思います。
「なりたい自分になる」という、皆さんそれぞれの夢の実現に向かって、全力で進んで下さい。

志を持ち、社会貢献できる人材を育成します。

福岡校・北九州校・鹿児島校

待鳥 和海 校長

福岡県立高等学校等に36年間勤務、福岡地区の柏陵高等学校を最後に退職。その後、不登校関係の訪問相談員等を経て、ヒューマンアカデミー福岡校校長に着任。全日制課程高等学校だけではなく、定時制課程、特別支援学校等の指導経験を学生指導に活かしている。