Principal column校長コラム
進路選択(大学受験等)について ~ 一念、道を拓く ~
ある有名国立大学が毎年実施の調査で、「自分が本当にやりたいことが分からない」と答えた学生が、3~4年生に4割以上もいた、という記事を以前読み、進路選択の難しさを痛感した記憶があります。
大学受験に関して、従来のセンター試験は、令和3年度から大学入学共通テストに移行します。試験問題作成については「知識の理解の質を問う、また、思考力、判断力、表現力を活用して解く問題を重視する」内容となり、入学者選抜では、高校でのボランティア活動の有無等も含め、「大学で何を学びたいか、社会に出て何を目指して行きたいか等、生き方のエネルギー源となる意欲(積極的な生き方)を重視する」というのが基本的方針となります。
なお、各大学は独自の多様な入試制度を導入しており、特に、学力試験を課さず、勉学意欲等に焦点を絞ったAO入試制度については、国公立大含めて、増加傾向にあると予想されます。
社会の現状は、高校までがほぼ義務教育と考えられ、高校卒業後の進路選択が、それまでの人生で一番大きな決断であり、従来の生き方を振り返り、真の自立に向けての大きなチャンスと捉えることができます。私見ですが、そのような大きな分岐点にあたり、一般的傾向として、自宅から通える範囲内での地元志向傾向が以前より強くなっているように思います。近年の少子化等含めて複合的な要因が考えられますが、一つは、自立を目指して新世界に踏み出す際の不安より、人間関係含めて安定した現状の延長を求めてしまう要素があるのではないでしょうか。「親子関係」では、状況に応じて子供さんの「壁」となり、成長進化を促すことが必要ですが、そのような意識が若干希薄になると、友人関係に近い状況に陥り、結果として、壁になれていない場合も見受けられます。
しかし、日々接する我がヒューマンアカデミー生は、保護者のご支援の下、進路選択に際しては、興味・関心・自己の資質・能力・適性等の要素を最大限に考慮し、ゲーム、マンガ等を始めとする様々なカレッジから、他の誰でもない自らの意思で選択し、入学後は希望進路実現に向けて、自己の可能性を信じ、全力で進んでいることを、日々の姿から確信しています。
「一念、道を拓く」という言葉があります。ともすれば、安易な方に流されがちな状況が主流となっている現在、きついことから逃げず、自分に厳しい道を敢えて進む姿勢が起点となって、初めて物事は成就するものと思います。これは、日本中を感動の嵐に巻き込んだラグビー日本代表チームの持つ「信じる力」に通じるものだと思います。
自ら選択した進路には、幾多の困難が待ち受けていると思いますが、自分を信じる勇気を持って、全力で進んで下さい。必ず道は拓けます。そして、次年度はヒューマンアカデミー新入生の方々とそれぞれの校舎でお会いできることを期待しています。
志を持ち、社会貢献できる人材を育成します。
待鳥 和海 校長
福岡県立高等学校等に36年間勤務、福岡地区の柏陵高等学校を最後に退職。その後、不登校関係の訪問相談員等を経て、ヒューマンアカデミー福岡校校長に着任。全日制課程高等学校だけではなく、定時制課程、特別支援学校等の指導経験を学生指導に活かしている。