漫画家志望の皆さんは、ノート・スケッチブック・コピー用紙を使って漫画を描くことが多いと思います。しかし、投稿や持ち込み等の「本番」には、原稿用紙を使う必要があります。今回は、原稿用紙の基本的な使い方を解説していきます。
漫画投稿用の原稿用紙の大きさ
漫画用の原稿用紙は大別して、B4判の投稿用サイズ(内枠270mm×180mm)、A4判やB5判の同人誌用サイズがあります。印刷の実寸よりも原稿用紙のほうが大きいのは、縮小して印刷することで、仕上がりをきれいに見せるためです。
原稿用紙に書き込まれた枠の意味
標準的な漫画用原稿用紙には、2つないし3つの枠があらかじめ描き込まれています。この枠を内側からそれぞれ「内枠、基準線、外枠」と呼びます。
◆内枠
漫画を描くのは、この枠の中です。基本的にコマは内枠の中に全て描いてください。この枠に描かれたものは絶対に印刷されるので、重要な絵や台詞など、「読者に絶対見てほしい部分」は、必ず内枠の中に描きましょう。登場人物の顔や台詞、フキダシが内枠から外れてしまうと、印刷されない可能性がありますので注意してください。
◆基準線(仕上がり線)
初心者の方にもわかりやすいよう、内枠と外枠の間に基準線を入れた原稿用紙も一般的です。この基準線までは印刷されることになってはいますが、内枠のように「この枠(線)までは絶対に印刷される」というわけではなく、印刷範囲が数ミリ単位に渡ってずれる可能性もあることを覚えておいてください。
◆外枠
印刷される最大範囲が、この外枠です。コマの枠からはみだす、迫力のある絵、いわゆるタチキリ(裁ち切り)を描く時などは、この外枠にかけても絵を描いてくださいね。
見開きの描き方
2ページにわたった大ゴマなどの見開き絵を描きたいときは、原稿用紙2枚を貼り合わせて描いてください。その際には、2枚の原稿用紙それぞれのノド(ページの内側、綴じられる側)を、カッター等で切り落としてから貼り合わせましょう。当然ですが、ノドの近辺には、フキダシやキャラクターの顔などは描き込まないようにしてくださいね。ノド近辺は製本された際、非常に見づらい場所だからです。
原稿の取扱い
原稿用紙は油分や汚れを落とした綺麗な手で触ってください。油分が付着すると、トーンがうまく貼れなかったり、インクがにじんだりする場合があります。プロ漫画家の中には、油分や汚れがつかないように、布製の手袋をはめて作業する方もいるそうですよ。また、使用するインク・ペン・ホワイトによっては、乾きが遅く、軽く触れただけでにじみやカスレを生じることもあるので、細心の注意を払って取り扱いましょう。
原稿用紙のルールは絶対に守らないとダメ
漫画は基本的に自由に描いてよいものですが、原稿用紙を使う際は定められたルールをしっかりと守る必要があります。さもなければ想定通りに印刷されず、漫画としての体裁が守れなかったり、あなたの演出意図が伝わらなかったりという結果になってしまいます。原稿用紙のルールは必ず覚えておきましょう!
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