今も昔も商業雑誌デビューの王道は持ち込みです。今まで培った技術で仕上げた原稿を持ち、出版社の門をたたく……。考えるだけでワクワクする(そして怖くなる)瞬間ですよね! 今回のコラムは漫画の持ち込みについて。持ち込みの仕方やマナーなど、押さえるべきポイントを3つ解説していきます。
あなたの描いた最高の漫画があれば大丈夫?
持ち込みとは要するに「私は漫画家を目指している。今日は自信作を持ってきた。あなた(編集者)にこの原稿を読んでもらい、わたしをプロデビューさせるかどうか決めてほしい」ということです。極論を言えば、あなたの描いた自信作が売れるものであればそれで良いわけですが、以下の3つだけはしっかりと覚えておきましょう。
1.「ありのままの自分」が描いた漫画を持っていく
出版社に持ち込む原稿ですから、執筆の際にはあなたも相当な気合いが入っているでしょう。ですが、完璧を追求しすぎたり、トレンドを意識しすぎたり、編集者ウケを狙った漫画はやめましょう。「現時点でのありのままの自分」を最大限に表現した漫画を描いてください。最近はやっている技法やストーリーをなんとなく使ったり、既にデビューしているプロ漫画家の絵柄に似せてみたり、必要以上にペン入れを丁寧に行ったり、パロディネタを多用したり……はNGです。
編集者が見たいのは飾ったあなたではなく、ありのままのあなたです。自分の作家性・個性・感性を最大限に発揮して、あなただけに描ける原稿を持ち込んでください。
ペン入れに自信がなくても、コマ割りに不安があっても、ストーリーに整合性がとれていなくても、編集者の方はしっかりとアドバイスをしてくれます。勇気を出して、ありのままの自分をさらしてみましょう。
2.デッサン力だけはしっかりと身につけておこう
この場合に必要とされる「デッサン力」とは、「人体や物体がある程度、正確かつ正常に描かれているか」ということです。人・モノの基本的な構造をしっかり描くことができないと、「持ち込み以前にまず絵の練習をした方がいい」と言われてしまうかもしれません(実際に言われたことがある、という話を何度か聞いたことがあります)。プロ級の画力をつけてから持ち込めとは言いませんが、一定程度のデッサン力は絶対に必要になることを覚えておきましょう。
3.社会人としての常識は守る
漫画家などのクリエイター職は、世間から「自由な人、個性的な人」という目で見られがちです。それが事実かどうかは別として、漫画家志望だからといって非常識なふるまいをして良いはずがありません。服装、言葉遣いやしぐさなど、社会人として最低限のルールは守りましょう。作品を持ち込むときも事前に電話し、自分の名前などを確実に伝えてから向かいましょう。質疑応答でははきはき答えるなどを心掛け、相手が不快になる言動は絶対にやめましょう。
編集者を味方にしよう
「出版社に持ち込んだら、すごく怖い編集者が出てきて、ボロボロにけなされた」という話をときたま耳にします。でも、今回紹介した3点がしっかり守れていれば、あなたをけなす編集者はまずいないでしょう。逆に「この人をもっと助けてあげよう、アドバイスしてあげよう、自分が担当になってあげよう」と思ってもらえるかもしれませんよ!
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