医療漫画ってどんな漫画?
医療漫画とは、病院やクリニックを舞台にした漫画のことです。物語の舞台として描かれる分野は、「外科」や「内科」などの定番ものから、「麻酔科」や「心療内科」など実にさまざまです。
ただ、ほぼすべてに共通しているのは、真正面から「人の命」を主題にあつかっていることです。重大な疾患を持った患者を、主人公の医師はどうやって助けるのか? それとも助けられないのか? このような緊迫した状況を設定するからこそ、読者はドキドキしてページをめくってしまうのですね。
医療漫画の代表的なストーリーの作り方
医療漫画のストーリーには、主に次の2種類があります。
1 天才医師が患者を救っていく物語
2 駆け出し医師の成長物語
では、それぞれの特徴を細かく考えてみましょう。
人気医療漫画その1:天才医師が主人公タイプ
まず、天才医師が重篤な患者を救っていく医療漫画としてもっとも有名なのは、『ブラック・ジャック』(作者:手塚治虫)でしょう。
天才外科医として世界中で知られる主人公ブラック・ジャックが、次々と難手術を成功させ、患者の命を救うストーリーに読者は魅了されました。もちろん患者を助けられないこともありましたが、それにより読者は「人間の無力さ」や「命の重さと生きることの価値」を痛感できたのです。
また、ギャップのあるキャラクター設定も大変参考になります。「医師」というと、なんとなく真面目そうなイメージがありますが、ブラック・ジャックは無免許で高額な治療費を請求する「もぐり」の医師です。とはいえ、欲望にまみれた汚いキャラクターなのではなく、場合によっては治療費を請求しなかったり、受け取りを拒否したりすることもあります。こうした二重のギャップが、ブラック・ジャックというキャラクターに深みを与えているのです。このタイプの漫画としては、他に『ゴッドハンド輝』(作者:山本航暉)や『最上の命医』(取材・原作:入江謙三 作画:橋口たかし)なども有名ですね。
人気医療漫画その2:駆け出し医師の成長物語タイプ
駆け出し医師が成長していく様子を描いた漫画としては、『ブラックジャックによろしく』(作者:佐藤秀峰)が有名です。タイトルは、手塚治虫の『ブラック・ジャック』と『ブッキラによろしく!』からつけられたといわれています。理想と希望に満ちた研修医の斉藤英二郎が、医療現場で起こるさまざまな問題に直面しながら成長していくストーリーです。
この漫画では、疾患の治療だけでなく、移植問題やハンディキャップを持って生まれた新生児をめぐる問題が非常にリアルに描かれています。そのなかで悩み、苦しみながらも信念にしたがって行動しようとする主人公の姿が読者の胸を打つのでしょう。
医療漫画の作り方 自分の描いた漫画を本物の医師に読ませられるか?
『ブラック・ジャック』と『ブラックジャックによろしく』の共通点があります。
それは、医療あるいは医療現場が、とてもリアルに臨場感を持って描かれることで、魅力あふれる作品になっていることです。医療漫画の面白さの源ともいえるこの「リアルさ」を守るためにも、知識の誤りや設定の甘さは、避けなくてはいけません。徹底的にリサーチして、本物の医師が読んでも、思わずうなってしまうほどリアルな医療漫画を目指しましょう。
とはいえ、本当のことばかり描いていても、漫画としては面白くありません。『ブラック・ジャック』には大胆なフィクションが描かれているシーンがありますが、それも他の部分がリアルに描かれているからこそ可能なことです。リアルな描写を積み重ねて、ストーリーが盛り上がる良いところで、大胆な演出をする。これが医療漫画を面白くするコツといえるかもしれませんね。
参考URL
ブラック・ジャック
http://www.akitashoten.co.jp/comics/4253031609
新ブラックジャックによろしく【移植編】
http://www.shogakukan.co.jp/comics/detail/_isbn_9784091811899
ゴッドハンド輝
http://kc.kodansha.co.jp/product?isbn=9784063703115
最上の命医
http://www.shogakukan.co.jp/comics/detail/_isbn_9784091213853
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